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メイドが本体!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 闇のメイドを引き連れて王都の学院へ行こう!
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第49話 これで朝チュン一巡、と思いきや!

 チュンチュン、チュンチュン……


(ああぁ……色んな意味で、堕落した気分だぁ……)


 全ての意味でだらしないナンスィーさん、

 僕はその、なんていうか、抱き枕っていうやつ?

 他のメイドは『包み込む感』があったが、このお方の場合は……


(抱きついてヨダレまで……しかも逃がしてくれない)


 本当に駄魔女、駄メイド、駄お姉ちゃんだ、

 今も僕の寝間着をはむはむしているし……

 どっちかというと僕が甘えさせてた、まであるな。


「ん~~~あぁ~~~~んあっぁぁ~~~っ……あっ」


 何を勝手に果ててるんだ、何を。


(いや何もしてないぞ? 添い寝して貰っただけだ)


 というか正直、トイレに行きたい……


「その、ナンスィーさん、朝ですよ」

「ぁふぅぅん……ダルちゃまああぁぁ……んあっ」

「ちょっと、絞めつけながらクネクネしないでっ!」


 もうこうなったら、

 抱えて一緒にトイレへ……

 いや、やっぱり成人女性は重いな。


「グエエエエェェェェェ~~~……」


 外では今朝もダークネスドラゴン、

 操縦は今日は……アンヌさんが乗っている、

 元々ティムしたのはユピアーナ様だからね、本来の飼い主? だ。


(心なしか楽しそう、後ろの子供4体も)


 それはそうと、いいかげんトイレへ……

 あーもう、中途半端に起きているのか、

 僕にしがみつく力が強くなっちゃってる!


 コンコン、コンッ


「あっはい、助けて!」

「し、ししし、失礼致しますっ!」


 入って来たのは、ブランカちゃん?!


(僕よりひとつ年上とはいえ、彼女が……!!)


 いやいや、さすがに起こしに来ただけだよねっ?!


「ブランカちゃんおはよう、コレなんだけれども」

「オハヨウゴザイマス、その場合は、こうした方が良いのではないかと」


 すたすたとベッド横のテーブルへ行き、

 手にしたのは……ナンスィーちゃんの眼鏡だ!

 それをベッドに乗り込んで、装着させると……!!


「おおおおおはようございまあああああっす!!」

「あっ、何か覚醒した!」

「朝でございますよおおおおおおおお!!!」


 あっ、ベッドの上に立ち上がった!

 いいけど相変わらずローブのみの姿だ。


「うん、おはよう」

「ということでぇ、トイレに行かせていただきまっす!」

「あっ、僕が先!」「ではワタクシはメイド専用の方でっ!!」


 隣の繋がっているメイド部屋に入って行った、

 あっちトイレあるんだ、僕はわざわざ廊下に出るのに!


「じゃあトイレへ」

「行って、らっしゃいませ!」


 出ると紅茶セットが移動式ワゴンに乗せられている、

 戻ってきたら飲む流れはいつものことなんだけれども、

 その、このパティーンで行けば、ひょっとして……


(今夜は、ブランカちゃんと?!)


 トイレで用を足しながら考える、この国において平民が結婚できるのが十八歳、

 でも普通の貴族(侯爵以下)は正式な婚約は十三歳から出来て結婚は十六歳から、

 国王家・上位貴族(主に公爵)が正式な婚約は十二歳から、結婚は十五歳から出来る。


(学園で習ったよ! だからこの国だと僕の結婚は十六歳から、今のところはね)


 ただ、まず婚約とかそういうのは関係なく、

 地方だと結婚せずに子供を作るとか黙認されている。


(まあ国民は多い方が良いからね、特に労働力)


 じゃあメイド相手だとどうかというと、まあ『よくあるお手付き』とでもいうか、

 大きい貴族だと領主やその子供がメイドと子供を作ってしまったら、

 第四夫人にでもしない限りそのメイドは同じ派閥の他所へ飛ばされるのが大体のケースらしい。


(子供が女の子なら、そのまま行った先でメイドとして育てられるケースもあるとか)


 もちろん、どーーーしてもそのメイドを放したく無い場合は置いておけるし、

 小さい貴族なら正妻にしてしまえば良いのだが、周りからの視線は冷ややかになるとか。

 えっ、僕?! すでに最初から冷やかだから、ワンディちゃんを嫁に貰っても構わないよ、婚約者だし。


(そういった流れもあって、手を出す事自体は、リスクを背負う覚悟があるならそこまでは……)


 って、ただの添い寝でそこまで妄想するのはどうかと思うよね、

 現に今日まで、ここまではメイドみんな添い寝だけで済んでいるんだし、

 もちろん『普通の添い寝』だとか『ただの添い寝』とか言う気はないけれども、でも……


「ふう、戻ろう」


 用を済ませて寝室に戻ったとたん、

 ブランカちゃんが紅茶を淹れてくれる、

 二人分……まずは僕がいただく、うん、美味しい。


(続いてナンスィーちゃん、舌でアチアチしながら飲んでるや)


「目が覚めるよ、ブランカちゃん、ありがとう」

「いえっ、その、よろしくお願いしますっ」

「えっ、何を」「今夜はブランカの番ですからっ!!」


 と言ったナンスィーちゃんが紅茶をベッドにこぼしてる、ほんとにもう。


「ナンスィーさんはお休みだよね?」

「はい、ダルちゃまのこのベッドやお部屋を掃除したら、そのまま」

「そのまま?」「ここで二度寝します!」「いいのかそれ!!」


 いや、掃除の意味は?!


「あっ、ここでというのは隣のメイド部屋で!」

「ならいいのか……いいのか?!」

「お休みですから! 駄目なら地下で寝っ転がりますが!」


 眼鏡かけても思考は変わらないらしい。


「わかったよ、メイドエリアはメイドのものだからね」

「ありがとうございます!!」

「それでブランカちゃん、今日は」「ダルマシオ様の、仰せのままに!」


 ようはついてくるってことね。


(やる事はフリーかな? じゃあ、どうしよっか)


 まあ、剣と魔法の訓練でいいや、あと座学も。


「それではそろそろ、御朝食をっ」

「うん、誰が作ってくれたのかな?」

「私の母ですっ!」「そ、そうなんだ」


 キッチンメイドもするんだクライスさん、楽しみ。

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