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メイドが本体!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 闇のメイドを引き連れて王都の学院へ行こう!
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第37話 なぜか知らないけどお姫様が来るって!

 昼食後、街の方の屋敷にしょーこりもなく? やってきた学園時代の友人三人、

 カイル、ディラン、ロジャーがウチのメイドふたりを凝視している、

 具体的にはタマラさんとアンナさんの、いやまあ会話はちゃんとしている、会話は。


「へー、アンナさんって全属性使いなんだ!」

「じゃあ、こんな所でなくても王都でも仕事し放題なんじゃ」

「ダル、まさかアンナさんを売り飛ばしたりしないだろうな」「しないしない」


 魔神を奴隷に売り出したら、

 おそらくこの大陸が滅ぶレベルで怒るな。


「……私は御主人様の御命令であらば何でも、それに従うまでです」

「マジかよ」「な、なん、でも、って」「ダル、もう何かしたか?!」

「まだ何もしてないって!」「まだかよ!」「ま、まだ、ってことは」「ダル、これからするのか」


 昨日も同じようなこと言ってたな、

 まあ、これが楽しくはあるんだけれど、

 ドリーちゃんがすんごい呆れた表情で見ている。


「まったくもう、みんなずーっと胸ばっかり見すぎよ!」

「いや、わ、わざとじゃ」「どうしても目に」「俺はそれ程でもないぞ、ダル」

「みんな視線がいやらしいから、ウチにメイドに謝って」「ダルちゃんもよ!」「えええ僕も?!」


 ♪カランカランコロンコロ~ン


「あっ、呼びベルだ、誰か来た」

「行って参ります」


 玄関へ向かったタマラさん、

 当然、その時に揺れたお山にみんなの(男四人の)目が行っていた、

 いや仕方が無いんだってばあ!!


(それにしても誰が来たんだろう)


 しばらく待っていると……


「ダルマシオさま、ダクスヌールの町長様が」

「えっ、なんだろ、通して」「はい」

「俺たち居てもいいのか?」「ええっと、まあいいや」


 別に来客の間があるほど広い家じゃないからね、

 玄関で対処するのも申し訳ないし、という事で入ってきて貰った。

 あいかわらず村長にしか見えない町長、ゲンズブールさんだ。


「ダルマシオ様、なんと国王陛下の方からご連絡が」

「えっ、陛下直々に?!」

「はい、辺境伯家ではなく、王都の国王陛下名義で」


 さすがにユピアーナ様の事が伝わったのだろうか、

 魔神復活、その力は陛下が国力として欲しがっても、おかしくは無い。


「内容は伺っていますか」

「何でも第一王子の娘、ロゼッタ姫がいらっしゃるとか」

「えっ、聞いた事の無い姫だな、第四夫人の十女とか?!」


 それくらい下がればまあ、わかる。


「いえ、正妻の四女だそうで」

「ええっと、結構、まあまあ偉いお姫様ですね」

「ダルマシオ様にお会いしたいそうです」


 なんだろ、なんでだろ。


「そのあたりの偉い人っていうと、解呪関係だよね」

「だと思われます、それ以外に用事は無いでしょうから」

「だったあいつものごとく、僕なんてスルーで良いのに」


 前も言ったかも知れないが(誰にだ)、

 ここダクスヌールの教会は闇魔法の神官により、

 相当やっかいな呪いや病気を治す事が出来、かなり偉い人もまれによく来る。


(その神官がここスゥクネィダ地方から出られない身体だったりするから、こっちに来て貰うしかないんだよな)


「ロゼッタ姫から直々のご指名だと、陛下名義で」

「それ、居留守とか使ったら普通に首が刎ねられるやつですよね」

「私もです、ですから直々に」「で、いつ来るんでうか」「明日だそうです」


 あ、あああああ明日ううううう?!?!


「突然ですね」

「はい、私も驚いております」

「出発したのは随分前でしょうに」


 距離的に、十五日前から連絡が来ていても、おかしくは無い。


「おそらく辺境伯家が伝言を忘れていたか」

「いや、父上の事だから『後でいいや』ってなったんでしょ、

 あの母上が気を利かすなんて絶対ないし、姉上ならいら知らず」


 その姉上だって知ったのは最近だろうな。


「泊まられるかどうかまではわかりませんが、一応、ホテルの最上階を」

「空いていたんだ」

「事情を話して、別の宿の方へ、よろしいでしょうか?」


 あれ?

 この街の宿ってあの三階建てホテル以外あったっけ、

 冒険者ギルドに簡易宿泊施設はあるけれども……あっそうか。


(たまに空いている大きな家、空家を貸す事もあったっけ)


「わかりました、別の所へ」

「はい、ではそのように手配しておきます」

「でもお姫様ですからね『この瘴気は無理だわ』って速攻帰る可能性も」


 ウチの母上みたいに!


「その可能性は十分ですが、王家の姫様なので一応は」

「泊まらなくても宿代、貰えると良いね」

「貰ってもおそらく辺境伯様に」「父上が吸い上げるかぁ」


 このあたりはゲンズブールさんも苦労しているんだろう、

 よっぽどの事があれば爺ちゃんに言って何とかして貰うだろうけど。


「到着時間は昼前、もしくは夕方前、もしくは夜だそうです」

「いつなんですかーー!!」

「馬車が見えたら急いでお呼びしますので、それでは」


 そして出て行ったギリギリ町長さん、

 残された友人三人がそれぞれ話し掛けてくる。


「俺らも一応、来ようか」

「次期領主の取り巻きらしい事はさせて欲しい」

「ダル、あと正直に言えば、お暇様を間近で見たい」


 まあ、メイドは横に置いて、

 僕ひとりだと心細いから……いっか。


「じゃあお願いするよ、朝集合で」

「早い方がいいか?」「ここに泊まる手も」「ダル、メイドも泊まっているんだよな?」

「お前ら……まあ朝食後で良いよ、うん」


 だって僕は、今夜……。

 僕がサンドリーヌドリーヌさんを見ると、

 可愛らしいドリーちゃんな声で友人三人に声をかけた。


「あ、言っておくけど私は、このサンドリーヌお姉さんは明日は休みよ」

「そうなんだ」「そうなんですか」「ダル、タマラさんとアンナさんは?!」

「おいおい……ドリーちゃんに失礼だろう」「ふふ、お姉さんのセクシーさに呆然としてるのね」


 いや、スルーしているだけかと。


(今夜はそんなドリーちゃんと……これはこれで、何かあるの、かな?! かなっ?!?!)

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