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メイドが本体!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 闇のメイドを引き連れて王都の学院へ行こう!
33/122

第33話 友人にメイドお披露目会!

 この街に住む学園のクラスメイトだった友人、

 カイル、ディラン、ロジャーにウチの新メイドをお披露目している、

 そしていよいよ巨乳メカクレのタマラさんの出番である。


「「「……」」」

「いや三人とも、どうしたの」

「メイドのタマラと申します、初めまして」


 大きくお辞儀すると三人の目線も追いかける、

 いや何に釣られたかは言わなくてもわかるよね!

 メイド服でこのサイズはうん、目が離せなくなる。


「とりあえず何でもいいから行ってよ」

「うん、ええと」「その、なんだ」「ダル、これはすごい」

「ちなみに私、二十歳です、男の人が迫ってくるのは苦手です」


 何だか先手を打ったタマラさん、

 いやいや友人三人とも固唾を呑んで凝視している、

 空気が凍ったような空間に我慢できなくなったか、ようやく真面(まとも)に喋りはじめる友人たち。


「カイルです、その、ガブがお世話になります!」

「リボンがピンク、リボンがピンク……」

「ダル、なあダル、今までよくこんなメイドさん隠してくれていたなオイ!」


 僕だって隠されていたんだよう、

 そしてディランはメイドのリボンがピンクな事の意味を知っているようだ、

 うん、タマラさんも僕の方を見て微笑んでいる、メカクレながらも。


「彼女、四回ほど男性に襲われた事があるらしくって」

「あっ(察し)」「う、うん(察し)」「ダル……(察し)」

「だからあんまり自分から近づかないであげて」「わかった」「うん」「おうダル」


 これ以上、彼女で停滞するのは良くなさそうだ、

 次に行こう、そう、次に入ってくるのは、もちろん……


「タマラさんありがとう、じゃあ次のメイドに」

「ふぁあぁいいいいいぃいいいいぃぃ~~~~~!!!」

「えっ、えええええぇぇぇぇぇ……」


 そっちかよ!!


「ダルさまがぉおぉのぞぉみならぁ~~、なぁんでもしまぁす、ナンスィーでぇすぅ~~~」

「うわ、だらけてる」「駄メイドだ、これ駄目なやつだ」「ダル、こんなの雇っちゃったのか?!」

「いやいやお飾りメイドじゃないって、飾れないタイプだし」


 実は超有能なんだけれども、


『なんと! 実はコイツ、アイテム袋作れるんですよ!!』


 とかバラすのは、いかに友人でも良くは無い。


「にぢゅうろくさいでぇ~、よろしこ~~~~~」

「メイド服もちゃんと着れてないな」「なんだコレ」「ダル、安いの買ったろ」

「いやそんなメイド予算の余りで人数合わせしたみたいな!」


 だったらもうちょっと、ちゃんとしたの買うよ!


「もういいよナンスィーちゃん、そのへんに転がってて」

「はひぃ~~、ぢゃまにならないとこぉろぉでぇ~~~くふふ」

「なぜか笑ったぞ?!」「大丈夫なのか、本当に大丈夫なのか」「ダル……いや、なんでもない」


 何を言おうとしたんだロジャーは。


「じゃあえっと、最後のひとりです、アンナさん、入ってきて」

「……はい、失礼致します」


 しずしずと大人し目に入って来たアンナさん、

 うん、やはり今回もみんな巨乳に目が行っている、

 タマラさんには少しだけ劣るがその分、なんというか、ちょい垂れ具合がね、うん。


「そうか、こういうのを集めているのか」「よく二人も隠してたな」「ダル、俺たち友達だよな?!」

「いや何を期待しているの!!」

「……私は御主人様のメイドです、御主人様が望めば、御主人様以外でもご命令とあれば……」


 余計な事、言わないでーー!!


「だってさ」「だそうだ」「ダル、そういうことだ」

「いやどういう事だよ?!」

「……ただし私は二十六歳、皆様より一回り近く年上ですが」


 まあそうは言ってもね、うん。


「彼女は、アンナさんは魔法のスペシャリストで、僕のお抱え魔法使いみたいなものだからさ」

「俺もすでに魔法にかけられているよ」「ぼくも!」「ダル、だからわかっているよな?」

「いやいやいや、貸さないよ、そもそも借りてどうするんだよ、僕だってまだなのに!!」


 あっ、余計な事を言っちゃった。


「じゃあ、これから」「タマラさんもか?!」「ダル、先に大人になっちまうのか」

「あーもう、僕の新しいメイドは以上だから、街で会ったらよろしくな!」

「うん、よろしくするよ」「よろしくして良いんだな?」「ダル、許可は貰った」「だーかーらー!!」


 微笑むサエラスさん。


「あらあら、みんなお若いのね、みんなピンクのリボンですからそういう妄想はするでしょうが、

 ダルマシオ坊ちゃんは紳士的な方、貴族の一員ですから、ご友人もそのあたりは謹んでいただければ」

「い、嫌だな、冗談だよ」「つい乗ってしまいました」「ダルならわかってくれてたよな冗談だったって!」


 いやいや必死過ぎて引いたんだけれど。


「まあそんな訳で、今日はお休みのカタリヌさん含めてみんな、王都へ行くまでの間だけれど……」


 コン、コンッ


(えっ、誰だ?!)


 このタイミングで入ってこられる部外者はもう居ないはず、

 見張りの留守番衛兵が何か忘れ物か、それともメイドお婆ちゃんズがもう?!

 まあいいや、とにかく入って貰って確認しよう。


「どうぞー」

「失礼致します……」

「ブランカちゃん?!」


 逃げ帰ったと思ったら、

 また来ちゃったけど顔が青い!


「あのっ、私、どうしても王都へ……」「無理しないで!」

「皆さん……ブランカ、と、いいます、十六歳で、うっ、ううっ!!」


 やっぱり逃げちゃった、無理するから。


「今のって」「具合悪そうだったな」「ダル、何かしたか?」

「いやいやいや、わかるでしょ、ここの街の空気」

「耐性無いのか」「確かに普通の子には無理だ」「ダル、帰してやれよ」


 うん、闇の村へ帰って行ったと思う。


(友達みんなの想像とは逆なんだよなぁ)


「じゃあ、ちょっとしたハプニングはあったけれども!」

「さっきの子、可愛かったよな」「痛々しかった」「謝りに行かなくて良いのかダル」

「ええっと、そっとしておいた方が良いやつです」「「「あっ」」」


 何か勝手に察してくれた。


「という事でメイドの皆さん、僕の友人のために何かお菓子を」

「それならこのお姉さんに任せなさい!」

「子供はいいよ」「ちっちゃい子は危ない」「ダル、この子をキッズルームへ」「ムキー!!」


 ドリーちゃん『ムキー!!』って!!


「では私も一緒に」「あっサエラスさん、お願いします」

「なら安心だ」「うん安心だ」「ダル、その間タマラさんとアンナさんとお話してて良いか?」


 わっかり易いなぁロジャーは!


「あっそうだディラン、この四人で一番王都に詳しいディランから情報を聞きたい」

「いいぜ、劇場に遊園地に闘技場に賭博場に、とにかく凄かったんだから!」

「……興味があります」「うん、僕もアンナさんに興味がある!」


 って、どこを見ながら話しているのやら。


(とてもこの全員に毎日、毎晩『夜伽』をされるなんて言えないな)


 とまあ、こうして友人へのメイドお披露目会を急遽、行ったのでした。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「じゃ、また明日な!」

「えっ、明日も来るのかよ」

「悪いか?」「駄目か?」「ダル? なあダル?」


 絶対メイド目当てだ、特に二人。


「学院のクラス分け試験に向けて勉強してるから、程々に頼むよ」

「わかった、じゃあその間、メイドさんと遊んでるよ!」

「タマラさん、アンナさん、明日も」「ダルは最悪、居なくていい」


 まあ十五歳だからね仕方ないね、僕も含めて。


「それじゃ、また!」「「「おう!!!」」」


 帰って行った友人三人、

 夕食時になったからね、

 何度も振り返る三人を見てドリーちゃんが呟く。


「まったく私のセクシーは罪だわ」

「……あのー、どこ見てたかわかってます?」

「私がセクシー過ぎて、恥ずかしくて見られなかったのよね?!」


 まあドリーちゃんがそう思ってるならいいや。

 そしてサエラスさんが僕の頭を撫でながら言う。


「楽しいご友人ですね、さあ夕食が出来ているでしょう、屋敷へ戻りましょう」

「村の方ですよね、わかりました、えっと留守番は」

「ナンスィーが結界を張って泊まるそうです」「そうなんだ」


 泊まるってもうどこかで眠っていそう。


(二階の転移魔方陣へ、っと)


 入って転移すると……!!


「おかえりなさいませ」

「ブランカちゃん、大丈夫?」

「はい、毎日何度か渡って、身体を慣れさせようと思っています」


 無理はしないで欲しいな。


「さあダルマシオ坊ちゃま」

「はいはいサエラスさん」

「お食事の後は……わかってらっしゃいますよね?」


 うん……覚悟を決めよう。


(とはいえ、単なる添い寝だけれどもねっ!!)

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