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メイドが本体!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 闇のメイドを引き連れて王都の学院へ行こう!
100/122

第100話 メイドの皆さんよろしくお願いします!

「よし、これで良いだろう」

「はい、とりあえずは住居っぽくは」


 王都のアジト、唯一まともに居られる部屋に、

 村の屋敷からアンヌさんのアイテムボックスでソファーとか棚とか持って来た、

 本格的に各部屋の整備をするのは実際に学院に通いだすまでに、で良いだろう、あと数日だけど。


(そのあたりも整理しないとね)


「ほう、これまた父上が大切にしていた絵とそっくりだ」

「お爺様、もう日付けが変わりますが何をしに」

「気にするな、ちなみに父上のは博物館で展示するからの」


 あのひい爺ちゃんの屋敷に飾るのか、

 僕が見た事無かったんだからよっぽど大事に仕舞ってあったんだろうな、

 まあコレでお金が取れるのなら、盗まれないか心配だけど、ってここのもか。


「ナンスィーちゃん」

「ZZZzzz……」

「まーた寝ちゃってる」


 ソファーを運び込んだとたんに、まったく。


「ええっと、とりあえず座って下さい、お爺様は」

「適当にしておるから進めるが良い」

「あっはい、ええっと、僕も座った方が良いか」


 ちなみに爺ちゃんは弟子がわざわざ椅子を……

 何だかやりにくいなあ、でもびくびくした所でしょうがないか。


「御主人様、明日から春季だったか」

「そうですね、学院的には春期です、あ、字が違いますからね」

「ダルマシオ様、黒板でも持ってきましょうか」「カタリヌさん、今はいいかな」


 会議室とか作れそうだから、それはまた。


(そもそもが本拠地は村の屋敷にする予定だし!)


「ひとつ良いか」

「はい、お爺様」

「メイド相手にあまり下から物を言うでない」


 まあ、確かに。


「でも、大切なメイドですから」

「籠絡されたな?」

「い、いやその、あはは」「まあ良い、今はまだの」


 じゃあ今後はどうなるんだろう、

 そうだそうだ今後の話をしなきゃ。


「さっきも言ったように明日から、もうあと数分で明日ですが、

 日付的には僕も学院の生徒っていう事になります、入学式は四日後ですが、

 あっ、書類提出もちゃんと明日しなきゃ、まあそれはともかく」


 座らせたメイドを見渡す。


「学園時代に聞いた話だと学院に行くとマウントの取り合いが凄いと聞きます、

 さっきの王城でのパーティーでもその片鱗は見ました、特にメイドを使ってですね、

 まあメイドバトルはアン……ユピアーナ様がやる気満々ですが、それは最低限で」


 とはいえ模擬戦みたいなのはタマラさんとドリーちゃんがもうやっちゃった、

 あとアンヌさんもだっけ、四対一だったけれど! あれもメイドバトルっちゃあバトルだ。


「とにかく僕の目標はちゃんと三年間真面目に勉強して卒業し、

 領主見習いから本当の領主になる事です、爵位のランクはわかりませんが、

 できるだけ上の爵位を目指し……嘘です、無事に卒業できればそれで良いです」


 さすがに準男爵は駄目だけどね、男爵くらいにはなりたい。


「皆さんはあくまで僕が領主になるための補佐役です、

 確かに『えっ、そんなことまでしてくれるの?!』という部分もありますが、

 一緒になって僕がダクスヌールの街、を中心としたスゥクネィダ地方を継げるよう、協力して下さい」


 頷いてくれているメイド達、

 もうすでに十分、協力してくれているけどね!


「そしてお嫁さん探しも頑張りますので、そのあたりもまあ、

 女性ならではのアドバイスを……まずは行方不明のメイド婚約者、ワンディちゃん探しから!

 そのあたりは僕も頑張って探しますから、自分の婚約者ですし」「なんじゃい、そんな事になっておるのか」


 いや爺ちゃん……気にするなって言っておいて!


「権利は使いませんよ」

「まあ男ならそれくらいはの」

「それと、とりあえずはクラス分けテスト、どうなるんだろうね」


 自分で他人事みたいに言うのは駄目か。


「明日、ご一緒に学院長にご説明しましょう」

「あっカタリヌさんありがとう、と、いうことで……」


 改めてアンヌさんから。


「アンヌさん、一番の武闘派メイドだと思って頼りにして良いかな」

「はい、敵は全てなぎ倒してみせましょう」

「ありがとう、でもあくまでも向こうから来た場合だけどね」


 降りかかる火の粉は振り払う、みたいな。


「メイド長のカタリヌさん」

「はいですわ」

「勉強面やマナー面を特に、お願いします」「承知致しておりますわ」


 高価そうな眼鏡を直す、

 うん、困った事があればまず彼女に相談だ。


「副メイド長のサエラスさん」

「はい、坊ちゃん」

「アンヌさんは番外だとして、剣の内が一番強いサエラスさんに期待しています」「お姉ちゃんに任せてね」


 あいかわらずお姉さんというよりママー! なのだが。


「サンドリーヌさん、こちらでも闇の村でも、料理の方はお任せします」

「お姉さんの手造り、期待しているのよダルちゃん!」

「あと何気に強いですよね」「戦士だもの!」


 いや戦士的な重さより、

 あの身軽さは正直言って驚いた。


「タマラさん、その、一番身近なメイドとして、よろしくお願いします」

「……はい、私でよろしければ、どんなことでもさせていただきますねっ!」


 そっかあ、何でもしてくれるのかぁ……

 相変わらずメカクレだけど僕には微妙に目が見える、

 何よりも一番の特徴はその主張し過ぎているそのお胸……!!


「ナンスィーちゃん、ナンスィーちゃーん?!」

「ZZZzzz……」

「まあいいや、魔道具とか商業ギルド関係はお願いね」


 この駄メイド、

 肝心な時にちゃんと働いてさえくれれば良いか。


「最後にアンナさん、魔法関連はお願いします」

「はい、ギリオス様の隠し弟子の名に恥じぬように」

「こちらで口裏を合わせておこうかの」「お爺様も感謝です」


 あとは修行中のブランカちゃんを心に仕舞っておいて、と。


「以上が明日からの、スタートメンバーのメイドです、

 誰一人欠ける事なく、これから三年間、よろしくお願いします!

 休みが欲しかったら遠慮なく言って下さいね、いざとなったら僕一人で通学しますから」


 鼻で笑う爺ちゃん、

 まあ言いたい事はわかるよ、

 でもいいんだ、どうせ僕なんて。


「ダルマシオ様」

「はいカタリヌさん」

「逆に、遠慮なく私達を頼ってくださいませ」


 うん、それはその気は満々だ。


「お願いするよ、あんまり頼り過ぎて『メイドが本体』とか言われちゃうかも」

「しかしながら、目的を遂行する手段であれば何でも良いのでは」

「でもそれだと奥さんの目的が僕じゃなくメイドになっちゃうかも」


 まさかそれは、ね。


「とにかくダルマシオ様が立派な領主になれるよう、

 我々メイド一同、誠心誠意、尽くさせていただきます」

「「「「「よろしくお願い致します!」」」」」


 頷く僕、

 明日からやる事がいっぱいだぁ。


「それじゃあまあ早速、村の屋敷に帰ろうか」

「一人くらいは留守番が」「そうだね、じゃあ……メイド長で」

「かしこまりました、では今夜の添い寝は」「それは、まあ……あはははは」


 そんな感じでいよいよ始まる学院生活、

 最初から問題がいくつもあるような気もするが、

 僕を支えてくれるメイド達と一緒に、三年間、頑張ろう!


(そして出来れば、楽しいものにしたいなっ!)


 さてはて、どうするどうなるこれからの僕!

 そしてメイドは、僕の本体になっちゃうのだろうか?!

 全てはこれからの僕と、僕のメイドの扱い次第だ!!


「メイドの皆さん、お願いします……よろしくねっ!」


 入学式の待つ第二章へと続く。

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