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元剣聖のスケルトンが追放された最弱美少女テイマーのテイムモンスターになって成り上がる  作者: ゆる弥


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68.想定外

『さぁさぁ、やって参りましたぁぁぁ! 武闘大会、魔族部門ですっっ! 盛り上がって行きましょぉぉぉ!』


「「「おおぉぉぉぉ!」」」


 ミリアの時と同様に各ブロックでバトルロイヤルが開始された。

 俺は最後の方。


「ナイルゥゥーー! 頑張ってぇぇぇ!」


 自分の番が来てステージに上がると応援する声が。チラリと見るとミリアが手を振っている。手を振り返すと、周りの男共がすごい形相でこちらを睨んでくるからたまったものではない。


『それでは、バトルロイヤル開始!』


 俺には、この大きな太刀がある。

 切れ味が良すぎて刃の部分は使えないが、腹を使って攻撃するつもりだ。

 俺を標的にしている魔族がこぞって集まってきた。

 動く必要がなくて楽なものだ。


『我流 刀術 大車輪』


 大太刀のリーチを活かしてぶん回す。

 大太刀の腹で攻撃したものだから、攻撃範囲にいた魔族達はみなボーリングのピンのように吹き飛ばされて場外に落ちていく。


 まだ半数は残っているが、大分落とせたようだ。


『おぉぉっとぉぉ! これは凄まじい攻撃です! 大半の選手が落とされてしまいましたぁぁぁ! ナイル選手の実力は本物のようですっ!』


 俺がホラ吹きかなんかだと思ってたのか。

 この武闘大会は初めてだし誰も俺の事は知らないから当然か。


 残りの魔族は俺を避けて違うもの同士で戦っているようだ。

 それを待つ事はしない。

 面倒だから決める。


『我流 刀術 雷霆らいてい


 イナズマのようにジグザグに移動しながらの切り付けがステージにいた残りのもの達を次々と落としていく。


 全員落とすつもりだったが、二人残してしまった。


 残ったのは素早いことが売りのホーンラビット族。そして、頑丈そうなゴーレム族だった。


 最初に突撃してきたのはホーンラビット族。

 地面を蹴ると砂埃が舞う凄まじい踏み込み。

 だが、追えない速さではない。


 下からすくい上げるように太刀を振るう。


『ドラグニック流 太刀術 昇竜のぼりりゅう


「ぐえっ」


 カエルのような声を出して場外へ飛んでいくホーンラビット族。

 あれはもう戻っては来られないだろう。


 最後のゴーレムは力技で吹き飛ばす。


『ドラゴニック流 太刀術 竜牙一閃りゅうがいっせん


 瞬速の横への切り払いで吹き飛ばす。


『なななな。オラがとばされるなんてー』


 重そうなその巨体が場外に転ぶ。


『このブロックの勝者が決定しましたぁぁぁ! この会場にいる誰もが注目しておりました! ナイルゥゥゥ選手ぅぅぅ!』


 こうしてナイルはどんどん勝ち進んだ。

 いうまでもなく、この武闘大会で最強の一角であることは周知の事実となったのだ。


 そして迎えた決勝戦。

 決勝はやはりリビングアーマー族だった。


『ほぉぉ。よくぞ逃げずにここまで来たな?』


『逃げる意味が無いからな。お前には容赦しない』


『生意気な口を叩くな! 骨風情が!』


『そんな風にスケルトン族に対して思ってたんだな。ガッカリだ。ハッコツ伯爵家との婚約は破棄させてもらおう』


『ははははっ! やってみるがいい!』


 両者武器を構える。

 奴は大剣を上段に構えている。

 思いっきり振り下ろす気なんだろう。 


────ギィィィィィンンッッッ


 力だけは出力があるみたいだな。

 スキルの効果なんだろうが、俺には身体強化がある。

 体を青い炎が包み込む。


  押し返そうとしたその時


 ────空気が


 ────震えた


「グオオオオオォォオォオオォォォ」


 闘技場を黒い影が包み込む。

 空を見上げると黒いドラゴンが滞空していた。

 ドラゴンはそのまま口を開けると黒い光を溜めた。


『みんな! 逃げろー!』


 カッと黒い光を放った口からは太いレーザーが客席を横断する。


 ────ズドォォォォンッ


 ミリアのいる方向とは違かったが、あれをくらったらひとたまりもない。


『じゃまをするなトカゲ風情が!』


 そう叫んだのは目の前のリビングアーマー族。


 ────巨大な黒が飛来した。


 ────ズゥゥゥゥゥンンッッ


 余りの暴風に吹き飛ばされる。

 太刀を盾にし少しでも風を遮るが十メートルは飛ばされただろうか。


 リビングアーマー族は無惨にも粉々に踏み潰されている。

 あれでは、コアも何も粉々だろう。


「グルルルオォォォォオォォオ」


 殺気がばら撒かれ、ビリビリと空気が痛い。


『いったいなんなんだあいつは!?』


 目は濁った黒色をしていて正気かどうかは定かではない。

 このドラゴンのせいなのかは分からないが、黒々とした雲が上空に漂い始めた。


 レーザーが当たった所の観客はもう生きているものはほぼ居ないのではないだろうか。

 阿鼻叫喚の様を呈している。


 やるしかないと覚悟を決めた。


下克上ジャイアントキリングを発動します』


 魔力を全身にめぐらせ、太刀にまで纏わせる。


『初っ端から全力で行く!』


 地面を力一杯蹴って駆ける。


『おおぉぉ! ドラゴニック流 太刀術 火竜かりゅう咆哮ほうこう


 少し距離を詰めた所で、太刀を力一杯振るい巨大な火球をぶつける。

 凄まじい熱量の火球が周りの空気を焦がしながらドラゴンに迫る。


「グルルルゥオォォォ」


 黒い波動が放たれて火球とぶつかる。

 拮抗した後、軌道がかわり客席にいってしまった。


 ────ドドォォォンン


 行った先がVIPの席だったことでハッとした。


『トウカ!?』


「キャァァァ! トウカちゃん!?」


 俺とミリアの悲鳴が闘技場に木霊した。

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