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元剣聖のスケルトンが追放された最弱美少女テイマーのテイムモンスターになって成り上がる  作者: ゆる弥


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23/69

23.街道でも油断大敵

 騒動の後は衛兵に事情を説明して後始末をお願いした。街に巣食う組織の仕業のようで衛兵には感謝された。


 これで、その組織はこの街に居られなくなるだろうとのこと。


「私の食料の補充は終わりましたし、もう街を出た方がいいでしょうか?」


 ミリアと俺に意見を求めてきたダンテさん。


 俺はコクリと頷く。

 早く出た方がいいだろう。

 組織がアイツらだけだとは考えにくい。


「それじゃあ、もう馬車に荷物を詰めて行こー!」


 そうだな。行こう。

 リンスさんは大丈夫かな?


「リンスさんは大丈夫?」


「大丈夫ですわ。本当はベッドで寝たいところではありますけれど、こうなってしまっては仕方がありませんわ」


 ミリアに聞いてもらうとリンスさんはため息を吐きながらそう諦めたように言った。


 侍女のベリーさんに付き添われて馬車へと向かう。

 街を出た所で皆で乗り込むと走り出した。


「はぁぁ。とりあえず、良かったわよねぇ。リンスさんは見つかったし、助かったから。一時はどうなるかと思ったわぁ」


「そうですわね。私も油断していましたし。実は……あの後ダンテにお説教されたのですわ」


 最後は御者をしているダンテさんに聞こえないようにゴニョゴニョと言っていた。ダンテさんの気持ちは痛いほどわかる。仕方がないことだと思う。


「そうなんですねぇ。私は怒られたことないなぁ。いつも失敗ばかりだけど」


 怒りはしないよ。

 逆に清々しい位に失敗したり堂々としてたりするじゃん。

 感心するよ?


「えへへぇ。そう?」


 ニヤァッとしてるけど、別に褒めてないんだよね。少し考えて行動してくれれば嬉しいなぁとは思うんだけどさ。


「仲が良くて羨ましいですわ。いいですわね。心を許した者と旅というのは」


「えー? でも、リンスさんは、ベリーさんとダンテさんに心を許してるんじゃないんですかぁ?」


「そうなんでしょうか。ちょっと分からないのですわ……」


 リンスさんは静かに俯いた。


 ずっと一緒だろうからな。

 心を許しているかどうか。

 それは、あまりに近いとよく分からなくなる。そんなものなんじゃないだろうか。


「わたくしは、別にダンテとベリーが好きでは────」


「後ろから何者かが追ってきます!」


 馬車の扉を開けて後ろを確認すると、馬が数頭と馬車が三台追いかけてきていた。奴らの追っ手だな。


 ミリア、俺が出る。


「ダンテさん! ナイルがでます! 少しスピードを落としてください!」


 馬車から躍り出る。


 追ってくる馬に乗ってるやつを先に始末する。


『【四面楚歌】を発動します』


 身体が赤井炎で包まれる。


 ストロング流剣術 抜剣術

「カタカタ(すめらぎ)」


 跳躍して横薙ぎの一撃で乗っていたやつの首を刈る。

 馬が暴れて他の馬の行く手を阻む。

 嘶く声が聞こえてくる。


 次々と馬を蹴りながら跳躍して乗っているの者を斬り裂いて回る。

 馬車も止まると四人ずつ下りてきた。


「ただのスケルトンじゃねぇか!? お前が俺の大事な部下を殺ったやつか!? お前たち、スケルトンなんかにおくれをとるんじゃねぇぞ!?」


「「「おす!」」」


 スケルトンだと油断してくれるなら、それは良かった。


「おらぁ! くたばれ! スケルトン!」


 ストロング流剣術 幻剣術

「カタタ(うつつ)」


 残した残像を切りつける男。

 その背後から切り伏せる。


「なっ!? なんだこのスケルトン!?」


 ストロング流剣術 剛剣術

「カタタ(紫電しでん)」


 縮地による踏み込みで目の前に現れる。

 気づい時にはもう遅いのだ。

 一人、二人と倒れていく。


「なんだコイツ! おい! あの馬車を追う前にこいつ片付けてから行け!」


 残りの馬車からもゾロゾロと男たちが下りてきた。組織の人間だろう。これで全部だろうか?


 周りを囲まれた。


 ストロング流剣術 柔剣術

「カカタカタ(日雷ひかみなり)」


 俺の剣から雷のような光が男たちの目を照らす。


「「うわっ!」」


 ストロング流剣術 剛剣術

「カタタ(紫電しでん)」


 目の前にいた二人を始末し、包囲網を抜ける。

 並んでいる所を狙う。


 ストロング流剣術 剛剣術

「カタカタ(光芒こうぼう)」


 引き絞った溜めから放たれた剣と踏み込みによる突きが一気に三人を屠る。


「くそがぁぁ!」


 ストロング流剣術 柔剣術

「カタタ(おぼろ)」


 後ろから振り下ろされた剣をヌルッと受け流して返す刃で切り伏せる。

 男達は一歩下がった。

 俺が危険だということを認識したのだろうか。


「な、何者だ? このスケルトン」


「カカカカカカ」


 俺はあざ笑うが骨が鳴るだけだった。


「笑ってるのか?」


「なんなんだよ……」


「う……うわぁぁぁ!」


 一人が錯乱して剣をブンブンと振り回してきた。そんな素人のような攻撃で当たるとでも思ってるんだろうか。


 胸に剣を突き刺して絶命させる。


 めんどくさいから全員で来いよ?


 手をクイクイとする。


「骨如きがなめるなぁぁぁ!」


 男達は一斉にかかってきた。

 手間が省けて助かるわ。


 ストロング流剣術 柔剣術

「カタタ(静寂しじま)」


 ダランと剣を下げると自然体で迎え撃つ。斬りかかってきた男の剣を紙一重で避けて切り伏せる。次は右、左後ろ、正面。次々と迫ってきた男達は皆地面にキスをしている。


「はっ……はっ……なんなんだお前!?」


 ゆっくりとリーダーと思わしき男に近づく。


「金か!? 金で動いてるのか!? そいつの二倍! いや、三倍だす! 見逃してくれ!」


「カカカカカカ」


 笑止千万。


 首から上が無くなった死体を置き去りにして馬車を追う。


「ナイルー! ありがと! 大丈夫だった!?」


 あぁ。問題ない。

 いくら積まれても俺はミリアだけは絶対に守る。

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