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フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第十一章 飛躍のリバプール2年目編

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カタールW杯アジア最終予選 Ⅱ その2

 2021年11月16日(火) 20:00 キックオフ(日本時間 11/17 1:00)


 2022 FIFAワールドカップ・アジア3次予選グループB 第六節 オマーン vs 日本の戦いがオマーン国の首都、マスカットにあるスルタン・カーブース・スポーツコンプレックスで行われる。


 直前の順位では日本が3位でオマーンが勝ち点2差で追っている4位だ。


 オマーンとしては悲願のW杯初出場の為に絶対に負けられない一戦だし、7大会連続出場を目指すSAMURAI BLUEにとってはそれ以上に勝ち切らなければならない一戦だ。


 ただでさえ、このオマーンには二か月前、ホームで手痛い敗戦を喫しているのだ。


(オマーンvs日本 メンバー表)

挿絵(By みてみん)




 日本のスタメンはベトナム戦からほぼ変わらず(中盤が盛田さんから柴崎さんに変わっただけ)、フォーメーションも4-3-3のままだ。


 一方のオマーンも前節の中国戦とメンバーはほぼ同じ。大半が国内リーグ所属の選手の為、俺達でさえあまり顔なじみの選手はいない。


 だが、監督のブランコビッチはクロアチアの名門、ダイナモ・ザクレブやイラン代表でドイツW杯に出場したこともある経験豊富な指揮官だ。


 前回の対戦では急ごしらえのSAMURAI BLUEに対し、大半が国内リーグの選手というメリットを最大限に活かしオマーン国内で1カ月近くの合宿を行ってから日本にやって来た。


 なるほど、SAMURAI BLUEの主力達が東京オリンピックで死闘を繰り広げてた頃から、オマーンは俺たちに勝つため、虎視眈々と爪を研ぎ続けてきたのか。


 日本を倒したのにはそれ相当の理由があったって訳だ。


 だが、俺達も同じ轍を踏む程やわな相手ではないという事を彼らに見せてやらなければならない。最大限の敬意をもって……



 定刻から遅れる事2分、現地時間20:02、アジア3次予選グループB 第六節 日本vsオマーンの試合は日本のキックオフで始まった。


 すると、開始直後からいきなりフルスロットルで日本にプレスを掛け始めるオマーン。この3次予選の初戦でも、オマーンの規律の取れたプレスに日本はリズムを狂わされたのだ。


 FWのツートップ、11番のアルアビと18番のアルアラビの献身的なプレスからオマーンの攻撃のリズムが生まれるのだ。


 一瞬でも気を抜いたら初戦の二の舞だ。


 権田原さんから回されたボールを、俺は最大限の敬意をもって前線に大きく蹴り出すと、ボールはオマーンゴール手前のタッチラインを割った。


 とりあえず、一旦落ち着こうかAl-Ahmar(アル・アフマル)※1。ゲームはまだ、始まったばかりなのだから……



 --------------------⚽⚽⚽--------------------



 オマーンボールになると、オマーンも日本のプレスを恐れてか、DFラインからのビルドアップにはさほどこだわりを見せることなく、シンプルに日本のゴール前に向かって大きく蹴り出してくる。


 やはり日本の弱点を熟知している。


 日本の選手に比べてサイズの大きいオマーンの選手。あわよくば日本のゴール前で何か事故的なものが起きればと言った感じだ。


 試合前のミーティングではスタメンから高さに強い拓郎を出す案も考えられてたのだが、森監督は富安君と真矢さんの連携と安定感の高さを買って前節に引き続きスタメンとなった。


 富安君が前に出て真矢さんが後ろを守る。実際二人のコンビの息もピッタリと合っており、ベトナム戦からピンチらしいピンチは迎えて無い。


 終盤、オマーンがパワープレイにシフトしてきたら拓郎を出すというオプションを残している。


 すると、徐々に地力に勝る日本がボールを持ち、オマーンがゴール前でブロックを敷いて守るという、前回の対戦と同じ様相を呈して来た。


 2か月前のホーム開幕戦では、何度かあった決定的チャンスを悉く逃した上での試合終了間際の失点だった。


 そして数少ないオマーンのストロングポイントの一つが、俺の対面する相手の左SB、17番のアルプサディーだった。


 日本としては、困ったら、シンプルに伊藤さんにボールを預けてその圧倒的なスピードでサイドを崩してもらおうと思っていたのだが、その左サイドバックの17番は、伊藤さんのスピードに互角に渡り合ってきたのだ。


 いやはや、世界は広いものだ。世界トップクラスの伊藤さんのスピードに対抗できるDFがこんなオマーンの国内リーグにいただなんて……日本戦後、既に欧州のビッククラブから何件かアルプサディーが所属しているクラブに問い合わせが入っていると聞く。


 ともかく、前回の対戦と同じようにがっぷり四つ。オマーンvs日本の試合は淡々と時間が過ぎて行った。



 11月中旬とは言え、ピッチ上の気温は25度を楽に超えている。流石は中東のオマーン。1年後のカタールW杯でもおそらくこんな感じの気候なのだろう。


 お世辞にもサッカーがしやすい気温とは言えない。その上、海が近いせいもあり、湿度の方もしっかりとある。


 自ずと試合の方も徐々にインテンシティーが下がっていく。それでも、前半の15分、伊藤さんのクロスから、そして同22分司のクロスからと何度かチャンスを迎えたがその後の攻撃は続くことなく、スコアレスのまま、オマーン vs 日本の試合は前半を終えることとになった。





※1、Al-Ahmar(アル・アフマル)=オマーン代表の愛称。オマーン代表の赤いユニフォームから由来。アフマルは『赤』という意味。


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