表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
807/850

EPL 第1節 ノウリッジ戦 その3

 後半が始まると、リバプールは予定通りにゲームのインテンシティーを下げて来た。


 そうなると、必然とノウリッジがボールを持って攻め込む場面が増えて来る。


 流石はCP(チャンピオンシップ)の優勝チーム。


 PL(プレミアリーグ)を世界最強リーグと言うと、各方面からの「ちょっと待った!」が掛かるのだが、こと、CPを世界最強の二部リーグと呼んでも誰からも文句を言われないくらい国内外からその実力が認められている。それがイングランド二部リーグのCPだ。


 もしもCPの優勝チームがJリーグにやって来たら、あっさりと優勝を掻っ攫うだろうと言われている。


 そのレベルのリーグを優勝してきたチームだ。ボールを持って攻めてくるとやはりそれなりに迫力はある。


 攻撃パターンはサイドから崩して中央にセンターリングを入れる典型的なイングランドのフットボールを体現するノウリッジFC。


 Jに比べて別段変わった戦術を取っている訳でも無いが、もしこのチームがJに来たら、純粋な高さと速さと強さで、あっさりJのチームを打ち破ることは容易に想像できる。


 だが、その攻撃を受けるのが、世界最高レベルのGKであるアリソンさんと、世界トップのCBのダンク師匠とウチの鯱。そう簡単にはゴールを割らせやしないさ。


 ゲームは意識的にノウリッジが攻めてリバプールが受けるという展開になっている。


 もちろん守備をしているのはその3人だけという訳ではなく、ミルトンさんは精力的に動き回り中盤のスペースを消してくれるし、アンドーさんの効果的なマークでノウリッジの攻撃のスピードを遅らせる。


 なるほど、受けに回っても世界レベルなのがうちの強みか。


 まあ、今の内からクラップさんもいろんなシチュエーションを見たいのだろう。


 だが、こういう状況になると、それまで全くかなわないと思っていたウチ(リバプール)のレギュラー陣達の穴やら粗やらが色々と見えて来る。


 まず、何と言っても、TAA(アレックス)のプレイスバックが遅い。SC東京だったら、司の雷が瞬時で落っこちて来そうなプレイがいくつも見えた。


 それもまあ、TAA(アレックス)の持っている攻撃力を考えれば許容範囲なのだが、俺の目から見ても、「おい、今のプレー、もっと早く戻れたよな?」と言いたくなるプレイがちらほら……


 その分、拓郎が前につり出され、ダンク師匠、司とスライドして凌いでいるのだが、これが上位チームだった場合を考えると果たしてどうなる事やら……


 ちなみに早速だが、再来週の第3節ではホーム『アンフィールド』で去年のCLチャンピオンチームのチェルシーSCを迎え撃つのだ。


 うーん……厳しいなー。


 そうこうしているうちに、リバプールにボールが渡ると、切れ味鋭いカウンターがノウリッジに襲い掛かる。


 相変わらず『新3フロント』はキレッキレです。


 そうなってくると、互いに重心が後ろ足に掛かり、ゲームが膠着し始めるというのがフットボールの常。


 なかなか、拓郎が前に出るような状況にならないなと……そんなことを思いながらピッチの脇でアップをしながら見ていたら、あっという間に後半の15分がやってきました。


 もちろん、クラップ監督から呼ばれてテクニカルエリアに行くと、


「シンジ、お前の守備で、しっかりと右サイドを支配して来い」と。


「ウイッス!」と俺。


 審判の持つ、交代ボードには『66番』OUT、『24番(俺の番号)』INと……


 そうして俺は、このクラブに来て初めて、満員のサポーターの前でピッチに立ったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
神児君のプレイが始まるんですね。 クラップ監督から右サイドを支配するよう指令が出てますから次回が楽しみです(ゴリゴリ)
り、リーガセグンダ(小声)
神児君が遂にプレミアデビュー! 過去の某カナリアをチンチンにした動画も陽の目を見るのかなぁ~( ω-、)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ