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フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第八章 (再開)魂のJリーグ編(2ndシーズン)
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Summer transfer window(夏の移籍市場) その5

 んで、グアルディオルさんさん、どんな契約書持って来たの?と先程渡された紙を津久谷っちに渡してみる。


 その途端、「ノン、ノン、ノン」とその契約書を取り返そうと、泡を喰ったように慌てるグアルディオルさん。おやまー、なんでフランス語?


 すると、グアルディオルさんの持って来た契約書を見るなり、みるみる顔が険しくなる津久谷さん。あらやだ、そんな顔も出来るんですね。


「これー、選手としてじゃなく、テスト生としての契約書ですねー」と契約書をピラピラさせながら津久谷さん。


 途端にガタンッと立ち上がるSC東京首脳陣のみなさん。


「それちょっと、困るよー」と社長。


「移籍金入んないじゃないですかー」とGM。


 そりゃまー、そうだろう。まるでだまし討ちのようにして俺達を掻っ攫おうとしたのだから。


 その後、応接室は取調室のような様相を呈していく。


 ――10分後、


 津久谷っちのマンツーマンでの壮絶な取り調べが済むと、どうやら、夏の移籍マーケットで思った以上にお金を使ってしまったためにクラブの財布がすっからかんになってしまったらしい。


「冬の移籍マーケットでは必ずリパプール以上の条件を提示するからあと半年だけ待ってくれ」というのがグアルディオルさんの言い分だった。


 まあ、でも、今年もまだ人事権持ってないんですよね、グアルディオルさん。クラップさんとの一番の差はそこなんだよねー。


 そんな訳で、出口はあちらですよ。


 あでぃおす、せにょりーたー。


 じゃあ、また、後で、小平で会いましょう。


 実はこのアジアツアー、東京とは対戦しないのですが、練習場所を提供しているのは実はウチなんですよ。選手の皆さんも今朝から小平で汗を流しております。 

 

 俺達もこの後、合流するんですけれど……


 どうやら、グアルディオルさんの腹積もりだと、今回のアジアツアーで俺達に会えるので、そこで口説けばいいかなと、すっかり油断していたとのことでした。


 ワールドカップから帰ってきたら一緒に練習試合する予定もありましたものねー。


 ちなみに今回の会談(?)で、グアルディオルさんの最後にお残しになったお言葉は、「あのやろう、抜け駆けしやがって、ずりーじゃねーか」でした。ちゃんちゃん。



 --------------------⚽⚽⚽------------------------



「そんなことがあったんだー、大変だったねー」と弥生。


「まあ、グアルディオルさんも捨てがたかったんだけれど、さすがに練習生はちょっと無いなー」とため息をつきながら司。


「グアルディオルさんがその気だとしても、フロントがその気じゃなかったらこの話ご破算だからねー」とスポーツドリンクを飲みながら俺。


「ところで、弥生、今日もキュートだね。テレフォンナンバー教えてもらってもいいかな?」とグーリッシュ。ってか、なんで、テメーはここにいんだよ。史実だと、シティーに入団するのは2021シーズンだったろうが!!


 どうやら、現在フリーのグーリッシュ。アルトロ・ヴィラとの契約がちょうど切れていて、熱心なラブコールを頂いたシティーさんのアジアツアーをゲストとして参加しながら来年度以降のクラブを決めるみたいです。ガッテム!!


 そんな事できるんですか!ねえ上司!!


「まぁ、本人がそうしたかったってんなら出来るんだろ。なんてったって、今フリーなんだし」


 どうやら、シティーさんの補強の序列的には、どう考えてもグーリッシュよりも下に俺達がいるみたいだ。


 やっぱ、やーめっぴ、この話は無かったことで。


「でも、神児君、その水色のユニフォームも似合ってるよ」と弥生。


「あら、そうですか?」と俺。


 ついでに司も背番号55番のユニフォームを着ている。


 どうやら、グアルディオルさんたっての願いで、どうしても一度、俺と司を、シティー側に入れてテストマッチをやりたいんだそうだ。


 まあ、わざわざ、ここまでいらしたんだし、今回、練習場を小平に決めたのも俺達に会いに来るためというのもあったらしい。


 まあ、そうまで言われたら、付き合ってやるか。


 というわけで、45分の一本勝負、SC東京vsマクレスター・シティー、はーじまーるよー。

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― 新着の感想 ―
実戦で使って首脳陣にアピールしたいスペインのストーカー。 そんなに上手くいくかなぁ~(笑) そもそも、金無いしな(笑)
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