表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第八章 (再開)魂のJリーグ編(2ndシーズン)
722/850

Summer transfer window(夏の移籍市場) その4

 バルサのレジェンドは部屋に入って来るなり、いきなり俺達と熱い抱擁を交わす。


 あらやだ、ちょっといい香り。グアルディオルさん、どんな香水使っているの?


 それから、一気にスペイン語で捲し立てるグアルディオルさん。


 あんましよくわからんのだが、言葉の端々に、「素晴らしい」とか、「最大限の評価をする」とか、「一緒に戦って行こう」だの、耳触りの良い言葉だけはどうにか聞き取れた。


 一通り、グアルディオルさんのお話を聞き終わった後、司から、「ちなみにシティーさんはどのような条件でオファーをしてくれたのですか?」と英語で質問。


 すると、ニッコリとスマイルのグアルディオル監督。そしてまた、スペイン語でべらべらと捲し立てる。


 うーん……なんか、話逸らしてねーか?おい。


「そういや、さっき、オファーくれたチームの中にシティーさんの名前が無かったですね?あれって、グアルディオルさんが来てたから言わなかったの?」と俺。


「いやー、あのー、実はー」となんかごにょごにょと言葉を濁す津久谷さん。もうそう言うのいいからさ、さっさと言ってよ。大体想像つくから。


 すると、なにかよからぬ空気を察知したのかグアルディオルさん、再び俺達と熱い抱擁を交わすと何やら懐から紙とペンを出して来て、ここにサインしろと……


「ちょっと待った、ちょっと待ったー」と途端に目の色を変える津久谷さん。


 大丈夫ですよ。言うても俺も司もこう見えて結構社会人生活長いから(前の世界からのを換算すると)、そんな訳の分かん契約書にいきなりサインなんかしませんって。


「んで、どういう要件で来たの?この人」とグアルディオル監督を指さしながら、ペラ一枚の契約書をひらひらとかざして司。


 まあ、なんとなく、空気で察しれたんですけれど……


「ええ、実は、シティーさん、鳴瀬さん達の情報が移籍マーケットに出る前に今年度の予算全部使い切っちゃって、『冬の移籍まで待ってもらえないか』って言われちゃってるんですよー」と困った顔の津久谷さん。


「ああー」と俺達。


「それにほら、グアルティオルさん、まだ、人事権持ってないので、好き勝手に選手をスカウトできないんですよねー」とハンカチで汗をふきふき。


 うん、知ってる知ってる。先週、マクレクター・シティー・ユース史上最高傑作と言われていた、ジェームス・サンチョ君がドルトムントに強奪されちゃったもんね。なんかお金が無いって理由で……


 今シーズンのプレミアリーグ制覇は確かに素晴らしかったですけれど、CLでのリバポ相手のあの敗戦もちょっといただけなかったですし、そのお金を取り戻すつもりで組んだアジアツアーも、「何でリーグ制覇したのにわざわざ夏場に暑いアジアでツアーやらなきゃいけないんだ」ってオーナーとひと悶着あったんですよね。


 まあ、サッカー雑誌の記事で見ただけなんですけれどね。一応これでも、いろいろ勉強はしてるんですよ……


 そもそも、フロントとグアルディオルさんが全然一枚岩じゃないって、日本でも記事になってますよ。シティーさん伝統のお家騒動、只今絶賛勃発中だとかなんとか……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
つまり、ドイツのストーカーはちゃんとした【契約】を持ってきた。 スペインのストーカーは【情熱】ONLYの特攻かぁ~(笑) どこかの上司はその辺クールだからなぁ~(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ