Summer transfer window(夏の移籍市場) その1
♪ バーモス トーキョー ゲキッザ・ゴー!(Get! Kick! The Goal!!) ♪
♪ 勝つのは 俺たちだー ♪
♪ ララ ラーララ ラーラーララー ♪
♪ ララ ラーララ ラーラーラー ♪
『自軍深い位置でボールを奪取した鳴瀬、橋元にボールを預けると、自軍右サイドをそのまま駆け上がっていくー』
『この時間になっても、まったく運動量が落ちません。まさに東京のロードローラと言った感じですね』
『橋元は東野とのパス交換で、新潟のマークを外すと、そのまま左サイドの北里に展開』
『北里絶妙のトラップ!一発で相手を剥がします』
『相手のプレスを躱しながらスルスルとゴール前まで持ち上がる北里、長井とのワンツーで新潟のゴール前までやって来たー!』
『北里も運動量は鳴瀬に負けてません』
『そしてそこから中に折り返しー!!』
『東京必殺パターンだ!』
『そこに詰めるのは本日一得点のディアス・アルベルトー!!』
『新潟のDFがブロックに入る』
『しかし、アルベルト、それをスルー』
『そのボールに武窪が突っ込んで来た』
『キーパーがコースを塞ぐ』
『だが、今度はそれをバックフリップー』
『完璧に崩された新潟!』
『するとそこに詰めていたのは、ロードローラー鳴瀬だー!!』
『行けー、鳴瀬ー』
『鳴瀬渾身のインステップが新潟ゴールに突き刺さるー!!』
『試合を決めるドッペルパックー、鳴瀬、新潟を突き放したー』
『ファー側のサイドネットに突き刺さる鳴瀬のシュート、キーパーまったく反応できません。お見事です!』
♪ な~るせ~ しんじ~ シャララ~ シャラララ~ラ~ ♪
♪ な~るせ~ しんじ~ シャララ~ シャラララ~ラ~ ♪
『東京のゴール裏のサポーターに駆け寄る鳴瀬神児、東京のロードローラーここにあり!!』
『第98回天皇杯全日本選手権3回戦、SC東京対システーネス新潟のスコアは後半の47分、3対0となりました……』
「おいっ、神児、準備いいか?」と司。
「おう、司、もう時間か?」と時計を見ながら俺。
俺は見ていたテレビの電源を落とす。
ここはSC東京本社事務所の待合室。
俺達はここにあるモニターで一昨日行われていた天皇杯3回戦、SC東京対システーネス新潟の試合を観ていたのだ。
試合の方はというと、終始、東京が押し続けて、3-0の完勝。
これで来月頭に行われる天皇杯4回戦で、俺達は古巣の明和と戦う事が決まったのだ。
だが、その前に……
司と一緒に応接室に入ると、そこには佃煮もとい、先日、正式に代理人の契約をした佃さんと、SC東京の社長の大鉄さん、そして監督の長谷部さんとGMの立岩さんがいた。
わーお、SC東京首脳陣勢ぞろいじゃないですか。
まぁ、話すことは一つなんですが……
遂にこの時が来たか……というか、思ったよりも早く来たなと言った感じの長谷川監督。
難しそうな顔をしている社長の大鉄さんとGMの立岩さん。
相変わらずいつもニコニコ現金払いと言った感じの津久谷っち。
さあ、一体どんな感じの話合いになるのでしょうか?
分かりません!!




