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紙飛行機に乗れたなら。  作者: むら
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和泉 希夢

で、どうだった?

、、、どうって?

だから短命少女だよ。どんな子だった?


秀は腕を組み少し上を見つめて

「一翔、お前がどんな妄想を、抱いているか俺は知らん。だがはっきり言う。、、、短命少女は、呆けた爺さんだ。呆けた爺さんが窓からイタズラに紙飛行機飛ばしてんだよ!俺が見た時、看護婦に叱られてたよ。」


夏が終わりに近づいていた。少し風が冷たく感じてこの時期は祭りの後みたいな虚しさを連れてくる。、、、実際、秀の話を聞いて安心した自分と短命少女に抱いていた妄想とのギャップがあり、どうしても自分の目で確認したくなった。

夕日が完全に眠ってしまう前に僕は常磐総合病院の前に立っていた。

正面玄関から側道を抜け中庭に出る。病室を左から順番に見ていく。ある病室で目が止まる。僕の時間が止まる。

ショ−トヘアーの美人、、、嫌、そんなゲスな表現では無く凛としたその表情は離れていても輝いて見えた。少し笑った?

次の瞬間、僕は走り出していた。そして気が付けば病室の前に立っていた。

   和泉 希夢

どうして良いかわからずモジモジしてると誰かが後ろに立っていた。

「希夢のお友達?良かったら顔を見せてあげて」

歳は30代後半、凄く綺麗な人、多分、希望さんの母親だろう。促されて部屋へ入る。

「、、、は、はじめまして。か、紙飛行機拾ったんですがどうしましょう?」

お、俺は何言ってるんだ!訳分からん!第一この子が紙飛行機を飛ばした証拠も無い。

全身が沸騰した様な感覚の中、少女はにこりとして。「ありがとう!本当にこんな事があるんだ!私、今めっちゃ感動してるよ!ねぇ良かったらお話ししましょう!」

僕は彼女の顔を見た。

髪は短く白い肌、顔は綺麗な顔だけど青白く弱々しい。無理に笑顔を作っているから表情筋がひきっつている。先程感じた輝きは無くリアルな病人だった。僕は思わず。「ごめんなさい。ごめんなさい」と言うと逃げる様に病院を飛び出した。


はじめてだった。病人を見るのは。

はじめてだった。あんなに弱々しい人を見るのは

はじめてだった。自分がこんなに臆病で卑怯な人間だと気付かされたのは。

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