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『総入れ替えしましょう』

 竜種装備をサイズ調整が容易な作りにして貰って良かったとしみじみ思う。

 最悪作り直して貰おうと思っていた。

 とはいえ、他の防具なんかは全てアウトだったけど。


「どんなかな」

「良いんじゃないか?」


 体にフィットした服。

 伸縮性のある生地だから動きやすいだろう。

 俺のは防御メインだからか生地が硬めだけど、ターリャは水の守りもあるし俺もいるから問題はないだろう。

 靴も本格的なものにした。

 これでどんな地形も問題ない。


 全て購入して武具屋へと向かう。


「全部変えるの?」

「間合いがどうしても狂うからな。なんでも使いこなせる器用な奴か、武器ならなんでも良いって奴以外ならきちんと合わせた方がいい」

「ふーん。……ドラゴンの牙の剣は?」

「それは短剣だから別に変えなくていい」

「やった」


 何気にターリャはドラゴンの短剣を気に入っているらしい。


 武具屋で全て買い換えた。

 使わなくなった剣や盾を売り、それをターリャのお小遣いとして渡す。


「貰っていいの?」

「それで好きなの買いなさい」

「あーい」


 さて、まずは軽く打ち合いして感覚の調整を……いやまてまて!!!


「ターリャ、次は馬を見に行くぞ」

「え、なんで?」

「なんでってそりゃあもう2人乗りは無理だ」


 実はさっきここに戻ってくるときもルシーはだいぶキツそうだった。

 そりゃそうだ。

 がたいの良い長身男に、もう子供体格ではないターリャの2人乗りは可哀想だ。


「そっかぁ…」

「まぁ、買うのは俺の馬だから、ルシーはそのままターリャが乗ればいい」

「それは嬉しい」


 鐙を調整しないとな。









 馬が俺を見て鼻を鳴らしている。

 黒やら白やら渕に茶色。

 ふむ、悩むな。


 ルシーを手にいれた時は、館から逃げ出した馬を適当に取っ捕まえて無理やり騎乗して踏んで蹴ってって感じだったから、悩むのは新鮮で楽しい。


「どんな馬をお探しですか?」


 管理人がやってきた。

 そうだな。色んな馬を知っている管理人に訊ねるという案もあるな。


「そうですね。では、ドラゴンの咆哮でも逃げない馬を」

「そんなのいるわけ無いじゃないですか。なにいっているんですか?」


 一刀両断されてしまった。

 そうか。

 じゃあやっぱりうちのルシーが例外なんだな。

 なら仕方ない。

 無難なもので選ぶか。


「過酷な長旅に耐えられる馬はどれですか?」








 手綱を引いて歩く、後ろからカポカポと軽い足音が聞こえてくる。

 ベンチに腰掛けて本を読んでいたターリャが蹄の音に気が付いて顔を上げた。


「わ、真っ黒な子だね」

「黒曜馬という種類の馬らしい。長旅でも平気なんだとさ」


 ドラゴンの咆哮問題は後で考えよう。


「名前はどうしようか?」

「名前か……そうだなゼウイ()にするか」

「なんで?」

「真っ黒だから」


 一応他のも考えたんだけど、ヤイ()は号令のヤー!と聞き間違えるかもしれないし、ペズ()は日常会話に多発する。

 だからあまり使わなさそうなゼウイ()にした。


「ゼウイだってさ。ゼウイー!」


 ターリャがゼウイに呼び掛けると鼻を鳴らした。

 喜んでるのかなんなのかわからない。


「ルシーと仲良くしてくれると良いんだがな」


 余談であるが、この後ルシーと会わせてみたが『友達だったの?』と思わず訊ねるほどにすぐ仲良くなったのだった。













 買った剣との相性調べにギルドで報酬を貰った後、軽く打ち合いをしてみたら思いの外ターリャの動きが良くなっていた。

 やっぱり買い直しておいて良かった。

 あのままだったら剣が軽すぎて空振りしやすくなっていただろう。


 ターリャが魔法も試すと、剣を振りつつ魔法を放った。


 剣先から飛び出た水の玉は今までよりも早く遠くに飛んでいった。

 どうやら魔力なんかも向上しているらしい。


「ターリャ」

「ん?」

「試しに一人で狩ってみるか?」

「え……」


 青ざめるターリャ。

 ハッと気付く。

 もしやこれ勘違いしてるな。


「ドラゴンじゃなくて、普通の妖魔な」

「なんだ。ビックリした」


 ほっとしたらしいターリャが胸を撫で下ろした。

 俺だっていきなりそんな無謀なことはさせないよ。

 慣れてきたらだ。


「多分この分だとそこらの妖魔なら十分に渡り合えるだろう。ターリャの服が仕上がったら砂漠地帯に向かう予定だから、今のうちに保存食やらなんやらを整えないとな」

「ところで砂漠ってどんなところなの?」

「そうか。ターリャは知らないのか」


 なんと説明したらいいのか。


「砂漠っていうのはな…、こう、目の前に広がる大地みんな砂なんだ」

「みんな、砂なの??草も木も?」

「いやまてまて、そもそも草も木もないんだ」

「?? 草も木もない?じゃあ動物とか大変じゃん。食べ物なくて可哀想」

「そこは問題ない。そもそもそんなところ動物は滅多にいないし、いても全部妖魔だ」

「……妖魔って凄いんだね。どこにでもいるんだね」


 聞いた話によると、奴らは砂の中の微生物を食べていて、その妖魔を大型妖魔が捕食しているのだと。

 砂漠でも生態系が出来上がっているのは驚きだ。

 その頂点に君臨しているのがスフと呼ばれる体が宝石でできた謎の生物らしいのだが、噂によるとドラゴンの一種らしい。


 変な噂もあるけど、滅多に遭遇しないから気に病むこともないだろう。


「だいぶ暗くなってきな。そろそろ戻るか」



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