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『今さらお互いの能力を把握した件』

 


 翌日。

 本当にオーモダズィが着いてきた。


「オーモさん!」


 オーモさん???

 いつそんな仲良くなった。


 オーモダズィがターリャと謎のハイタッチを交わした後、俺へと向き直る。


「体調はどうだい?」

「まあまあですね」


 時々勝手に体と口が動く以外は問題ない。


「だろうな。問題は二日後だが…」


 こそこそとオーモダズィに、静かに、とハンドサインを送った。

 アイリスのハンドサインがウンドラ出身のオーモダズィに通じるのかは不明だが、研究しているって噂を聞いていたし、いけるだろうと思ったら。


「(なにお前ターリャちゃんに伝えてないの??)」


 と、返答来た。

 バッチリ解析されてんじゃないか。

 会話筒抜けだぞ。


 まぁいいか。終戦してるし。


「(こんなの伝えられるわけないだろう。だからこういった話しは無しだ)」

「(ハイハイわかりましたよ)」


 ターリャが首をかしげて俺を見上げた。


「二日後何かあるの?」

「まぁ、ちょっとな。手伝って欲しいことがあったら言うから」

「んー、わかった」


 ルシーを受け取り門へと向かう。

 これでこの街ともお別れか。


「ところで、なんで俺だとわかったんだ?」


 魔法具を外した覚えないぞ。


「そんなの、オレみたいに魔力操作上手いやつなら見破れるさ。気を付けろよ、魔術師が一斉に同系統の魔法を使うと、数に押されて魔法具の効果が薄れる場合もある。そうすると一般人にもバレる可能性は上がってしまう」

「……なるほど」


 こればっかりに頼ってはいけないということだな。

 門に着くまでダラダラと色んな事を話し、ちょいちょい対魔術師戦闘においての豆知識をねじ込んでくる。

 わかったから。

 もうわかったから。

 それ以上はターリャにバレてしまう。

 オーモダズィの脇を小突いて強制的に黙らせた。


 門に着き、オーモダズィの(自称)護衛が終了した。


「お前さんが次の街に着く頃には奴らの尋問も終わってるだろう。そうしたら聞き出した情報を送ってやるさ」

「それはありがたい」


 一体誰がターリャを狙っているのか、名前だけでも知っておきたいところだったからな。


 ターリャをルシーに乗せて、俺も跨がる。

 それを眺めているオーモダズィに向かってターリャが「お世話になりました」と手を振った。


「また訪ねてきたら、今度はデザートを奢ってやるよ」

「人の娘をナンパしないでくれ」

「はははは」


 軽くオーモダズィに頭を下げてからルシーに合図を送ると、カポカポと軽い足取りで進み始めた。


 後ろから気を付けろよー!とオーモダズィの声がする。

 ターリャが後ろを見ながらずっと手を振っていた。









 一方その頃、トキを探していたクジャーダ達はというと。


「ちくしょう何処だここはーーー!!!!!」


 トキの目撃情報をたよりに進んできたが、すっかり迷子になってしまっていた。











 次の目的地はハラ・ラハスン街。

 聞くところによると花の都と呼ばれるほど綺麗な場所らしい。


 それをターリャに説明すると、あからさまにワクワクし始めていた。

 ターリャは花が好きだ。

 といっても摘んだり飾ったりはせずに、咲いている花をルシーの上から眺めて楽しんでいる。

 俺は全ての草が薬草に見えてしまっているから、そこんところは微妙に共感できない。

 綺麗なんだろうな、とは思っているけど、あれは傷に付けると治りが早くなるだの、あれは風邪の時に食べるものだの豆知識が脳内を駆け巡る。

 これは職業病ってやつなんだろうな。

 全然職業じゃないんだけどさ。


 というか、それよりも明日来るであろう苦痛が気になって仕方がない。

 どんだけしんどいんだろうか。


 念のために近くの村に止めてもらった方がいいんだろうか。


 そんな事を思っていたらターリャが俺の方に体重を乗せてきた。


「トキがさ、話したくないんだろうなーって思って、ターリャ何も聞かなかったけどさ」

「? なんだ?」


 一体なんの話だろう。


「あのね、ターリャはトキの状態わかるんだよ」

「!!?」


 今聞き捨てならない事を聞いたぞ。

 もしかしてターリャはセルフで俺と同じことができるってことか!?

 途端に背中に冷や汗を掻き始めた。


「……、何処までわかるんだ?」

「例えば何処にいるとかはわかる。昨日はなんか変な動きしてたし、途中で気持ち悪くなってたみたいな感覚が流れてきてちょっと心配してた」


 それを聞いて安心した。

 状態把握はまだうすぼんやりだったようだ。


 ムッとターリャの頬が膨らむ。


「でもなんでかトキは言いたくなさそうだったし。言っておくけど、もうターリャは子供じゃないんだよ!」


 いや子供だよ、という言葉は飲み込んだ。

 この年頃の女の子は繊細と聞いていたから。


「そうか、悪かった」

「あとね!内緒話もよくない!ターリャだってトキのお手伝いできるんだよ!」

「そうだな、そうだった」


 大変ご乱心なターリャが体を揺らして抗議してくる。

 そうだよな。

 いざとなった時、ターリャと情報交換できてないと大変な事になる。

 でもできるならば言いたくはないんだが。


 仕方ない。

 奴らの事だけははぐらかして重要なところは伝えよう。


「実はな、ターリャ」

「ん」

「昨日俺はちょっとしたトラブルで変な薬を体内に入れてしまってな、その副作用が明日辺りに来るんだと」

「それって大変なことじゃん!!」


 ますますお怒りターリャ。


「お薬は!!?」

「持ってる」

「どんな副作用が出るの!?」

「聞いた話だと、物凄い気持ち悪くなるらしい」

「食べすぎみたいな?」

「……だといいな」


 俺的には二日酔いクラスと予想している。


「じゃあ今日までに安全に眠れるところを探さないとね!」


 言うやターリャは俺からルシーの手綱をぶんどった、


「え、ちょっとターリャ」

「ルシー、やあ!」


 足も届いてないのに真似事で行けの合図をルシーに送ると、察しの良いルシーが嘶いて駆け出した。

 待って俺今超不安定なんだけど!!!!






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