とある放課後、Kは語る…
放課後、夕焼けの淡い朱色に染まるとある教室で……
「イタタタタ……、 何が楽しくてボールを当て合うのだろう…」
赤く滲んだティッシュを詰めた鼻を擦りながらボクは言うと、
机に行儀悪く座り、ボクを憐れみながらも邪に笑うKが、
「相変わらずだなー、君も。君と居ると退屈にならないよ」ニヤニヤと言った。
ムカッとするがいつものことだ。
仕方がない運動全般が苦手なのだからと自分に言い聞かせ、平常心を装った。
「まあ、僕の話はこんなものでいいだろ。それより今日も面白い話をきかせてよ。」
僕が自分自身の失敗談を語るために、わざわざ放課後、人のいない教室にいる
わけでない。
ましてや、友達という概念そのものが無さそうなKと好き好んで
薄暗い所に居たいわけもなく……
「勿論さ、君のドジな話も聞けたことだし、気分がいいね。」
また何とも言えない不気味な笑顔のKが言った。さらに続けて、
「前回の続きも気になるところだが、今日は新しい御伽噺が
あるんだよ。どっちを聞くかは君に任せるよ?」
正直迷う…、前回の御伽噺も聞き入ってしまい、しかも起承転結の転で
次回に持ち越し(見回りの先生に見つかってしまったな……)になってしまい
僕自身も早く聞きたい気持ちはある。しかし今回珍しくKが語りの途中でも
新しい御伽噺があるということ確かに気になってくる。
悩みしばし考えた僕の回答は…、
「聞かせてよ、新しい童話を」と僕が言うとKは
「OK、では始めようか今日の話は……、」
さっきまで打って変わって優しい声でKが語る御伽噺を、僕は好奇心を
いっぱいに聞き入った、
本編は次回からです。(なるべく早めに投稿します)