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投獄生活 二日目 2

 「おい、お前ら朝食を持って.........くっさぁぁぁぁ!!おっおえぇぇぇ⤵⤵⤵⤵」




 朝食を運んできてた何とも醜い顔した、この世界にゴブリンがいるならこんな顔だろうっていうような容姿の看守が開口一番のセリフがそれだった。それと同時に豪快に吐瀉物をぶちまける、俺らの朝食の上に。何してくれてんだこのゴブ野郎!



 「なっなんだべ此処、何の臭いだべさ?..................ほら朝飯持ってきたべ。」


 「「「食えるかっ!!」」」


 「なぁに具なしスープは可哀想だと思って具を追加してやったんだべ。」


 「おい!」



 神木の凄味のある呼び掛けに看守はそちらを振り向くと、只でさえ短い制服のスカートをたくしあげ、後もう少しという何とも絶妙な所で止め看守を挑発している。なぜこんな奇行に走ってるのか解らないが、さすがは処女ビッチ、程よく肉付きの良い太ももから恥部に差し掛かる魅惑のカーブライン、それでいて下着は見えないという何とも摩訶不思議。もしかして履いてないんじゃないのか。看守のみならず向かいの牢屋の俺たちも思わず凝視してしまう。



 「......ゴクリ」



 次の瞬間これも不思議なことに3人とも同じ行動をしだしたのだ。そ~と相手に覚られないように両膝をつき両手をついて、そのまま足を投げ出し神木の方を向いて右手で頭を支える、そうあのお釈迦様が最後にとったお姿でもある涅槃仏の姿勢である。

 しかし、牢屋自体が薄暗いせいなのか、神木が本当に履いてないのか、もしくはJKにあるまじき黒の下着を履いてるのか確認できない状況だった。



 「看守、何か光を灯すものはないのか?」


 「任せろ囚人、そんなこともあろうかとオラは生活魔法の《ライト》を覚えているべさ。......暗き闇夜に聖なる光を灯せ、ライぶぺっ!?」



 看守の左手の人差し指に魔力が収束しだした瞬間に、看守の顔が神木に鉄格子越しに踏みつけられる。

 うむ、神木はちゃんとしていた。只部屋が薄暗かっただけだった。いや、俺は信じていたけどな、先生安心したよ。グッジョブ看守。



 「何するんだべフギッ!!」


 「見たな、この変態が。」


 「足をどけるべさ囚人、オラは只そこにこの匂いの原因が有るんじゃないかと思ってグペッ!?」


 「私のパンツがこんな臭いするわけないやろ!このゴミクズが!オラオラァ」



 怒りに任せてひたすら勢いよく足を降り下ろしているのだが、もうそろそろ看守もヤバイんじゃないか、それ以上やると死んでしまう......ことはないか、下半身勃起させて何故か喜んでるみたいだし。



 

 「おい、飯を作り直してこい。後風呂も入りたい。何とかしろ。」


 「何をぉ囚人の癖に調子乗るなベポッ!」


 「囚人じゃねぇよ、神木様だ。オラオラオラオラァァ」



 容赦ない神木のマッハふみふみが続く。この人鬼畜や、鬼がおるで~



 「ずみばせん、神木ざまぁ」


 「やればできるやんけ、ほら神木イチゴ食え!」



 何とまぁ分かりやすい飴とムチ、若干ムチが強すぎる気がするが......



 「んまぁ~~い、もっとくだせぇ神木様~」


 「んじゃ飯と風呂な。」


 「飯は新しく用意できるんだども、風呂は貴族や王族くらいしか入らんべさ、堪忍してけろ~フギッ!?☆◯♯♦□!」



 顔面からスライドして容赦のない踵での降り下ろしで金的攻撃、アカンそれはアカンで神木はん!

 いい加減俺らも涅槃仏の姿勢を解かなければ、後でどんなお仕置きされるか分かったもんじゃない。



 「あぁ?そしたらお前らどうやって体洗ったりしてんねん?」


 「ううぅおかぁちゃん...都会のおなごは恐ろしかぁ~ううっ」


 「早く答えろや、3、2、1」


 「答えまず答えまずぅ、オラ達市民は生活魔法のクリーンで体の汚れなんかを取るだです。」


 「魔法か、そんなとこもファンタジーなんかよ、そのクリーンとやらはお前も使えるんか?」


 「はい、使えまず~囚人達に朝飯配ってクリーンを掛けるのがオラの仕事ですだ~ううぅ」



 その後、泣きながら俺たちにクリーンをかけて尚且つ消臭として牢屋中にクリーンを掛けさせられてヘロヘロになっていたのだが、ご褒美の神木イチゴで元気になり、もっとくれと神木に怖いくらいに迫ってきたが、案の定鉄格子越しに16文キックを食らってまた泣きながら再び朝食を用意するために地下牢を出ていった。神木イチゴは薬物指定されてないだろうな。



 「看守の懐柔成功やな。」


 「えっハイ、ソウデスネー」



 懐柔?俺には恐喝してる様にしか見えなかったが、懐柔ってあんなハードSMプレイみたいな感じだったけ?



 「そういやジンパチに征四郎、お前らも私のパ...」


 「おい!神木!征ちゃん!大事な話があるんだ。あっ悪い神木、話を遮って、お前の話は一ヶ月後に殺される俺達にとって今しなきゃならない話か?そうでないなら先に話したいのだが。」


 「いや、そこまで大事やないけど、只さっきお前らも寝転んで私のパン...」



 ヤバい、神木大明神が降臨しそうになってる。何か大事な話を考えろ俺、やればできるはずだ頑張れ俺。



 「神木!!征ちゃん!!今すぐ自分自身のステータスを開いてくれ。何か気付かないか?」


 「はい!レベルが5になってるでござる。」


 「そうだ!今俺の眷族が頑張って戦って生物を狩ってもらっている、その経験値が俺のところにフィードバックされて、そこからさらにパーティーに等分されているんだ。」


 「その話昨日したやろ。」


 「そう!この話は昨日した。この後は征ちゃんから大事な話があるみたいだ。」


 「うぇっ!?」



 後は託したぞ、征ちゃん。そんな半泣きでこちらに訴えても、もう俺は万策尽きてるんだ。何とか征ちゃん機転を利かしてこの場を乗りきってくれ。何としてでも神木大明神を目覚めさせてはならぬ。



 「かっ神木殿には拙者のスキルはまだ見せておらんでござろう。可愛いものには目がない神木殿であればこのスキルの可愛さに魂が震えるでござるよ。」


 「そう言えば征四郎のスキルは見たことないな。お前のブリーフ姿から可愛いスキルが繰り出されるなんて想像できんけどな。」


 「ふふ、そんな事言ってられるのも今のうちだけでござる、刮目して見よ!戦闘形態(トランスフォーム)!」



 そう唱えるや否や何時ものごとく征ちゃん自身が発光しだしすのだが、なんか後光が差していてグリコみたいなポーズのシルエットも無駄に神々しいのが腹立つな。

 虎柄のパンツとビキニに虎耳にシッポ、アイテムは可愛いのかもしれないが、装着してる本人がデブにロン毛に汗だくにブリーフ一枚だからなぁ。これを見させられる神木は余計に怒り出すんじゃないか。




 「うぉ眩しいな!............ってそれか?征四郎の言ってる可愛いスキルってのは?」



 ほら見たことか、めっちゃ怒って......



 「もしかしてそれってタイガーシオンの初期バージョンやんか!しかもマジカルステッキまであるんか、おぉシッポまで再現されてるやん。それどうやって付いてんねん?パンツに付いてるんか?」



 お!まさかの食いつき。このキャラそんなに有名なのか?取り敢えず征ちゃんはそのまま神木の意識を逸らし続けて、俺らがパンツ除こうと涅槃仏の姿勢を取ってたことを記憶の隅に追いやるんだ。



 「さすがは神木殿、このコスの完成度の高さを解っておられとは、ジンちゃんとは全然違うでござるな。しかもこのマジカルステッキはバイブ機能まで搭載していて、手元のボタン一つで強弱を調整できるでござるよ。そしてシッポはお尻から出てるでござるよ。ほら動かすこともできるでござるよ。フリフリ~どうでござるか、凄いでござらんか?」



 「うげぇっ!それ尻から出てるんか、シッポじゃなくて触手やんけ!なんかシッポの動き方もフリフリって言うよりもウネウネって感じやし。よう見たらコスも可愛いけど征四郎が着てたら只の変態やんけ。

 なんか騙された感じで腹立つな、そう言えばお前らさっき私のパ...」


 「ほら、征ちゃん!まだあるやろ。飛びきりのスキルが!」


 「え?あっあ~あるでござるよ、実は拙者異世界召喚でお馴染みのアイテムボックス持ちでござる。しかも質量制限なしの時間停止つきでござる。その証拠に昨日採取して布団の中で暖めてたイチゴでござる。まだ冷めてないでござる、ささ神木殿お一つどうぞ。」



 そう言いながら虎柄になったパンツに手を突っ込み、何やら異様な湯気が立ってそうなイチゴを取り出した。



 「お前それ只パンツにイチゴ入れて股間で暖められただけちゃうんか?」


 「違うでござるよ!現にこの中にイチゴが100個くらい入ってるでござるよ!」


 「マジか......それは凄いかもしれんけど......それパンツの中じゃないとアカンのか?」


 「拙者は通常時はパンツしか身に付けてないでござるから、他を試しようがないでござるけど、ステータスにはアイテムボックス(パンツ)って書いてあるし、たぶんパンツの中だけでござると思うよ。」


 「......ジンパチ、食え。」


 「はぁ?嫌に決まってンだろ。神木お前が食べろ、先生命令だ。」


 「しばくぞジンパチ、別に征四郎の事を信用してないわけでないけど、万が一あれがアイテムボックスじゃなく只単にパンツの中入ってたイチゴやったら乙女の私は恐らく死んでまうやろ、それによく見てみろなんかホカホカしてるし変な毛もついてるし、舎弟がまず毒味するんが道理やろ、親分命令や食え。」


 「断固拒否する!」


 「幼馴染みのパンツの中に入ってた物くらい食べたれや!......パンツ!?そういやさっき私のパンツ覗いて...」

 


 『チョリス!神木の胸に飛び込んでまさぐれ!』


 『了解っす~オパーーイ!!』


 「うおっチョリスどうしたんや、グルグル猫パンチか!お前はホンマに可愛いの~写メ撮っとこ。」



 初めてお前を召喚して良かったって思えたよ。ん?あれ今チョリスと声に出さずに会話してたよな、どういう事だ?便利になったんだしまあいいか。

 しかし危なかった。この世界に来てから下がりっぱなしの俺の威厳が地の底まで下がるとこだったわ。





 「神木ざま、食事持ってきたべ~ってそこの囚人!それはさっきのイチゴだべか?」


 「そうでござるけど、食べるでござるか?」


 「いいんだべか!お前いいやつだな.........なんかちょっと暖かいけどやっぱり美味いべさ~~」





 う~ん、結局征ちゃんのアイテムボックスは時間停止するでいいのかな。まぁいいか、元からアソコから出てくる食べ物類は腐っててもそうでなくても、それを食べる時は食べなきゃ死ぬっていう時以外無いだろうし。

少しでも気になった方はブックマークに評価感想を頂けると幸いです。


次回から少しストーリーが進んでシリアス展開になるような、ならないような


m(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったです。 クラス転移で、教師が主人公の作品を探していて発見しました。 あまり無いみたいですね。 [一言] 気のいいギャルさんも大好きです。 パン一は、さっさとなんか着てほしいです…
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