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プロローグ クラス転移

初投稿なので色々気になるところがあると思いますが、子猫をを愛でるような心持ちで読んでください。

 俺の名前は風間 甚八 25才 独身 三年間彼女なし 家族は両親 祖母 姉と祖父は太平洋戦争で戦死したらしいが、仏間で飾られている遺影でしか見たことの無い俺にとっては特に何の思い入れもない。

 ごく普通の何処にでもある家族構成だ。実家は小さな寺兼古武術道場なのだが、このご時世小さな寺だけでは食っていけず歴史だけはあるけど超マイナーな古武術道場を兼ねても食っていけないので、本業は高校の数学教師である。



 たまに寺の手伝いをしたり道場で教えたりして小遣い程度の金を稼いだりするが、その程度のはした金額なぞバレなければなんの問題もない。



 生臭の坊主の倫理観なぞそんなものだ。






 本日3月22日は雲一つない晴天であり、終業式で浮かれる生徒や仲間との別れを惜しむ生徒など一年を締め括る日に例年より少し早い桜が満開に咲き乱れ誰もが祝ってくれてるようなである。



 そして俺は今年初の担任を任されたのだが小さな苛めや問題行動はあったけどなんとか一年乗りきりようやくその重圧から解放される日でもあり、朝からいささか緊張ぎみではあるが道場で日課の瞑想と鍛練を小一時間行い、軽く汗を流した後いつもどおり生徒達がひしめく学校へと出勤した。

 心地よい生徒たちの喧騒と全く耳に入らない校長の長ったらしい挨拶の中、半分夢の中にトリップしながら教師陣の席から静観していた。






 そして、特に何事もなく無事に式が終わり俺は2年3組の教室の前にいる。


 そう、この中にいる連中が俺が一年間受け持ったクラスなのだ。



 初の担任という事もあって中々感慨深い思いが込み上げてくる。

 着任早々苛めが発覚し、解決したと思えば今度は俺が苛められ、ほとぼりが覚めてきたと思えば援助交際で補導されたりする生徒や、他の生徒を煽って授業を妨害する生徒がいたりと、ん?なんかロクな思い出ないな、ちょっと涙が出てきた。

 別段教師を夢見てきたわけでもない、数ある職の中から遣り甲斐と安定が備わってそうな職を希望して採用されただけである。


 無難最高、普通最高、平和と平穏をこよなく愛する人畜無害な生活送るために終始頭をフル回転させてきたのに、こやつらは想像を遥かに越えて俺に問題を吹っ掛けてきやがる。

 まぁそれも終わってみればいい思い出だろう...   そうでもないな、なんか腹立ってきたな。


 


 昨日も今日という節目の日に備えて散髪をしようと、行きつけの床屋に行き『爽やかで且つ舐められないような髪型でよろしく』と言ったら、床屋のオッサンは長時間悩みだして、あまり長いおっさんの長考となんとも言えない床屋の心地いい雰囲気が眠気を誘い、ウトウトしてしまって気付いた時にはパンチパーマになっていった。


 その後、久しぶりのパンチにいい仕事したぜ感満載のオッサンと抗議する俺でケンカになったが、パンチの金は払うから何とかしてくれとの要望に渋々頷き、いかにもやる気のない素振りでバリカンを手にして五分で丸坊主が完成した。


 8000円のメチャ高い丸坊主のジョリジョリした感触を手で堪能しながら気持ちを落ち着かせていく。







 「ふぅ~~  よし、いくか。」





 ガラガラガラ~





 「はい、みんな席についてー携帯をさわってる生徒は携帯を鞄にしまいなさい、本を読んでる生徒は本を机にしまいなさい、床を光らせてる生徒は床を光らすのは辞めなさい、ホームルームを始めますよー。」




 あれ?なんか俺今変なこと言ったような




 と、自分の発した言葉を脳内で反芻した瞬間に床の光が強くなりだし、そこに浮かび上がった魔方陣のような物を確認するや否や辺り一面光に覆われだし目も開けてられない状態になった。











 「よくまいられた!勇者たちよ!」




 


 無難、普通、平穏が高速で崩れ去っていくのを感じながら、視界が徐々に回復していき野太い声のする背後を振り返ると、そこには長い顎ヒゲと鋭い眼光をした頭に王冠を乗せたオッサンが高そうな椅子に鎮座していた。


 そこは中世のヨーロッパのお城を思わせるような豪華な装飾を施された空間で、体育館ほどの広さがあり玉座には王様らしき偉そうな人物、その偉そうなオッサンを挟んで両脇にムカつくほどにイケメンとドレスアップした絶世の美女達、そこから端にむかってちょび髭のオッサン、小太りのオッサン、お尻のように見事に割れた顎の厳ついオッサンが立っていてどれも偉そうである。




 そして俺たちの後方には中世の騎士風の甲冑を着た人達、怪しげなローブを纏った人達が100人以上、あとなぜか生徒たちのすぐ後ろにブリーフ一枚だけの中年男性。





 これはあれだな、昔よく読んだラノベの、ほんでもって今流行りの、二人に一人は体験するっていう異世界転移ってヤツだな!!(いや、そんなにしないだろ!)


 よし、一人ボケツッコミができる程度には大丈夫だ。


 テンパって頭がおかしくなったとも捉えられるが。





 案の定、皆口をあんぐり開けてポカーンとなっている。


 校内一の美女と言われている黒金 結もポカーンってなってるがその顔もなんか可愛い。


 皆のアホ顔を眺めてても仕方がないし、一応このクラスの担任なので聞くべきことを聞いてみるか。






 「すいません、私はこのクラスの担任の教師で風間 甚八といいます。私たちは学校の教室にいたんですけど、ここはいったいどこですか?あなた方はあと勇者とは一体なんですか?」



 「おい!貴様!!陛下の御前であられるぞ!跪かんか!それと発言は許可されてからだ!」



 いきなりちょび髭からすごい剣幕で怒られた。




 「かまわぬ宰相、彼らは我らとは違う世界から来たのだ、こちらの礼儀や作法に疎いのも仕方がない、それにこちらが勝手に呼び寄せた身、多少の無礼は構わぬ。」



 「はっ!聞けぃ召喚されし勇者たちよ!こちらに仰せられるのはラシアット王国第十三代国王オーレン陛下であられる。右隣におられるのがキャサリン王妃、左隣からフリッツ第一王子、メアリー第一王女、ライラ第二王女であられる。」




 ちょび髭は宰相らしい。


 30代と思われる妙齢で容姿端麗な美魔女の王妃、金髪の眼光鋭くがたいのいい大学生くらいのイケメン王子、高校生くらいの超絶美少女の二人の王女等全員がこちらを見つめるがこちらを見る目が冷たい。まるで虫けらを見るようだ。


 ちなみに女性陣は全員おっぱいが大きい。





 「うむ、我がこの国の王であるオーレンじゃ、我が国は西にある魔王が統べる魔族の国から侵略を受けておる。その脅威を排除するべくお主らを召喚したのじゃ。こちらの都合で一方的に召喚して悪いとは思うが、こちらもなりふりかまって要られぬゆえ許せ。」





 な、なんて身勝手な、これじゃ誘拐じゃないか、それに謝罪に全く誠意が感じられない、まるで道端で肩がぶつかった程度の軽い謝罪、王様だからか?






 「…….ですが、私たちは戦争の経験なんかありません。平和な社会で暮らしてきたので戦う術を持ちません。おそらく王さまが考えてらっしゃる戦力にはならないと思うんですが。」




 「心配するな風間よ。文献には約五百年前にも勇者召喚が行われたのじゃが、その際召喚された二十数人ほぼ全ての人間に何らかの強力なジョブとスキルが備わっていたという。

 どうやら異世界召喚された人間には強力なジョブやスキルが附与されやすいそうじゃ、後に我が軍である程度の戦闘技術を身に付け戦えるように訓練してやる。」




 クッあくまで上から目線、人を誘拐しといてよくまぁそんな横柄に頼み事ができるな。どういう神経してんだよ。でも、ここで反発してあいつらを怒らせてしまえばこの場で殺されかねない。


 ってかそもそも元の世界に帰れんのか?




 「すいません、元の世界に戻る方法はあるんでしょうか?」




 「・・・ある・・・・・と思う(ボソッ)」




 声ちっさ!!メチャメチャ目泳いでるしぃ!!


 王様さっきまであんなに偉そうにしゃべってたのに。




 「おい、宰相!」



 「ハッ、ここにある五百年前の文献には召喚された勇者たちは、魔王を討伐した後に光に包まれて姿を消し、その後勇者一同を見たものはいないと記されている、なので心配されるな魔王を倒せば無事に帰れるだろう。」




 おい、ちょび髭宰相そんな五百年前の文献出されてもなんの説得力もないぞ。




 どうすりゃいい?




 おとなしく様子を見るか、んなもん戦えるかと反発するか




 担任の最後の仕事としてはハードすぎんだろ!

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