オーマイガー!
母の入院の理由は脳梗塞だが、そもそもは糖尿病を放置したことが原因ではないだろうか。
何時の時点かはっきりと記憶に無いが、インシュリンを一日3回2種類注射していても、血糖値が300台半ばから400近くあると説明される。様子を見ながら増量していても、数値が下がらないというちょっとマズイ状態になっていた。退院すれば自宅でも毎食ごとの注射が必要になるが、母に手順通りに計量して注射を打つなんていう作業は仕込めなかった。何より、薬を飲んだか飲んでないかすら記憶にないのに投薬管理なんて怖いことはさせられない。家族会議再びである。昼食時に家人が居ないのは、週3日。昼食は介護食の宅配で賄い、訪問介護を利用して投薬をする予定で介護認定の段取りを始める。退院までに審査をしようと思えば時間はそれほど無いため、大急ぎでケアマネージャーを探し始めた。
今時の病院は入院中から介護保険の手続きや、退院後の生活に関しての相談に応じてくれる。地域との連携や情報提供をする部署があるためだ。担当者は病棟から患者のデータを渡されているので、患者の状態に関しては家族より詳しい場合もある。退院後の生活の話題になった時、介護施設は連携している所を紹介しますが、どうしますか。退院してから個人で探すのは難しいですよ、と言われた。晴天の霹靂である。そうこうしているうちに、母が脳出血を起こし、退院が伸びてしまった。
そもそも、病院側からすれば、退院後に自立した生活が送れるとは思っていなかったようだ。脳梗塞からくる認知症状とインシュリン注射、食事制限も必要とくれば難しいのは理解できる。しかし、介護施設に入所するか、誰かが付いて介護しないと生活できないとは聞いていない。退院後のそういった事を説明する担当者だったのかも知れないが、家族からすれば、医師から何の説明もなくいきなり施設入所とか。聞いてないよ!!である。退院後の生活設計が白紙になった瞬間だった。
父は母が居れば自宅で生活できるが、母が施設に入ってしまえば生活が破綻する。二人揃って介護施設に入所なんてありえない。兄弟の誰かが仕事を辞めて二人まとめて面倒を見た方が遙かに現実的であるし、心情的にも納得できる。親が入院しても休みが取れない会社に勤める兄弟たちより自分が仕事を辞める方が簡単か。その場で離職を決める。これが世に言う介護離職か。テレビの向こうで見ていた時は、働いてお金を稼いだ方が自分で介護するよりいいのにと思っていた。実際には親を施設に入れる決断なんてなかなか出来ない。本人が望んでいなければ尚更である。本当に、人生何があるかわからない。