1章 《依頼》
どうも蒼井です。
少し投稿するのが遅れてしまいました。申し訳ないです>_<
1章《依頼》を楽しんで読んで頂ければ、幸いです。
因みに、今回のお話に出てくる主人公の《八重島 陣》は実は38歳という設定なんですよね!
いや~なんかもうおっさんって感じですね(笑)
ワイルドな感じの風貌を連想して読んで頂ければ、今後更に楽しんで読めるかも!?
前書きが少し長くなりましたが、どうぞ私が彩るストーリーを楽しんで読んでくださいな。
それでは後書きでお会いしましょう。
「ピピピピッ」と目覚まし時計の軽快な音が部屋中に鳴り響く。
俺は寝転んだ状態で頭上辺りを弄り、鳴り響く目覚まし時計を停止させる。時計の針に目を向けると、丁度早朝の5時頃を指し示していた。
寒すぎて布団から出たくない気持ちを押し込めて、ベッドから重い腰を上げる。
「ん~」と大きく伸びをしてから脱力すると、壁に立て掛けているカレンダーが視界に入る。今日の日付は、12月3日。
本格的に寒くなってきたな……と内心で思いながら、キッチンへ向かう。
コンロの上に置いてある雪平鍋を手に取り、水道水を入れて温め始める。沸騰するのを確認すると、お気に入りのマグカップを食器棚から取り出し、インスタント珈琲の粉を入れてから、グツグツと煮えたぎったお湯を注ぐ。
マグカップからは珈琲の香ばしい匂いが立ち込める。俺は熱い珈琲を啜りながら、徐に点けたテレビから流れるニュースに目を向ける。
「昨日の夜、〇〇市の病院で爆発事故が発生しました…」
「一室に保管されていた化学薬品が原因だと思われるとのこと…」
ニュースキャスターが報道しているテレビに映し出された映像を見て、自分が住む街の近くだと気づく。
これで3回目だ――。ここ最近、近所で爆発事故が多発している。原因は煙草の不始末であったり、ガスが引火したりと様々だ。偶然だとは思うが、それでも恐い。
俺はニュースの報道を眺めながら、少し冷めた珈琲を一気に飲み干し、マグカップをテーブルの上に置くと、ロッカーに吊るしてあるジャージを手に取る。
寝間着からジャージに素早く着替えると、軽くストレッチを行った後に自宅の玄関へと向かう。
まだ外が薄暗い中、日課にしている早朝のランニング開始する。
朝早く起きて、走るのはとても気持ちがよい。俺は内心で思いながら、いつも通りのコースを走り抜けるのだった。
スーツに着替えた俺は、電車に揺られながら会社へと向かう。
駅に着き、改札を出て徒歩数分のところに大きなビルが姿を現す。ビルの一角には<セキュリティ ガード>と書かれている。主に要人の護衛などを生業とするSPの会社、通称<SG>と呼ばれている此処は、俺が務めている会社だ。
会社に着くと、上司と部下に挨拶を済まし、俺は自分の席に腰を据える。
「八重島君――、八重島 陣君――」
一息ついたところで、後方から呼ぶ声が聞こえた。
「どうしたんですか? 社長」
「少し話があるから、こっちに来てくれないか?」
社長、直々から話があるとは珍しい。
俺は少し不安を抱きながら、手招きする社長の方へ足を運ぶ。歩きながら「出勤早々すまないね」と社長が口にした。
数分歩いていたところで、社長室と書かれたプレートが視界に入る。俺は少し緊張しながら、部屋に入ると「ソファーに掛けてくれ」と社長が口にする。
俺は指示された通り、その場に設えているソファーに腰を掛ける。
「話というのは――」
社長が口を開くのと同時に俺は緊張のあまり、頬に一筋の汗が流れ落ちてしまう。
何故、俺がこれ程まで緊張してしまうのか? それはこの男が、ただの社長ではないからだ。
元陸上幕僚長で日ノ本の<鬼>とまで呼ばれた強者――歳をとっても、未だ現役SPとして活躍する猛者<武平 満明>この会社で社長の地位に君臨する男の名だ。
そんな社長から直々に話があるというのだ、緊張しない者などいるはずがない。
「実は、この男から八重島君を指名で護衛の依頼が来ていてね」
社長が言いながら、徐に胸ポケットに入れていた写真を一枚取り出す。その写真には紫色のスーツに身を包んだ、頗る頭がよさそうな男が写し出されていた。
「俺を指名……ですか?」
「あぁ…そうだ。実績が良くて評判もいい、八重島君の噂がこの男の耳に入ったらしい」
俺はもう一度聞き直すと、社長がそう言い放った。
「八重島君の今までの依頼達成率からみると、依頼指名が来るのもあり得なくない」
社長の言葉に少し照れてしまう。
「今回の依頼は、この男が会社から取引先へ行く際の護送だ」
社長が依頼についての説明をしてくる。
護送――会社に来る依頼の中でも一番難易度の低い依頼。
「護送ですか…今回の依頼であれば、他の社員でも熟すことができると思うのですが…」
疑問に思った事を口にする。
「侮ってはいかん、今回の依頼主の本業は情報屋――という事は、言わなくても解るな?」
疑問に思った事に対し、社長が即答すると「あぁ…そういうことですか」と俺は頷いて納得した。
「まぁ……私も八重島君の状況判断や適応能力――」
一拍置いてから社長が言葉を続ける。
「何しろ、その腕と脚の義手・義足の性能を鑑みて、八重島君が適任だと思ったのだが――引き受けてくれるかな?」
俺の手と脚を順番に見ながら口にする。
万が一、狙撃されたとしても俺の義手と義足であれば弾くことは容易。指名された依頼に対して逃げ出すのは愚の骨頂だ――とすれば選択肢はただ一つ。
「社長の頼みとあらば喜んでお引き受けします!」
俺は大きい声で言い放つ。実際のところ拒否したら殺されてしまうと本能的に思ってしまったから、受けるしかないと判断したのもまた事実なのだが――
指名されて嬉しいが思わず、何との言えない表情になってしまう。
「ありがとう――そう言ってくれると思っていたよ」
ニコリと笑顔になった社長が返答してくる。何故だろうか? 俺はその笑顔に内心ドキリとしてしまう。
「今回は初めての指名ですからね――無下にはしませんよ」
俺は、そう言葉にする。
「あぁ――そうそう」
思い出したかのように社長が口を開く。
「言うのを忘れていたが、依頼主の名前は――ミナミ――そう同業者の間で呼ばれているらしい」
「ミナミ…ですか――承知しました」
恐らく偽名であろうと内心で思いつつ、社長が言った言葉に俺は了解の意を示す。
「ところで、依頼の実施はいつ頃になるんですか?」
気になった事を社長に問いかける。
「あぁ――それなのだが……すまない実は2時間後なんだ――」
「えっ――」
いきなりの申し出で申し訳ないといった面持ちの社長が思わぬ返答返してきて、俺は素っ頓狂な声を上げてしまう。
1章《依頼》はどうでしたか?
続きが気になって、はよ読みたいと感じて頂けたのならすごく嬉しいです。
次回はお待たせしました、ヒロインが登場します!
先に紹介しておきますと《奈加美 ミナ》今回のヒロインの名前です!
神社で幼い巫女をしているという設定ですね~年齢は12歳! まさに幼・女!
ヒロインが主人公と出会うことによって、今後どんな展開になっていくのか…? 期待して頂ければなと思います!
恐らく次回投稿も6日後くらいになる可能性がありますが、お待ち頂けると幸いです。
なるべく毎日投稿できるよう奮闘するので!
それでは、次回お会いしましょう。