06 人が来ない
少し間が空いてしまいましたが、少しだけ話が纏まりましたので投稿します。
「人が来ない・・・」
街道が見える場所にマイルームを設置してから1週間、誰も通ることが無かった。
考えられるのは
1、あまり通行する人がおらず月に1回しか人が通らない。
2、道はある物のもう人が使っていない。
3、もはや人なんていない。
「3は無いと信じたい。」
ただ待っているだけでは時間がもったいないので武装の強化をすることにした。
まずほしいのは遠距離攻撃用の武器だ。
このマイルーム、チートだチートだとは思っていたが、ここまでとは思っていなかった。
自転車で移動する前に分かっていたが、扉を開けていても出なければ認識されないのだ。
つまり、扉の中から遠距離攻撃をすることで一方的に攻撃ができるのだ。
「チートすぎるだろ、これ」
逃げられさえしなければラスボスをノーダメージで倒せる、かもしれないのだ。
「回復魔法や自然治癒されれば無理だけどな」
と言う分けで、作ったのがこちら、苦無だ。
普通のナイフでもよかったのだが、飛び道具として使うならこっちの方がカッコイと思ったからだ。
あえてもう一度言う、カッコイイと思ったからだ。
素材はステンレス製。
部屋に10個セットのステンレスのボルトが有ったので大量に製造し、形成で形を整えた。
「このステンレスの輝き、苦無っぽくない・・・」
まぁ、そこは仕方がない、諦めよう。
さて、これで完成ではつまらない、俺には魔法文字が有るのだ。
ここ数日の実験で、発動のタイミングをイメージすることで魔法文字に魔力を溜めておけることが分かった。
例えば、「爆発」の魔法文字をそのまま書くと魔力を流した時点で発動して爆発する。
しかし、ボールに「爆発」の文字を書くときに何かにぶつかった時発動するようにイメージすると魔法文字に魔力を溜めておくことが出来た。
それを利用することで、様々な魔法文字がイメージで発動タイミングを変えられることが分かったのだ。
「まずは【誘導】だな。イメージは投げた瞬間に投擲対象に向けて、っと。」
苦無には大きめに使える面が4面あるので、簡単に付与できるのは4つだ。
書く気になればグリップの部分にも書けるが局面なので面倒だ。
「次は【加速】だな、これも同じイメージで投げた瞬間っと、あ、これは2ヶ所に書いて倍の効果にしよう」
魔法文字は同じ文字でも何個か書くことで強化することが出来る、まぁ、掛け算じゃなく足し算方式だ。
つまり2つ倍化の魔法文字を書いた場合
(Ax2x2)ではなく(Ax2)+(Ax2)と言った感じだ。
「あと1ヵ所か、定番なら【爆発】だよな。でもそれだけじゃ使いどころが限定されるし・・・ここだけ変えて何個か種類使い分けるか。」
という事で作ったのが
【爆発】【貫通】【拡散】【回復】だ。某ゲームが元ネタである。
拡散は投げた後対象との中間地点で5個に分裂するようにイメージした。
大きさが5分の1になるが、広範囲に広がるので1対多の場合は有効になりそうだ。
「しかし、まさか【回復】が可能だとは思いもよらなかったな、便利すぎるだろ、魔法文字」
しかもイメージ的には着弾時に苦無を魔力に変換、それも回復に当てるというイメージだ。
たまたま通りかかった足を引きずる馬的な何かに使ったところ、体に吸い込まれるように消えていった。しばらくキョロキョロ周りを見回した後、元気に走って逃げていった。
そして、実験で消費した分の苦無を補充しようとマイルームメニューを開いた。
「・・・このマイルーム、更にチートだったか」
メニューにはこう表示されていた
苦無
苦無【爆発】
苦無【貫通】
苦無【拡散】
苦無【回復】
「エンチャントアイテムも増やせちゃうのね・・・あ、って事は」
自転車
魔動自転車
バッチリ追加されておりました。