09 これほど感謝した事はない
あけましておめでとうございます、年末年始は忙しく執筆できませんでした。とりあえず1話だけ投稿です。
T字路には看板が立っていた。
木の棒に先が矢印っぽくとがっている物が3本打ち付けられているアレだ。
近づいて何が書いてあるか見てみる。
「うん、不思議だ」
見た事も無い時なのに読める、神様の特典というやつだろうか。
北 【ミレウム】
南 【アルダイン】
西 【平原(危険)】
おい、あの平原、危険って書いてあるぞ!なんて場所に転生させたんだ、こんなんじゃ人なんて通らないだろうが、ちくしょうめ!
「まぁいい、生き返らせてくれただけでもありがたいんだもんな。」
そう、ポジティブにいこう、夕日に向かって進めないのはもうあきらめよう。
「ミレウムにアルダインか。この二つならミレウムだな、響きがカワイイし」
と、そんな安直な考えで行き先を決め、今日はここをキャンプ地とした。
「う・・・ん?」
何か物音がして目が覚めた。
ガラガラガラという、道を馬車が走るような音だ
「まさか!」
俺はカーテンを開けて外を見る。
そこには馬車に荷物を積んで走る馬車が3台、そしてその周りを護衛の様な者たちが取り囲んで歩いていた。
「うほーーーーー、人だーーーー」
眠気なんて吹っ飛び、小躍りを始める、確実に見た者のMPを吸い取る感じの踊りだ。
そして、俺はこれほど感謝した事は無かった。【外から中が見えない】事を。
1週間ほど道の様子を観察した。え?ビビリじゃないし!慎重なだけだし!
基準が分からないから多いか少ないか分からないけど、1日に2組から3組の行き来が有る。
そのうち、一番多いのが商人の馬車らしき団体。
次が冒険者っぽい者たち。
そしてたまに農家の馬車っぽいものが行き来している。
「モノの流れを見るとアルダインの方が都会なのかな?」
ミレウムからの荷物は農作物が多く、アルダインからの荷物は日用品っぽいものが多く運ばれているように見えた。
「まずはミレウムに行くのは変更無しで良さそうだな、あとは移動方法か」
まさか魔動自転車で爆走するわけにもいくまい。
歩きで少しずつ移動するか、ヒッチハイクは・・・ちょっと怖いな。
盗賊と勘違いされるかもしれないし、逆に見た目が優しそうな人でも、何か騙される可能性もある。
そう、俺は慎重な男なのだ。
「いや、何かあってもマイルームに逃げ込めばいいんだ、ここは魔動自転車でゆっくり進むか」
今登録してあるマイルームの出入口はここと平原のど真ん中だ。
平原なんて何に使えるか分からないが、逃げ場にはもってこいだ、誰も来ないだろうし。
登録できるのは3ヶ所、ここともう一か所をうまくやりくりして、どうしようもなくなったら平原の出入口を変更することにしよう。
ここ数日で見たこの世界の一般的は服装をシーツやカーテンから形成で作り、それを着た。
「おれ、服飾業者でもやっていけるかもしれない」
窓ガラスに映る自分の姿はここを通る農民の服と見分けがつかないほど完璧にできていた。
「レッツゴー」
魔動自転車セットも装備して扉を出てミレウムに向かって走り出した。
「き、君!そ、それは何だね!」
やってしまった・・・




