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00 プロローグ

12/1 15:42 誤字修正

12/1 18:40 誤字修正

「どこだ・・・ここ」


俺は自分の部屋のドアに寄りかかりながらドクドクと脈打つ心臓を抑えるように座り込んだ。






俺はいつもの様に部屋を出て一階の茶の間に向かおうとした。

ドアを開けるといつもの2階の廊下・・・ではなく草原が広がっていた。

唖然としていると、巨大な犬、狼?がヨダレをまき散らしながらこちらに走って来た。

巨大、高校時代に一度だけ馬に乗ったことが有るが、それと同じ大きさだ。


「うぉあ!!」


バタンとドアを閉め、抑える。

しかし、予想していた衝撃は来なかった。




そして、先ほどの一言と言う分けだ。


「本当に、ここどこだよ」


ちょろっとドアを開けて覗き込むと、他にもおかしなサイズの生き物や、

見たことのない生き物が歩き、飛び回っている。


ドアを閉める。


「どうやら、ドアを閉めておけば向こうはこっちを見失うみたいだな・・・」


ひとまずの安全が確保されたようで安心する。


「あ、パソコン!なにか分かるかも!」


そう思い、パソコンデスクの下にあるデスクトップパソコンのスイッチを押す・・・


「つか・・・ない?おいおい、こんな場合ネットに繋がって掲示板サイトに相談ってのがテンプレだろ!」


カチカチとスイッチを押しても一向に電源が入る気配が無い。


「まさか!」


部屋の照明スイッチを押してみる


「つかない・・・だと?」


明りを確保するために俺はそこでようやくベランダ側の窓のカーテンを開けた。


そこには大自然が広がっていた。

どういう原理か、やはり生き物たちはこちらに気づいていないようだ。


「って事は、こっちも開けたら危険って事か」


伊達に30年近くオタクをやっていない、こういった状況を妄想したことだってある。


俺はパソコンデスクの椅子に座った、そこで気が付く


「手紙?」


キーボードの上に手紙が乗っていたのだ。

封筒には【後藤 一徹 様】とだけ書かれている、俺の名前だ。


封筒を開け、中の手紙を読んでみる。

中は神様からの手紙だった。

長いので要約すると、次元の歪みで俺は部屋ごと消滅してしまったらしい。

対処が後手に回ったことの謝罪と、元の世界で生き返ることができない謝罪が書いてあった。


「そっか、俺一回死んだのか・・・」


元の世界での俺の扱いがどうなっているのか気になるところだが手紙の続きだ。


どうやら、この俺の部屋は俺のスキルが作り出した異空間らしい。

スキル名はそのまま【マイルーム】で結構チートな能力だった。

詳細は

 異空間に自分の部屋を作成する。

 部屋に置いてあるものは自動修復される。

 出入口は3ヶ所まで設置可能。

 許可した者しか入ることができない。

 出入口は許可した者しか見ることも触ることもできない。

 一度部屋に持ち込んだことが有る物は魔力で再生産が可能になる。

 電気は来ていない。

 ネット接続不可。


完全な安全地帯だ、しかも、一度持込んだものの量産ができるのはデカい。

ただ、電気とネットが無いのはがっかりだ。


他にも2つスキルを貰えたようだ。

【形成】と【魔術文字】だ。


形成は

 物の形を変えることができる。

 記憶にある物や、一度作ったことのあるものは全く同じものが作れる。

 未作成の物で記憶があいまいな物はだいたいの形になるので微調整が必要


魔術文字は

 物に文字を書き込むことで書いた文字の通りに動作するマジックアイテムを作成できる

 ただし、魔術文字に魔力を流さなければ動作しない。


と言った能力だった。


「これ物作り系チート転生じゃないか!」


俺がよく読んでいた小説サイトでもいくつも投稿されていたジャンルだ。


「いや、でもこの状況から脱出しない限りなにも作れんぞ」


そう、安全な異空間とはいえ、こんな平原のど真ん中ではどうすることもできない。


「まずは、部屋の中で使えそうなものを探そう」


まずはベッドまわり、枕元に水を入れたペットボトルが有る。

しかも、昨日の夜入れ替えたので新鮮な水だ。


「飲み水は確保だな。魔力で再生産できるはずだ。試してみるか。」


スキルの使い方は手紙に書いてあった。

スキル:マイルームと念じると半透明の画面が目の前に現れる。


「おお、すげぇ」


後は目線や思考でパネル操作が可能っと、ふむふむ、色々項目が有るな


項目は生産・フレンド登録・ルームカスタマイズとあり、生産はさらにパーツ・完成品・飲食物などジャンルごとに分かれていた。


「飲食物で、水入りペットボトルっと、おぉ」


身体から何かがスゥっと抜ける感じがして、次の瞬間目の前に同じペットボトルが現れていた。


「すげぇな、これで本当に水には困らなくて済みそうだ。」


消費した魔力がどれ位か分からないが、全然負担になるような量ではなかった。



そして、飲食物の項目で目に付いたのが【インスタントラーメン】だった。

これは、キャンプ用の真空パックになっているもので、ネット動画でキャンプ飯動画を見た時物珍しくて買ったまま部屋に置いていたものだ。

味も醤油、シーフード、カレーの3種類だ、浪費癖がこんなところで役立つとは思いもよらなかった。


「お湯さえ沸かせれば食料も問題ないな。そう言えば」


ベッドの下の引き出しを開ける。

俺のベッドは下に大きな引き出しが2個並んでいるタイプのベッドを使用している。

そしてその中には今まで集めた工具や電線、ガラクタが詰まっているのだ。


「お、あったあった」


取り出したのは小さいガスボンベタイプのトーチバーナーだ。

前に塩ビ管を曲げる時に熱するために買った物を入れたままにしていたのだ。


コックをひねり点火ボタンを押すとヴォーーという音と共に青い炎が噴き出す。


「使える使える、これで火も大丈夫そうだ」


キャンプグッズの中に大き目のステンレスカップもあるので湯沸も問題ない。

惜しまれるのは買うか悩んでいたキャンプ用のバーナー、上に鍋なんかを置けるやつをまだ買っていなかったことだ。


「いや、形成のスキルだ、あれで作れないか?」


手元にはガスボンベも、トーチ型のバーナーもある、形を少しいじれば作れる気がする。


「まずはボンベとトーチを1つずつ生産して、っと、さすがに今度は結構魔力を持って行かれたッぽいな」


目の前に出てきたもう1セットのガスバーナー。


「まずはトーチ部分を横にして使えるように足を付けたそう」


形成のスキルはよほど固い物質の形を変えない限りほとんど魔力を消費しない。

バーナーに使われている金属が何かは知らないが切ったり曲げたりくっ付けたりは粘土でもこねるように簡単にできた。


アウトドアショップでまじまじと見つめていたバーナーを思い出しながら形成を続けていく。

記憶にある物のためほとんどは微調整しないまま形を変えることができた。


「形成のスキルも十分にチートだな・・・」


出来上がったガスバーナーはお店で見た居たものと見分けがつかないほどの出来になっていた。


「実際に火は付くか・・・っと、これも全然問題なさそうだな」


もはや、このまま売っても問題ないような出来だった。


早速カップに水を入れ火にかける。

沸騰したところで麺を入れ弱火で煮込み、ふと気が付く


「箸が・・・・ない」


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