邪眼の竜使い1-3
前回のあらすじ
主人公小鳥遊勝弥に、人生の危機がやってきた。その危機は去ったがまた来週その危機が襲ってくるだろう。
そして、昼休みになり昼飯を食べているとまたもや教室の廊下からのものすごい視線を感じたので廊下に出るとヒロイン的ポジションの河上紗耶香が居た。
話しかけるも強敵指定をくらった。そして昼飯を食おうとしたが目の前からラブコメ的空気を感じたのでその場から緊急離脱し屋上に向かった。
「おい、待てよ。昼飯ならそこにあるっていうのに・・・・・・、もうどこかに行ってしまった」
屋上には人が居なかった。この時期の屋上は寒いのでそこまで来たがるようなものではないだろうが、俺はこの屋上が一番のお気に入りの場所で雨の日以外の昼休みはたいていここにいる。極たまに告白の場所に出くわすのがあんまり良くないがそれも含めてお気に入りである。
「どうだ。この俺の空気の読みっぷり。さすがにあそこで健斗は気づくと思うんだけど」
「何を気づくんですか。小鳥遊君?」
そこに居たのは我がクラスの委員長で茶髪で髪は腰まであり、その美貌と上から目線の言葉で罵られたいとクラスで評判の高坂綾乃である。その姿は出るところは出て引き締まるところは引き締まっているお姉さんキャラに近いが、何故か、俺にだけは厳しい言葉ばかりで話すので少し苦手である。
「委員長じゃないか。何の用だ?」
「疑問に疑問を返すなんて、まるで空気が読めてないないのね。このKY」
「俺はKYじゃねえ」
「じゃあ質問に答えてくれるかしら?」
「ごめん委員長。なんて質問されたか忘れた」
「あら、ごめんなさい。記憶力が小鳥以下だっていう事をすっかり忘れていたわ。せっかく小鳥遊君の名前にもしっかり小鳥って入っているのに」
「俺は、三歩歩いたら忘れるような人間じゃないぞ。あと全国の小鳥遊さんに謝ってらっしゃい」
委員長はため息を吐いた後上から目線で言った。
「何言っているのかしら。私がバカにしているのは小鳥遊勝弥であって全国の小鳥遊さんとは関係ないわ。やっぱりKYなのかしら」
「で? 質問内容っていうのは何なんだ?」
「あら、否定しきれなくて話題を戻したのね。仕方がないわねそんなKYで小鳥以下な小鳥遊君に質問です。何が気づくんですか?」
「何がってなんだよ?」
委員長はまたため息を吐いた。
「やっぱりそこまで覚えてないのね。少し買い被りすぎたみたいね。宇都宮君が何に気が付くんですか?」
「宇都宮? 健斗のことか。んでその何って何?」
「小鳥遊君。わざとやってますか?」
眉間にしわが寄っていて、怒る直前だったが、あえてボケをかましてみることにした。
「実はわざと・・・・・・」
バーンと何かが爆発したような音がした。自分の足元を見ると地面がえぐれていた。委員長にはボケが通じなかったみたいで、怒っていた。
「何か言いましたか?」
委員長の声には殺気が乗っていてとても冗談が言える状況ではないのが今更ながらわかった。
「今、何撃ったの! 地面がへこんでるんですけど!」
「ここで、痛めつけてもいいんですよ?」
委員長の言葉が冗談には聞こえなかった。委員長が拳を掲げ俺に殴りかかろうとした時、健斗が屋上にやってきた。
「おい! 何をやっている。高坂委員長!」
健斗は委員長に対して怒っていた。委員長は怒った健斗を見て落ち込んでいた。
「宇都宮君・・・・・・。ごめんなさい何でもないわ」
「そうか、もしも勝弥に何かあったりした時は君を殺すとこだったよ」
「さようなら。小鳥遊君。今度会ったらどうなるかわからないわね」
委員長は手を振ってその場を去って行った。
「いや、それ無理だから! あんたうちのクラスの委員長だろ。次会うのはどう考えても五時間目の授業なんですけど!」
「大丈夫だ。俺が必ず勝弥を守るから」
健斗は自信満々に言っていたがそれよりも気になることがあった。
「そういえば、紗耶香ちゃんはどうしたんだよ?」
「勝弥が屋上で高坂委員長と何かしてたから急いで来た」
「どうやって見たんだよ。お前の居た場所からじゃあ見えないだろ」
俺のいるこの屋上は健斗のいた教室と同じ校舎なので見えるはずがなく、他の校舎から見るか、屋上に設置してある監視カメラで見る以外に方法はない。
「とある所からの情報筋で聞いた」
「とあるってなあ。俺なんかより紗耶香ちゃんと食べてたほうが有意義だろうに」
「俺はお前の方が大事なんだよ」
健斗がいきなりキモイことは言った。俺は聞いた途端吐きそうになったが、健斗は真剣な表情で言っているためどうにかこらえた。
「それで、紗耶香ちゃんはあの教室に放置か?」
「そうだな」
健斗の鈍感さに呆れを通り越して怒りが心の底から湧いてきた。
「何をやっているんだよ! いいか、言わせてもらうけどな・・・・・・」
健斗に怒り任せに喋っていると、そこに紗耶香が現れた。
「小鳥遊先輩。何を言おうとしているんですか?」
紗耶香は笑顔で話しかけてきたが、いつもの笑顔にはなかった殺気がこもっていた。
「紗耶香ちゃん。ものすごく顔が怖い」
「紗耶香、何をやっているんだ。もうそろそろ授業だろ教室に戻ったほうがいいぞ」
健斗の態度は少し冷たく感じた。健斗はやっぱり紗耶香ちゃんのことは、なんとも思ってないのだろうか。
「わかりました。それでは、また放課後に」
紗耶香は健斗の態度を気にした様子もなくそのまま去って行った。
「おい、いい加減にしろ。紗耶香ちゃんの気持ち考えたことあんのかよ! 俺は健斗のそういうとこが嫌いだぞ」
「ごめん。俺、そういう事はとっても鈍感だから気づかなかった」
健斗は何かを察して謝ってきた。俺は健斗が紗耶香ちゃんの気持ちをわかったものだと思っていた。
「そうか、まあ、その鈍さもいつかは治るし。そんなに気を落とすなよ」
「俺は勝弥を応援してるよ」
「は?」
健斗は何もわかっていなかった。むしろものすごくやばい感じで勘違いしてるようだった。
「もうすぐ次の授業じゃないか。早く次の授業に行くぞ」
「いや、俺それどころじゃないし。あと、健斗お前何か勘違いしてるから!」
健斗の誤解は解けないまま五、六時間目が過ぎ、委員長はというと俺と会うたび殺気を出し、何時でもやれるアピールをしていたが健斗が間に割り込んで守るというやり取りが放課後まで続いた。そして、校門がら出て帰ろうとしたとき紗耶香に声をかけられた。
次回に続く!!
暇だったので出してみました。面白いですか?
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