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秘封SS

ぐるり廻って

作者: 紀璃人

はい。作者の嫁の登場です。

秘封は絶対正義だと思うんだ。


あ、今回は秘封な日々がコンセプトですので。

とか言いつつ活動で地霊殿に行った後、という設定です。


赤井さんがちょっぴり出るかも…!?


「あ~寒い寒い」

「メリー冷え性?」

「むしろ蓮子がなんでそんなに普通にしていられるのかが不思議なんだけど」

「この程度の寒さなんて大丈夫でしょう、普通」

「普通じゃないわよ」

 私たちは今回の「活動」を終えて帰路に就いていた。結界の向こうはとても暑く、コートやらなんやらを脱いで持っていた。…筈なんだけど、あの鳥頭の地獄鴉に追いかけまわされているうちに失くしてしまった。それは蓮子も同じだったはずなんだけど何故かこの相棒は薄着でピンピンしている。

「かえったらゆっくり温まらないと」

「じゃあメリー。一緒に鍋でも食べようよ」

「まぁ、そうね」

「やった。ごちそうになるわね」

「なんでよ」

「だってメリーんちで鍋するでしょ?」

「いやよ、材料もないし」

「じゃあうちにくる?」

「……。うちで鍋にしましょう」

「でしょ?」

 蓮子の家はこの前大掃除をしたけれど酷かった。部屋にあるのはお酒の缶とお茶のペットボトル、栄養ドリンクの瓶にコンビニ弁当のゴミばっかりだった。きっとまたこれらの物が溢れかえっていることだろう。そしたら鍋どころじゃなさそうだし、何より材料がないのは同じのようだし。



「にゃむ…」

「………。はぁ…」

 やっぱりこうなるのね。

 私の家で鍋パーティーを始めて4時間ほど経つと蓮子は完全に酒が回ってダウンしてしまった。箸を握りしめたまま眠りこける蓮子と鍋の残りで作った雑炊を肴にカクテルを呑み続ける。

私は酔いが回るのが遅いので量を呑んでしまい、翌日酷い二日酔いに苛まれるのは目に見えているのだが、この少しずつ酔いが回る感覚だけは止められない。

空のグラスに注ごうとした缶が空なのに今更気がついて取りに立つ。私の好きなBloody

Marys =「ブラディ・メアリー」と蓮子がマイブームだと言って買ってきたCaruso=「カルーソー」を手にして食卓に戻る。

と蓮子が起きていた。

「メリー、アラウンド・ザ・ワールド頂戴~」

「蓮子。マイブームのカルーソーはもういいの?」

「いつものが恋しくなったのよぉ」

「いつもの、ねぇ」

「『血まみれメリー』でもいいわよぉ」

「和訳しないでよ」

「まっかっか~」

 完全に酔っているのにまだ呑むらしい。こんなに呑んでも二日酔いをしたことがないと言うのだから世の中は不平等よね。

 私は「カルーソー」を冷蔵庫に戻し、Around the World=「アラウンド・ザ・ワールド」を持って戻る。すると蓮子は私の「ブラディ・メアリー」を呑みほして眠りこけていた。

 つくづく自由すぎる友人だ。


…。

……。

………。


 目を覚ますと朝の陽ざしが眼に染みた。どうやら私まで酔い潰れてしまったようだ。でもなにかがおかしい。蓮子はキッチンにいるようだった。

「あ、メリー起きた?」

「ん、おはよう蓮子」

「二日酔い?一応おじや作ったけど…」

 わかった、違和感の原因が。蓮子が料理をしていることだ。彼女が私より早く起きることなど殆どないし、彼女が料理をすると謎の暗黒物質が出来上がる。だから人前では蓮子は料理をしない。それなのに今の彼女は私におじやを作ってくれただけでなく、その料理に成功しているのだ。つまりこれは夢。或いは平行世界の内、共通項がずれている世界に来てしまったか。

「ん?食べないの?」

 …。これなら食べられるかもしれない。蓮子がまともなものを錬製することなんてこの先そうそうないだろうから、食べておこうかしら。

「いや、いただくわ」

「そう。じゃあ、あーん」

 …。ここにきてそれ?もしこれが夢ならばそういう願望が…?自分に激しく疑問を持ちながらも食べる。するとそれはどう考えても食べ物の味ではなかった…。


…。

……。

………。


「ぐえぇ、蓮子のばかぁ。そんなの食べ物じゃないぃ~。殺す気なのぉ?」

「………」

 まさかこんな反応が返ってくるとは思わなかった…。メリーが酔い潰れていたから指を口に突っ込んだだけでこんなことを言われるとは…。確かに食べ物じゃないけど…。

「んんぅ。ふぁ?ぁぁぁ?蓮子はみかん?」

「………」

 こんなに寝ぼけたメリーは初めて見るかもしれない。けど、私とみかんを間違えるって…。

 たまにはなにか作ってあげようかな…。おじやとか、消化が良さそうなものを。



「あれ?今日は蓮子さんの方が早いだなんて。どうかしたんですか?」

「今日は待ち合わせじゃないのよ」

「そうなんです?」

「体長崩しちゃったみたいでね」

「大丈夫なんですか?」

「大丈夫でしょう。そういえばマスターは?」

「サクヤさんならちょっと出かけるとかで。いま休業の看板出すところだったんですよ」

「あちゃ、また今度きたほうが?」

「まぁ、お話ぐらいしてってくださいよ。実は暇なんです。私」

「美鈴さんなんかあったの?」

「まぁ、いろいろと…」



そのあと月時計でいろいろ話をした私はメリーの家に向かった。なんかよくわからない黒いものを食べさせてしまったお詫びに胃薬をもって。


Fin



月時計や大学図書館での描写もやってみたいものです。

というか、秘封録に出てくるキャラを使いこなせる様になりたいなぁ。

などと思いつつ。


はやくカクテルが飲める年齢になりたいですなwww

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