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爪の音  作者: 一人旗目
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第20章 あなたは神を信じますか?

『あなたは神を信じますか?』

 突如言われて、答えられる人は何人居ることだろう。

 普通、答えられようはずもない。

 居るかも知れないし居ないかも知れない。

 そもそもこれが普通だ。

 常に用意していた、当たり障りの無い答え。

 居ると明確に言える奴は頭がおかしい。

 しかし、居ないと一概に否定などできないのだ。

 日本人にとっての神など、そういうものだ。

 ところがどっこい、イスラムやキリストの神を信仰する人々は、その答えの為に、時にその命を捨てる事さえためらわないという。

 居るかどうかわからないものに、彼らは命を賭けられるのだ。

 素晴らしい。

 神は素晴らしい。

 でも、居ない物はしょーがないよねえ。

 じゃあさあ、私の前にまず現れてよ。

 奇跡でも起こして、手本を見せてよ。

 できないのに信じろだあ?

 あはははっ、あーっははははははっ!

 ありえないって、マジありえない!

 ぶっちゃけありえなーい!

 救ってよ。

 助けてよ。

 世界なんてどうでもいいから、この私だけを助けて。

 もし助けてくれたら何してもいいよ。

 私にできることならなんだってする。

『カミサマタスケテカミサマタスケテカミサマタスケテカミサマタスケテ』

 ノートに何度書いただろう。

 神様、見てるでしょ?

 現れてよ。

 奇跡、一つ頼むよ。

 一万回書けば現れてくれる?

 足りない?

 百万回書けば?

 足りない?

 じゃあ一兆回?

 書けるかなあ。

 でも、もし現れたらどうしよう?

 チキチキチキチキ

 カッターナイフしか武器が無いなあ。

 チキチキチキチキ

 こんなものでも、頸動脈に今ぶっ刺せば死ぬんだよねえ。

 チキチキチキチキ

 例えば英語教師の熊沢とかさあ。

 チキチキチキチキ

 私をいじめる桂と但野と大宮とかさあ。

 チキチキチキチキ

 私も死ぬよね、こんなちんけなカッターナイフで。

 チキチキチキチキ

 廊下に刺したら学校、死ぬかなあ。

 チキチキチキチキ

 地球に刺したら、人類滅亡?

 チキチキチキチキ

 どうでもいいよ神様、死んじゃえ。

 チキチキチキチキ

 カッターナイフ、カッターナイフ、鳴くよ歌うよカッターナイフ。

 チキチキチキチキ

 あかいあかい、あめがふる。

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