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【癒やし】蒼龍くん物語 〜小さな龍と学ぶ、心を調えるための「禅の智慧」〜  作者: 蒼龍 堅明
第1章:気づきの門(第1〜12話)

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第9話:こだわりを捨てて、もっと自由に。蒼龍くんと「行雲流水」

こんにちは、佐藤堅明です。


「せっかく手に入れた幸せを壊したくない」 そう思って身構えるほど、かえって心は窮屈になり、壊れやすくなってしまうものです。


変わっていく毎日を、どう受け止めていけばいいのか。 今日の蒼龍くんは、川の流れから「しなやかな生き方」を教わります。

「無事是貴人」を学び、「求めるものがなく、心が平穏であること」こそが最高の境地だと悟った蒼龍くん。

彼は、その得難い心の平穏(無事)を、何よりも大切にしたいと強く願うようになりました。


(この穏やかな気持ち、絶対に壊したくない。心を乱すような「事」を起こしてはいけない!)


蒼龍くんは以前、修行を怠けがちでしたが、「無事」の境地を知ってからは、逆に「心が乱れるような変化」を徹底的に嫌うようになりました。

彼は、少しでも予定外のことが起きるのを恐れ、自分の行動を完璧にコントロールしようと努め始めました。


ある日、空を飛ぶ修行を始めると、遠くから強い風が吹いてきました。

蒼龍くんは、その風に身を任せれば楽に進めるにも関わらず、必死に風に逆らいます。

「ダメだ!風に流されたら、僕の意識が乱れる!この平穏な心を保つためには、完全に自分の力で、まっすぐと静かに進まなければならない!」


彼は、風に逆らって飛ぶことに執着し、力を込めすぎたため、呼吸は乱れ、心は焦り、あっという間に疲労困憊で地面に墜落してしまいました。


ドサッと地面に落ちた蒼龍くんは、悔しさで顔を歪ませます。

「なぜだ!最高の修行者になろうと努力し、心も穏やかに保とうとしているのに、なぜ、こんなに苦しいんだ!」


玄龍さまは、そんな蒼龍くんを川辺に連れて行きました。

目の前の川の水は、岩があれば静かに回り込み、窪地があれば優しく溜まり、決してまっすぐでいなければならないと、こだわってはいないように流れています。


玄龍さまは言いました。

「蒼龍よ、おまえは『無事(心が穏やかである状態)』という宝物を手に入れた。だが、今、おまえはその宝物を失うことを恐れるあまり、『変化を許さない』という執着を、また新しく抱え込んでいるのじゃ。」


「『行雲流水こううんりゅうすい』とはのう。空を行く雲のように、形にこだわらず。大地を流れる水のように、逆らわず、とどまらずに生きることじゃ。」

「真の平穏とは、変化のない場所にしがみつくことではない。たとえ荒波が来ようとも、風が吹こうとも、その変化をそのまま受け入れ、それに合わせて進むこと。水が流れを変えるように、雲が形を変えるように、柔軟に対応する心こそが、最も長く平穏を保てる修行なのじゃ。」


蒼龍くんは理解しました。

怠け者だった自分が、努力を始めた結果、「完璧さ」に執着し、そして今は「平穏な状態」という結果に執着していたのです。


彼は、肩の力を抜き、目を閉じて、そっと川の流れに身を横たえました。


川の水は、彼の体を優しく運びます。


計画通りではないけれど、心地よく、そして自然な形で、目的地へと向かっています。

「そうか。変化を恐れず、ただ流れに乗ればいいんだ。最善を尽くすこと(日々是好日)と、流れに逆らわないこと(行雲流水)は、両立できるんだ!」


蒼龍くんは、「自然の流れを尊重し、変化を執着せず受け入れる」ことこそが、真の自由な修行だと悟ったのでした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


行雲こううん流水りゅうすい」。 空をゆく雲に決まった形はなく、流れる水は岩があればしなやかに避けていきます。


私たちは「こうでなければならない」という理想の形に執着して、目の前の変化に抵抗して疲れ果ててしまうことがあります。


自分の最善は尽くしながらも、結果や状況の変化には執着せず、風や水の流れに身を任せてみる。 頑固に踏ん張るのをやめたとき、人生は驚くほどスムーズに、そして軽やかに回り始めるのかもしれません。


次回の蒼龍くんは、あなたの人生は誰のためにあるの?現代人にも通用する大事な事を教えてくれます。

合掌


佐藤堅明


※本作は現在、「曹洞宗 蒼龍寺」のFacebookでも同時連載中ですが、こちらの『なろう』版ではより読みやすく整えてお届けしています。まずはFacebookの最新話に追いつくまで、毎日更新を続けてまいりますので、楽しみにお待ちください。


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