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【癒やし】蒼龍くん物語 〜小さな龍と学ぶ、心を調えるための「禅の智慧」〜  作者: 蒼龍 堅明
第2章:心の修業路・冒険編(第13~24話)

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第23話:最強の武人、暗龍! 蒼龍くんと「一志不退」の激闘

こんにちは、佐藤堅明です。


大切にしていたものを失ったとき、私たちは「もう自分には何もない」と絶望してしまいます。 今日の蒼龍くんを襲ったのは、三鱗龍最強の武人、暗龍の剣。 そして、心の支えだった「初心のノート」の紛失。


全てを失ったように見えたその瞬間、蒼龍くんの心の奥底で、本当の「志」が目を覚まします。

深く静かな一息いっそくで絶望の重圧を跳ね除けた蒼龍くんは、ついに反撃に転じました。 「闇竜、これが僕の本当の呼吸だ!」


驚愕する闇竜の懐へ、蒼龍くんは電光石火の速さで踏み込みました。 迷いを捨てた一撃が闇竜の胸元を貫くと、辺りを覆っていた紫の霧は一気に晴れ渡り、闇竜は霧とともにどこかへ消え去りました。


しかし、一息つく間もなく、背後から凄まじい殺気が迫ります。 「闇竜を倒したか。だが、我が剣はそれほど甘くはないぞ」 現れたのは三鱗龍最後の一人、最強の武人「暗龍あんりゅう」です。


暗龍が放つ鋭い剣閃は、一瞬で蒼龍くんの肩を切り裂きました。 激しい痛みが走り、青い鱗が地面に飛び散ります。さらに、衝撃で「初心のノート」までもが弾き飛ばされ、深い谷底へと落ちていきました。 「……あ、僕のノートが……!」


心の支えを失い、蒼龍くんは絶望の淵に立たされました。体は傷だらけで、足はガクガクと震えています。 「無力だな。その程度の志、ここで捨てて楽になれ。山へ帰り、温かい寝床で震えているがいい」 暗龍の冷徹な声が、折れかかった心に追い打ちをかけます。


(もう、ダメだ……。ノートもなくなった。僕には、もう何もない……) 膝をつき、俯いた蒼龍くんの視界に、一輪の「光の花」が映りました。 それは村を出る時、村の子供がそっとカバンに入れてくれたものでした。


(……違う。ノートがなくても、僕の心に刻んだ誓いは消えていない。みんながくれた「ありがとう」の温かさは、僕の中に生きているんだ!)


蒼龍くんは、全身から溢れ出す光を漲らせ、これまでにない気迫で立ち上がりました。 「『一志不退いっしふたい』! 一度立てた志は、何があっても、たとえ体が壊れても、決して退きはしない!」


一度折れかけ、磨き直されたその「一志」は、もはや暗龍の剣技でも傷つけることはできません。 蒼龍くんは暗龍の攻撃を真っ向から受け流し、渾身の力で拳を突き出しました。 「これが、僕の……僕たちの志だ!」


光り輝く一撃が暗龍を貫くと、最強の武人は「……見事な、不退の心だ……」と静かに呟き、光の中に溶けるように消えていきました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


一志不退いっしふたい」。 一度心に決めたなら、どんな困難が立ち塞がろうとも後退しない。 この言葉は、我々僧侶が修行に入る際にも、最も大切にする覚悟の一つです。


私の修行時代も、心身ともに限界を感じる夜が何度もありました。けれど、その度に「なぜ自分はここにいるのか」という最初の一志を思い出し、自分を支えてきました。


蒼龍くんにとって、ノートは大切な「記録」でした。しかし、それを失ったことで、志は言葉を超え、彼の血肉となって揺るぎない力へと昇華されたのです。


ついに三鱗龍を退けた蒼龍くん。 しかし、戦いの爆風に消えた「初心のノート」の代わりに、彼の胸には今、一点の曇りもない「ある決意」が宿ろうとしています。


次回、第二章「諸国巡礼・冒険編」ついに完結。 魔王・黒龍の待つ暗雲の先を見据え、蒼龍くんが辿り着く「直心」の境地とは――。


合掌

佐藤堅明


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