第17話:怒りでは闇を払えない?蒼龍くんと「結果自然成」の祈り
こんにちは、佐藤堅明です。
「早く結果を出したい」「すぐに問題を解決したい」 焦れば焦るほど、空回りして大切なものを見失ってしまうことがあります。
目の前の敵を倒すことよりも大切なこと。 蒼龍くんは、一輪の枯れた花を通して、宇宙の真理ともいえる「実りの法則」を学びます。
自らの光で暗闇を照らした蒼龍くんは、先ほど助けた子供に案内され、古びた一軒の家を訪ねました。 そこには村の長老たちが集まり、消えそうな蝋燭の火を囲んでいました。
「旅の龍の坊ちゃん、感謝いたします。……この村から光が奪われたのは、一年前のこと。魔王・黒龍の命を受けた『黒龍三鱗龍』の一人、影龍が乗り込んできたのです」 影龍は人々の心から「感謝」の光を奪い、代わりに「諦め」の闇を植え付けることで村を支配していました。
話を聞いた蒼龍くんは、怒りで身を乗り出しました。 「ひどい……。僕が今すぐ、その影龍をなぎ倒してきます!」
しかし、長老は静かに首を横に振りました。 「坊ちゃん、焦ってはいけません。影龍の闇を払うには、この村に古くから伝わる『光の花』を咲かせねばならんのです。この花は、誰かのために尽くす純粋な慈しみの真心を受け取らねば、決して開花しません。つまり坊ちゃんがどんなに強くても、怒りに任せて戦えば、闇はより深まるだけなのです」
蒼龍くんは戸惑いました。一刻を争う時に、庭仕事なんて。 けれど、彼は心を落ち着け、枯れ果てた一輪の花の前に座りました。
(そうだ。僕がイライラしていたら、影龍と同じだ。まずはこの花を、村のみんなを元気づけるために咲かせよう) 雑念を払い、一滴一滴、真心を込めて水を注ぎます。
「『結果自然成』。焦らず、私欲を捨てて今できる最善を積み重ねれば、結果は自ずとついてくる」
するとどうでしょう。 蒼龍くんの清らかな真心を吸い上げた花が、黄金色の光を放ちながらゆっくりと花弁を開き始めたではありませんか。 その光は、村を覆っていた重い霧を、まるで朝日が夜を溶かすように押し返していきました。
「おお……光の花が! 希望が戻ってきたぞ!」 村人たちの瞳に、久しぶりの輝きが戻ります。
しかし、村の裏山から、その光を忌々しく見下ろす影がありました。 「……ほう、光の種をまく者が現れたか。ならば、その希望ごと握り潰してやろう」 三鱗龍の一人、影龍の冷たい声が響きます。
蒼龍くんの前に、ついに「真の強敵」が姿を現そうとしていました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「結果自然成」。 春に種をまき、水をやり、大切に育てれば、秋には自然と実を結ぶ。 当たり前のことのようですが、私たちはつい「種をまいてすぐに実をよこせ」と、結果ばかりを急いでしまいます。
良い結果を求めるなら、まずは「今、ここ」にある種に、どれだけ純粋な真心を込められるか。 蒼龍くんが咲かせた花は、彼の心の純粋さそのものでした。
次回、しかし!その光が強敵・影龍を呼び寄せてしまいます。 蒼龍くん、絶体絶命の危機……!?
合掌
佐藤堅明
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