第16話:闇を払う小さな光。蒼龍くんと「自灯明」の灯火
こんにちは、佐藤堅明です。
周りが暗く、出口が見えないとき、私たちはつい「誰かが助けてくれないか」「どこかに光はないか」と外の世界を探してしまいます。
けれど、本当にあなたを支え、導いてくれるのは、他の誰でもない「あなた自身の心」です。 今日の蒼龍くんは、自分自身が光になるという、究極の自立を学びます。
「一歩」を踏み出し、黒い霧が漂う村へとたどり着いた蒼龍くん。 そこは、黒龍の配下たちによって「希望」という名の光を奪われ、人々がうつむいて暮らす、夜が終わらないような暗い場所でした。
蒼龍くんは村の入り口で、震えている小さな子供に出会いました。 「怖いよ……。光がないと、どこへ歩けばいいのかわからないんだ」
蒼龍くんは玄龍さまから学んだ教えを必死に思い出そうとしました。 しかし、あまりの暗さと、どこからか聞こえる黒龍の配下たちの不気味な笑い声に、彼自身の心も曇り、足がすくんでしまいます。 (僕一人の小さな光で、この大きな暗闇を照らすなんて無理だよ……)
その時、懐のランタンがふわりと揺れたような気がして、玄龍さまの静かな言葉が心に響きました。 「蒼龍よ、外に光を求めるのではない。おまえ自身が灯火となるのじゃ」
蒼龍くんは静かに目を閉じ、ランタンをしっかりと抱えました。 「『自灯明』。自分自身を灯火とし、自分を頼りとして生きること」
他人と比べて自分の小ささを嘆くのではなく、今、自分の心にある「正しいと信じる気持ち」をただ信じる。 そう決意した瞬間、持っていたランタンの光が、まるで蒼龍くんの勇気に呼応するように、パッと力強く輝き始めました。
「見て、怖くないよ。僕が隣にいる。君の心の中にも、きっと消えない光があるはずだよ」
蒼龍くんが放つ温かな光に導かれ、一人、また一人と村の人々が顔を上げ始めました。
その様子を遠くの崖から見つめる、鋭い眼光がありました。 「ふん、小癪な龍め。自らが光となって闇を払うつもりか……」
黒龍の配下、そしてその背後に潜む「悪の組織」の存在が、すぐそこまで迫っていました。しかし、自らを灯火とした蒼龍くんの足取りに、もう迷いはありませんでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「自灯明」。 お釈迦様が亡くなる間際、弟子たちに最後に遺された言葉の一つです。
「自分自身を灯火としなさい。他を頼りにしてはいけません」
それは決して、他人を拒絶するという意味ではありません。 「自分がどう生きるか」の軸を自分の中にしっかり持つことで、どんな暗闇の中でも道を見失わずに歩けるようになる、という慈愛に満ちた励ましなのです。
次回、蒼龍くんの光を見つめる「悪の組織」とは、一体……? 物語はさらに大きく動き始めます。
合掌
佐藤堅明
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