第13話:新章スタート!蒼龍くんと「初心」のノート
こんにちは、佐藤堅明です。
おかげさまで「蒼龍くん物語」も、いよいよ第2章「心の修業路・冒険編」へと突入します!
自分の心と向き合ってきた山での修行を終え、蒼龍くんはついに山を下ります。 これまでは師匠に守られていた彼が、外の世界で何に出会い、どう変わっていくのか。
新しい一歩を踏み出す蒼龍くんの姿を、ぜひ応援しながらお楽しみください。
「本来無一物」の境地を知り、心身ともに軽やかになった蒼龍くんは、ついに玄龍さまから大事な許可をいただきました。
「蒼龍よ、これからは山を下り、広い世界を巡ってきなさい。それがおまえの真の修行となるじゃろう」
蒼龍くんは喜び勇んで旅の準備を始めました。 (外の世界には、きっとすごい冒険が待っているぞ! 今の僕なら、どんなトラブルも解決できるはずだ!)
彼は意気揚々とノートを広げ、まずは「海底に眠る龍の宝」へのルートや、出会うであろう悪党たちをなぎ倒す「必殺技のアイデア」を書き込みました。 「えーと、まずは海へ向かって、そこで困っている人を助けて、感謝されて……」 ピーやキュー、そして玄龍さまに見送られ、ワクワクしながら足取りも軽く歩きだします。
ところが、いざ山を下り始めると、道のりは想像以上に険しいものでした。
途中で道に迷い、お腹は空き、雨まで降ってきました。さらに、今まで学んてきたはずの教えさえ忘れてしまいそうになり、「やっぱり山にいたほうが楽だったかな……」と、弱気な心が顔を出します。
その時、ふと、彼は持ってきたノートの最初のページを見ました。そこには、旅に出ると決めた瞬間の、キラキラした気持ちで書いた文字がありました。 『日々是好日! 世界中の人を笑顔にしたい♪』
(そうだ。旅はまだ始まったばかり。何でもできるつもりになっていたけれど、今の僕はまだ、この一歩を歩むだけの未熟な龍なんだ。)
蒼龍くんは、慢心していた自分を恥じ、再びノートにペンを走らせました。 『初心。どんなに成長しても、初めて踏み出した時の素直な志を忘れないこと』
目を開いた蒼龍くんの瞳には、再び強い光が宿りました。 「よし! まずは目の前のこの道を楽しんで歩こう!」
彼が再び歩き出した時、雲の間から黄金色の朝日が差し込み、これからの長い旅路を優しく照らし出しました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
いよいよ第2章が始まりました! 曹洞宗の本山(永平寺)では、修行を終えて寺を出ることを「乞暇・下山」と言います。そして本当の学びは山を降りた後の「日常」にこそあるのです。
私たちも、新しいことを始めたばかりの時は「何でもできる!」と高揚しますが、いざ壁にぶつかると立ち止まってしまいます。 そんな時、蒼龍くんのように「自分はまだ未熟なんだ」と認めて、最初に決めた「志」を思い出すことが、再び歩き出す力になります。
次回の蒼龍くんは、いよいよ登場!スピンオフで大活躍のあの商人が登場します!
合掌
佐藤堅明
※本作は現在、「曹洞宗 蒼龍寺」のFacebookでも同時連載中ですが、こちらの『なろう』版ではより読みやすく整えてお届けしています。まずはFacebookの最新話に追いつくまで、毎日更新を続けてまいりますので、楽しみにお待ちください。
イイネ!と思ったら下の☆☆☆☆☆をタップして応援お願いします。




