表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【癒やし】蒼龍くん物語 〜小さな龍と学ぶ、心を調えるための「禅の智慧」〜  作者: 蒼龍 堅明
第1章:気づきの門(第1〜12話)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/23

第12話:【第一章終話】教えさえも手放して。蒼龍くんと「本来無一物」

こんにちは、佐藤堅明です。


第1章「気づきの門」、いよいよ今回で最終話となります。


これまでたくさんの大切な言葉を学んできた蒼龍くん。 最後に彼が向き合うのは、「学んだことへの執着」でした。


握りしめていた拳をそっと開いたとき、何が見えるのか。 蒼龍くんの心の成長を、最後まで見守っていただければ幸いです。

「ありのままの自分」でいようと決めた蒼龍くん。

しかし、今度は修行で得た大切な教えを、忘れないように必死に守りたくなってしまいました。


(これまで学んだ教えを、しっかり握っておかなくちゃ!)


ある日、蒼龍くんは険しい崖を登る修行をしていました。

一歩進むたびに「日々是好日、脚下照顧……」と呪文のように唱えていたせいで、目の前の岩に気づかず、派手に転落してしまいます。

「うう、教えを握りしめていたのに、どうして!」


泥だらけの彼の横を風が吹き抜け、玄龍さまが現れました。

「蒼龍よ。おまえの手には何がある?」


蒼龍くんが手を開くと、そこには何もありません。

「何もありません。教えを握っていただけです」


玄龍さまは微笑みました。

「『本来無一物ほんらいむいちもつ』。もともと、心には執着すべきものなど何もない。教えさえも手放しなさい。空っぽの心でいるとき、おまえは何にでもなれるのじゃ」


蒼龍くんは心の拳を緩め、唱えていた言葉さえも風に逃がしてみました。

すると不思議なことに、体から力が抜け、さっきまで重かった崖が、ただの遊び場のように見えてきました。


「そうか。もともと僕には、失うものなんて何もないんだ!」


何にも縛られない空っぽの心になった蒼龍くんは、誰よりも自由な翼で、夕焼けの空へと舞い上がりました。


自由な心で舞い上がった蒼龍くんの目に映ったのは、これまで過ごしてきた穏やかな谷の向こう側、雲海に隠れていた未知の地平線でした。


(この翼で、あの山の向こうへ行ってみたい。学んだ教えを、広い世界で試してみたい……!)


蒼龍くんは、地上で見守る玄龍さまを振り返りました。 師は何も言わず、ただ静かに一度だけ、深くうなずきました。 その眼差しは、蒼龍くんの心に芽生えた小さな決意を、静かに肯定しているようでした。


黄金色に輝く夕焼けの中、蒼龍くんは未知の空を見つめ続けました。 彼の中に、新しい旅への鼓動が静かに、しかし力強く鳴り響き始めていました。


(第一章「気づきの門」 完 / 第二章「心の修行路」へ続く)

第1章「気づきの門」、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。


本来無一物ほんらいむいちもつ」。 私たちは生まれたとき、何も持っていませんでした。


知識も、プライドも、こだわりも、実は後から付け足した「荷物」に過ぎません。 それを一時的に「下ろす」ことができたとき、心には心地よい風が吹き抜けます。


さて、第一章はここで幕を閉じますが、蒼龍くんの物語はここからが本番です。


師匠の元を離れ、未知の世界へ踏み出そうとする蒼龍くん。 第二章「心の修行路」では、新たな出会いと、厳しい試練が彼を待ち受けています。


果たして、彼が手に入れた「空っぽの心」は、外の世界で通用するのでしょうか? 明日19時、第二章の幕開けとなる第13話でお会いしましょう。


合掌


佐藤堅明


※本作は現在、「曹洞宗 蒼龍寺」のFacebookでも同時連載中ですが、こちらの『なろう』版ではより読みやすく整えてお届けしています。まずはFacebookの最新話に追いつくまで、毎日更新を続けてまいりますので、楽しみにお待ちください。


イイネ!と思ったら下の☆☆☆☆☆をタップして応援お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ