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【癒やし】蒼龍くん物語 〜小さな龍と学ぶ、心を調えるための「禅の智慧」〜  作者: 蒼龍 堅明
第1章:気づきの門(第1〜12話)

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第11話:背伸びはやめて、深呼吸。蒼龍くんと「柳緑花紅」の教え

こんにちは、佐藤堅明です。


「もっと立派に見せなきゃ」「周りに合わせなきゃ」 そうやって自分に嘘をつき続けるのは、想像以上にエネルギーを使うものです。


今日の蒼龍くんは、自分を「龍らしく」見せようと必死になりますが、結果はどうやら……。 飾らない自分に戻るための、大切な教えをお届けします。

「主人公」として生きようと決めた蒼龍くんは、いつのまにか気合が入りすぎていました。


(立派な龍の主人公なら、歩き方から威厳がなくっちゃ!)


彼は短い足を無理に伸ばして大股で歩き、肩を持ち上げ、喉を鳴らして低い声で喋り、胸をパンパンに張って、本当は甘い木の実が大好きなのに「龍は苦い薬草を好むものだ」と自分に嘘をついて、無理やり苦い草をムシャムシャと食べました。


しかし、無理をしたせいで足はもつれて派手に転び、喉はガラガラ、おまけに苦い草はやっぱり美味しくありません。


それを見た玄龍さまは、柳の木が揺れる庭で静かに諭しました。

「蒼龍よ。柳は緑色に、花は赤く咲いておる。柳が無理に赤くなろうとしたり、花が柳のふりをして枝を垂らしたりはせぬ。『柳緑花紅りゅうりょくかこう』。ありのままの姿にこそ、真実の美しさが宿るのじゃ。」


それを聞いた蒼龍くんはパンパンに張っていた胸の力を抜いてみました。

そして我慢していた大好きな甘い木の実を一つ頬張ると、いつもの元気な笑顔が戻ってきました。

「そうか!僕は僕のままで、精一杯生きればいいんだ。」


自分を飾るのをやめた蒼龍くんの瞳には、柳の緑も花の赤も、これまでよりずっと輝いて見えました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


柳緑りゅうりょく花紅かこう」。 やなぎみどりに、はなくれないに。当たり前のことのようですが、それぞれが自分の本分をそのままに生きている姿こそが、宇宙の真理であり、最高の美しさであるという教えです。


私たちはつい、隣の誰かを羨んだり、自分ではない何者かになろうとして苦しんでしまいます。


けれど、柳が花になれないように、あなたも他の誰かになる必要はありません。 あなたがあなたらしく、精一杯その命を輝かせている姿が、一番美しいのです。


明日もまた、19時にお会いしましょう。

合掌


佐藤堅明


※本作は現在、「曹洞宗 蒼龍寺」のFacebookでも同時連載中ですが、こちらの『なろう』版ではより読みやすく整えてお届けしています。まずはFacebookの最新話に追いつくまで、毎日更新を続けてまいりますので、楽しみにお待ちください。


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