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第15話 新たな仲間、襲撃

「ここだね、先生がいるのわ」


「一体何の用だろう?」


龍香と悠斗は鏡子に呼ばれ、鏡子の部屋の前に来ていた


「すいません」


龍香は扉をノックする


「入って来て」


二人は部屋に入る


「よく来たわね」


高窓から差し込む夕陽が部屋を暖かいオレンジ色に染めている。鏡子は机の前に立ち、悠斗と龍香が前に並んでいる


「悠斗、龍香、今日は呼び出して悪かったな。紹介したい人がいてな」


「紹介したい人?」


「ええ……入って来て」


小柄な少女が入ってきた


「えっ!!貴方は」


龍香はその少女の姿を見て驚く


「彼女は孔田こうだ里音りおん……私の一番弟子です」


二人は里音に目を向ける。前髪で右眼を隠しながらも、群青色の瞳が悠斗たちを冷静に見据える


「えっ……里音ちゃん!? 久しぶりじゃない!」


里音の名を聞いた途端、龍香は驚きの表情を浮かべる


「……お久しぶりです…龍香さん。相変わらず、元気そうですね」


淡々と答える里音だが、その声に少しだけ親しみの色が混じっている。龍香はにっこりと笑いながら里音に歩み寄る


「ええ、元気いっぱいよ!それにしても……随分と雰囲気変わったわね。前より大人びた感じがする!」


「そうですか? 龍香さんこそ、前と変わらず……いえ、さらにお綺麗になった気がします」


「ありがとう!里音ちゃん!!」


龍香の無邪気な笑顔に、里音は少しだけ眉を緩める


「あの……龍香さんは里音さんと知り合いなんですか?」


会話の輪に入れず、少し戸惑いながら尋ねる悠斗。龍香は振り返りながら、悠斗に親しげに答えた


「うん…里音ちゃんはすごく頭が良くて…一緒に勉強したりしたの」


「そうなんだ……」


「貴方が神楽木悠斗さんですね」


「うん……よろしくね……里音さん」


控えめに一礼する悠斗に、里音は軽く頭を下げる


「こちらこそ、よろしくお願いします……あなたの事は、鏡子先生から聞いていましたから」


淡々とした口調で話す里音に、悠斗は少し緊張した表情を浮かべる。鏡子が軽く咳払いして話を再びまとめ始めた


「さて、再会も挨拶も済んだようだな……これから里音も戦いに加わることになる。頭脳での支援に関しては右に出る者はいないから、困った時は頼るといい」


「里音ちゃんが加わるなんて、心強いわね! これからまた一緒に頑張りましょ!」


「……皆さんの足を引っ張らないように、努力します」


冷静に答える里音だが、その声にはほんの少しの緊張が混じっていた。それを見て、鏡子は小さく微笑む


「じゃあ、私たちは部屋に戻ります」


「ええ…今日はゆっくり休みなさい」


「はい」


そういうと3人は部屋を出ていった


「………」


3人を見送った後、鏡子は一人、考え込む。大きな窓からは荒れ果てた街並みが見える


「(里音をチームに加えることが正解だったのか……まだ分からないわね。でも、彼女の知識と頭脳は確かに必要だ。今の私たちには、少しでも戦力が必要だから)」


鏡子は静かに息を吐き、窓辺に寄る。その瞳は群青色の深みを増し、暗闇に沈む街の向こうを見つめる


「(インデックスの一人をやっと倒すことは出来たけど、まだまだ油断ならないわ)」


鏡子は拳を軽く握り、視線を下ろす。その手には小さな震えがあった


「(この世界を守れるのは私たちだけだ)」


その時、背後からノックの音が聞こえた。鏡子は振り返り、ドアを開けると、部下の一人が立っていた


「鏡子先生、報告です。愛奈さんと鈴音さんですが、負傷箇所の治療にもう少し時間がかかるとのことです」


「そうか……分かった。引き続き、回復に専念させてあげてくれ」


鏡子は静かに頷き、部下を見送る。そして再び窓の外へと視線を戻した


「(例の事も急がないと知れないわね……敵との戦いはこれからが本番だから……里音、修行の成果を見せなさい!!)」





翌日


「久しぶりに、里音ちゃんが一緒パトロールなんて、なんだか懐かしい」


3人は鏡子の指示を受け、指定されたエリアをパトロールするために出発していた


「……こういうのはあまり慣れていませんが、精一杯やります」


軽い足取りで歩きながら、龍香は隣を歩く里音に微笑みかけた。里音は視線を前に向けたまま、静かに頷く


「それにしても、里音ちゃんが修行していたなんて。私、ビックリしちゃった」


「そうなの?」


悠斗が聞く


「うん……里音ちゃんってあまり戦闘が得意じゃないから」


「そうなんだ」


「私も、皆さんの役に立ちたいですから」


「そんな…里音ちゃんにはいつも助けられているから」


「そんなことは……」


「頼りにしてるよ」


「……期待に応えられるよう努力します」


照れながらも3人はパトロールを続ける


「み~つけた」


謎の視線が3人を見つめながら




街の一角。悠斗、龍香、里音の3人がパトロールを進めていると、


「…皆さん」


ふと、里音が立ち止まり、周囲を警戒するように目を細める。


「……誰かが、こちらを見ています。」


「え? 誰もいないように見えるけど……」


「悠斗、油断しちゃダメよ。里音ちゃんの勘は鋭いんだから」


「隠れているのはわかってます!出てきなさい」


「へぇ~よくわかったわね」


現れたのは、黄緑髪のボブカットに明るいエメラルドグリーンの瞳をし、軽やかなワンピースやアクティブなパンツスタイルで風を纏ったような動きやすい服装した小柄の女の子が出てきた


「(なっ!!)」


悠斗はその姿を見て驚く


「女の子?あなたはここで何を?」


龍香が近づくが


「龍香さん!動かないで!」


「え?」


龍香が前に出ようとするのを、里音が冷静に制した


「貴方は…誰です!?」


里音は聞くが


「さあ、誰でしょう……ね!!」


女の子は笑みを浮かべ、右手を振り上げる


「(っ!?まずい!!)」


悠斗が叫ぶ


「皆!伏せろ!!」


悠斗の声に二人はその場に伏せる。その瞬間、3人の頭上を風が通り過ぎた


「悠斗さん、一体……っ!!」


龍香は顔を上げ、悠斗を見ようとしたが、後ろに壁を見て、息を飲んでいた斬られていたのだ。刃物で斬れてたように


「これは……」


「よくわかったね……ご褒美に教えてあげるよ」


そういうと、女の子の姿が、人間から怪人の姿に変わる。スラリとした体型ながら、鋭い動きを連想させる引き締まった筋肉を持つ。全体的にシャープで流線型のフォルムで、昆虫の羽を思わせる半透明のマントを身にまとい、胴体にはスーツ状の装甲が施され、胸にはヴェルデダイヤ団の紋章があり、両腕にはカマキリの鎌を連想させるデザインの腕輪が装備された姿になる


「私は、ザフィロナ!ヴェルデダイヤ団ランク2の翠嵐の刃姫ザフィロナだよ!!」

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