プロローグ
Wall Riran ─。
難攻不落の要塞と言われた壁を超える為に、
その壁の攻略へと挑む戦争とあれば呼ばれ、戦闘に特化した世界の影で暗躍し続ける傭兵の集団がいた。
そんな集団の、とある部隊のお話。
果たして、攻略する事は出来るのだろうか─。
そして─
そんな部隊の運命は、如何に!?
爆発音が絶えず鳴り響く、とある戦場。
数時間前に、強襲作戦を開始した。
だが─。
攻略作戦の途中で突然始まった爆発に、部隊が巻き込まれたのだ。
『敵は、もう!目前だ!!総員!生きてるか!』
隊長と言われた、歴戦の勇士である男が無線に向かって、怒鳴る様に叫ぶ声だけが虚しく響いていた。
『生きている者は、順次応答せよ!!!』
更に、叫び声が響く─。
だが、無線からは何も応答はない。。。
『くそ!ぬかった!』
敵のアジトまでもう、200m程しかない─
敵のアジト目前にして、
敵は居ないであろう場所に、突然爆撃が始まった。
秘密裏に発案された、
敵司令官を暗殺するだけの簡単な任務だった。
………はずだった─。
『誰でも良い!応答せよ!!』
再びその無線に叫ぶも、耳に聞こえるのは風の音のみで、誰からも応答はなかった。
『応答…』
今度は叫ぶ間もなく、付近に落ちたミサイルによる爆発に巻き込まれた。。。
その日、その戦場には
『クーテーブタイ』
と言う謎の組織が、暗躍をしていたのだった。
前線基地─。
『メーデー!メーデー!コチラ、爆撃を……』
前線基地から、無線に怒鳴る様に話し掛けている男が1人。
だが─。
その無線を言い終わる前に、付近の爆発音にかき消された。
なぜだ─!?
こんなはずでは、なかった─
……楽な任務だったはずだ─!
『応答……』
無線の向こうで、誰かが叫ぶ声が聞こえた。
だが、それ以降無線は全く繋がる事はなかった。
前線に出た部隊は、全滅したと言うのか??
バカな─!
我々は最強と謳われ、歴戦の強者しか所属すら許されない、世界に名だたる陸上傭兵事業を行う集団である。
その集団の中でも、トップクラスの戦闘力を持った部隊が攻略に集結した……はずだった。
考える間もなく、爆発音が辺り一面に鳴り響く─。
身をかがめながら、何とか耐えながら、
その様子を見る事しか出来なかった。
辺りを見回す余裕すらなかった─。
逃げようにも、逃げる場所すらない程の絨毯爆撃に晒されていた。
周りの仲間や部下たちは、次々に巻き込まれ─
そして、倒れて行くのをただ、その場から見る事しか出来ない。たとえ、声を掛けても爆撃の音にかき消され、言葉すら聞き取れない状況にあった。
もう、祖国の土は踏めぬかもしれない─
そう男が悟るのに、時間は必要なかった。
倒れて行く仲間や、部下達を構ってなどいられなかった。
だが─。
何とかしてこの地で起きた現状を、
基地で待つ、仲間の誰かに伝えねば。。、
はやる気持ちを抑えながらも、
何とか隙を見つけて、後退しようとした矢先。
男は、付近に落ちたミサイルの爆発に巻き込まれた─。
Wall Riran ─。
難攻不落
と言われた、最強の要塞が、挑む者達を拒み続けていた。
この要塞を、攻略する者は現れるのだろうか─。
戦闘描写が起こり得る作品になります。
苦手な方は、自己責任でお願いします。
書き溜めていた中の、1つになります。
今後の展開を、お楽しみに─。