第2話 あの日、一緒に登校した事。
第2話、です!
どうやって話を繋げるのか悩みつつ……
私の所属している吹奏楽部関連のものを入れたいなと思い、少し長めに話に盛り込ませて頂きました!(尺合わせ要因です。)
吹奏楽部の方なら分かると思いますが、冬は音程が合わなくて大変ですよね〜……
そんなこんなで、今回もありがとうございます!
「ねぇ、圭介、私最近さ〜好きな人出来たんだよねっ!」
「え、誰だよ、教えろよ〜」
「……なーいしょっ」
「ヒントは!?」
「言ったら分かっちゃうし!」
まだ、朝の6時半。冬の寒い空気に包まれて、私達は白い息を吐きながら登校している。
周りに聞こえてしまうような大きな声で、私達は恋バナをしていた。
普段は見れない、君の姿。
マフラーにくるまって火照っているその頬は、いつもの倍以上にいとおしい。
寒いからではなくて、別の意味で頬が火照っている私は、照れ隠しに少し下を向いた。
「急にどうした?具合悪いか?」
「ううん、大丈夫」
そんな君の言葉は、私の本当の気持ちを再確認させるように、私の心をぎゅっと締め付ける。
鼓動は早くなる。余計に顔が赤くなって、顔を手で隠した。
「今日そんなに寒いか?なんか猿みたいだなww」
「笑うなっ!!」
「ごめんてw」
そんな他愛ない話をしている内に、あっという間に学校に着いた。
「圭介、サッカー、頑張ってね!」
「華も吹奏楽頑張れよ〜!」
こうして私達はそれぞれ部活に向かう。
寒かった外の空気に比べて下駄箱の空気はとても暖かく感じた。
上履きを出して、楽器室の鍵を取りに行く。
ふと窓の外を見ると、体育倉庫を開けている圭介が見えた。
(みんな一緒だよね……)
みんなより一足先に楽器室に入り、楽器を取り出す。
トランペットにマッピを差し込んでケースをしまう。
私が練習をしていると、みんながゾロゾロと部活のため学校にやってくる。
私はみんなが来る前のこの時間、1人で楽器を吹いている時間が意外に好きだ。
窓を開けて、サッカー部を応援するように吹く。
この音が、君に届いてるといいなと少し思いながら。