忘れてた
コンコン
…ん?朝か?誰かがドアを叩いている
コンコン
また叩かれた、昨日のナンシーちゃんの件も有ったし、何か急ぎの用事でも出来たかな?
俺は起きだして扉を開け…キュピィーン!
久々というか2回目だが、直感が働いた!…あれ?デジャブ?
前回は暗殺者が襲ってきて死闘をしたんだっけ…ギリギリで勝てて良かった(うろ覚え)
今回はおそらく大金を持っている俺を殺して奪い取ろうとしている盗賊に違いない(断言)
どうする?盗賊なら寝たふりをしていても鍵を開けて入ってくるかもしれない
俺は短剣を取り出し、扉から入った瞬間に打ち取れる位置に配置し、息を殺して待つことにする
どうやら扉の向こうの相手は諦めたらしく、ドアから離れて行った
ふぅ~助かった…何が助かったのだろうか?疑問が有ったが安心したのは確かだ
おそるおそるドアへ近づき、音を立てずにドアを開ける…誰も居ないな、ドアを閉めた
とりあえず何か有ってもすぐに動けるように着替えることにする
顔を洗い目を様ました俺は、この異常事態をマスターに相談するため食堂へ行くことにする
食堂に近づくと、味噌汁の臭いがしてきた…あれ?やっぱりデジャブ?
先ほどから感じる謎の感覚を感じつつ、食堂に入るのだった
「ハニー、おはよ~会いたかった」
「ジェニファー、ハニーのために一生懸命、朝ごはん作ったの、うふっ」
うん、知ってた、実は途中から何となくそうじゃないかなーと何となく思ってたし、実際合ってた
「ハニーどうしたの?ぽんぽんが痛いの?」
「俺は今、物凄く貴様をこの世から排除したいと思っている…何で前と同じネコミミメイドのキモイオッサンなんだよ!」
「前回言ってたケモミミ美少女はどうしたんだよ!! なるんじゃなかったのか?」
「ハニーの目、大丈夫?」
「ここに、こんなに可憐で、守りたくなるほどの、ケモミミ美少女が居るじゃない」
ブチッ!
怒りのゲージをパワーに換え、32hitの連続超必殺コンボををジェニファーに繰り出した
YOU WIN!
「ハニー酷いわ、しくしくしく…」
「当然のことをしただけだ」
でも、全くダメージを受けている様子は見られなかった…恐るべし、ジェニファー
いや、俺のSTRが低いだけかもしれんが…
「朝飯食うから出してくれ」
「はいは~い、待っててね」
そう言ってスキップしながらキッチンへ入って行った、やはりダメージは無いみたいだ
「おまちどうさま~」
どれどれ、今日の朝飯は、マグロのネギトロ丼とあおさの味噌汁だ、朝から豪華だな
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【マックロのネギトロ丼】
品質:A
効果:HP回復+5
ご飯に、マックロの骨の隙間の肉をこそげ落としたものに、完璧ネギを刻んだものを掛けたもの
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【わかさの味噌汁】
品質:A
効果:HP回復+5
海で捕れる海藻の一種、刻んで煮込んだ後で、東方の調味料の味噌を使って作ったスープである
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「これを溶いてから掛けて食べてね」
お、ワサビと塩魚汁か、この世界にワサビって有ったんだな
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【わっさbee】
品質C
効果:解毒作用
解毒ポーションの材料になる植物、綺麗な水の所に生えている、食べると辛い
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お、これって解毒ポーションの材料なんだ、そのうち手に入れられたら良いな
それにしても、某ゲームの丸い機体が言いそうな名前だな、それにわっさわっさと生えているイメージも…
しかし、こんな内陸にも拘らず、海魚が生で食えるって謎過ぎる
マスターがそうだったし、聞いても答えてくれないんだろうな
まあいい、まずは飯だ、小皿にワサビを少し多めに入れて、塩魚汁で溶いてからネギトロに掛ける
パクリ…旨っ!これ、これだよ、ワサビのツーンとした香りが鼻を抜ける感覚、やべぇ、やばすぎる、旨~!!
ガツガツガツ…一気に食ってしまった
次はあおさじゃなくて、わかさの味噌汁だ、わかさって何だ?振り向かないことなんだろうか?なら次に来るのは愛だな(謎)
まずは汁をひとすすり…口いっぱいの磯の香りが懐かしい、こっちも旨い、あぁ幸せだ
ずずっ~ぱくぱく、ごっくん、ふぅ~
「ごちそうさまでした」
思わず丁寧語になってしまった、旨いは正義である
「おそまつさまでした。
それで、宿は更新で良いのかしら?」
「おう、それで良いぞ?」
「それじゃあ、今回は9日分のエール代だから、そこから宿代を引いて、銀貨5枚と銅貨5枚の支払いね、はい、ど~ぞ♪」
「いや、手を握って渡すな! そこに置けよ…ったく。
んじゃ、支払いも済んだし、氷作ったら、出かけてくるわ」
「ちょっと待って!」
「ん?」
ジェニファーが何やら石を持ってきた、どうするのか見ていたら
石同士を合わせて、カチカチと火花を出して叩く、これって時代劇とかに出てきたアレか?
「気を付けて行ってらっしゃい♪」
「切り火?この世界にもそんな風習有るんだな」
ふと、ジェニファーを見るとジーっとこちらを見ている、だが見た目はマスターだキモイ
「何だ?」
ジェニファーは首を左右に振った
「何でもない、お仕事頑張ってね」
そう言って奥へ行ってしまった、何か思う所が無い訳では無いが、聞いても答えてくれない気がする
仕方が無いので氷を作って、ギルドへ向かうことにした
相変わらず、セリフだけ見るとそうでもないが、筋肉隆々でスキンヘッドなマスターだと想像すると…