時間管理依頼
時間の管理上、水時計の管理を6時間に修正しました。
ご迷惑をおかけします。
やってきたのは街の中央にある時間塔だ
結構高いな、100mは無いかな、70mくらいかな?
しかし、こんな世界にこんな高い塔を建てられる技術って有るんだな、耐震とかってどうなっているんだろう?
そーいやこの世界に来てから地震って経験したこと無かったな、地震が無いから石を積むだけでも大丈夫だとか?
まぁ、俺が塔を作るとかじゃないし、どうでも良いか
塔の入り口には誰も居ない、替わりに伝声管っぽい物が有るな、もしかしてこれに声を掛ければ良いんだろうか?
蓋を開けて、問いかけてみる
「すいませ~ん、冒険者ギルドから依頼を受けて来ました」
アニメとかで使っているのを見たことが有ったが、これで良いんだろうか?間違ってたら恥ずかしい
すると伝声管から声が聞こえてきた
「すいませんが、塔の上まで上がってきてもらえますか?入り口は開いていますので」
「わかりました」
伝声管の蓋をして、入り口の扉を開けるとすんなりと空いた、中は階段が有るだけで、螺旋状に伸びていた
「うへぇ~こいつを登らないと行けないのか、仕方ないか」
折角だから段数を数えて上ることにする
「1,2,3,4、5…」
結構上ったがまだある
「…246、247、248、249、250!」
ふむ、1段30cmくらいとして、30×250=7500だから、約75mって所か、だいたい合ってたのは、さすがは俺だ
さてと依頼者はっと、あそこに居る女性だろうか?とりあえず行ってみる
「すいません~冒険者ギルドから来たものなんですが」
「ようこそいらっしゃいました、ここの管理人をしている、ジルと申します」
「冒険者のハルです、宜しくお願いします」
「ハルさんは時間の管理で来られたと言うことで間違い無いでしょうか?」
「はい、その依頼で来ています」
「わかりました。それでは仕事の説明をさせて頂きます。
仕事自体は簡単なので緊張しなくても大丈夫ですよ。
仕事の開始は、次の時間からとして、それまでにどういうことをするか説明しますね」
「はい、お願いします」
ジルさんから時間の説明を受けた
今まで時計を見たことが無かったからどうやって時間を決めていたのか知らなかったが、時間を管理する物は、この街にはここにしかないそうだ
実際その装置を見て納得した、この世界の時間は水の水位で計っていたからだ
水時計って知っているだろうか?水を流すと箱に水が溜まり、矢が浮くことで時間を計る装置の事だ、ここにはそれの大型版が有った
違うのは矢の代わりに旗だったが、それが2つある、どうやら1つで6時間らしい
仕組みは単純で上のタンクに栓をした状態で水を入れ、栓を抜くと時間が開始される、旗には6本の線が刻んでおり、1メモリ増えることに1時間らしい
時間になったら鐘を鳴らすのが仕事だ
片方の装置を使っている間に、もう一つの装置のタンクに水を入れ、準備をしておく
そして、使用している装置が6時間経ったら装置を交換し、終わった装置の水くみ作業に移るを繰り返す
単純だが、それなりに大がかりなため、ここにしか無いってことらしい
まぁ、確かに個人で使うには管理とか無理があるよな
「以上で説明が終わりですが、何か質問は有りますでしょうか?」
「いえ、大丈夫です」
「もう少しで時間になります、今回は私が鐘を鳴らしますので、次からはハルさんがやってください」
「わかりました」
少し待つと、メモリが丁度線の所に来た
すると、ジルさんが鐘を鳴らす紐を引く、今は10の時間なので10回鳴らす
「これで終わりっと、では申し訳ありませんが、私は席を外させてもらいます。
水と鐘の管理をしっかりとやってくださいね、鐘は多少のズレならば問題ありませんが、大きくずれると困る方もいますので、間違わないでくださいね。
それでは宜しくお願いします」
そう言ってジルさんは塔を降りて行った
「よし、まずは確認だ、今丁度4のメモリなので、次の時間では鐘を鳴らすだけだ。
その次の時間になったら、装置を交換したら、鐘を鳴らす。
鳴らした後は、交換した装置へ水くみをして待機、後はメモリごとの鐘さえ忘れないようする。
確かに単純な仕事だが、他の作業をすると、忘れたり遅れる可能性があるし、ずっとメモリを見ていないといけないな。
眠くならないように気を付けないとな」
俺はじーっとメモリを見て、時間になれば、鐘を鳴らし、6メモリになったら交換し、水くみと頑張った
「やっと7時間経ったか、あと5時間も有るのか~
ずっと見続けなきゃならないってのは、刺身にタンポポを乗せる仕事よりキツイかもしれん、やったことは無いけど…
やばい、少し眠くなってきてしまった」
俺は立って監視するに変更した、これで少しマシだろう
「…10時間完了…あと2時間…ね、眠い…」
俺はスクワットをしたり、歩いたり気分を変えながら頑張った
「…1…2…時間…お、終わった~」
だが、ジルさんは帰ってこない、どうすれば良いんだろうか?
完了印を貰わないと仕事が終わったことにならないし、俺が居なくなると時間が分からないと困る人もいると思われる
仕方がない、ジルさんが来るまでは頑張るとするか
「…もう15時間過ぎたんだけど…」
水は魔法で対応できたから良いが、飯が無い、お腹が減った…早く来てくれ
「ごるあぁぁ~~!もう20時間だぞ!」
眠くて辛いのは間違いないんだが、体が若くなっていて助かった、40代の体だったら徹夜は辛いんだぞ?
「結局24時間経ってしまった…どうすれば良いんだよ(涙)」
とりあえず鐘を鳴らす、鳴らし終えて次の時間のための待機をしようとしたところで、ジルさんが帰ってきた
「お疲れ様~問題なく出来たみたいですね、助かりました」
俺は眠いのもあるが、何も言わず、不機嫌な態度で依頼書をジルさんに出した
「あ、終了印だね、どれどれ…ん?あれ?12の時間!?え?」
ジルさんは凄く焦った表情で俺の顔と依頼書を見ている
「ハ、ハルさん、ごめんなさい!
私、依頼内容を勘違いしていました」
「時間が分からなくなると困る人も居ると思ったので頑張りました。
で、どうすんですか?」
「時間につきましては、本当に助かりました。
今回の件はこちらの不手際です。
冒険者ギルドの方へは、こちらから謝罪しておきます。
報酬の方にも色を付けさせていただきますので、許してもらえないでしょうか?」
「眠くて頭が働かないので、もうそれでいいです。
終了印をお願いします」
「は、はい」
俺は終了印を貰い、そのまま塔を出て行った
何かジルさんが言っている様な気がするが、眠くて頭に入ってこない、無視することにする
冒険者ギルドへ到着した俺は、ナタリーさんの所に行き報告することにする
「次のかたどうぞ~」
「ナタリーさん依頼が終わりましたので報告です」
依頼書を提示する
「あれ?ハル様の依頼は12時間でしたよね?
昨日は何か有ったのですか?」
「向こうの手違いで1日やらされました、眠いんで、申し訳ありませんが処理してもらっても良いですか?」
「あ、はい、すぐに対応します。
えーっと、依頼の銀貨1枚です、おそらく後で何かあると思いますが、今は報酬の金額を支払っておきます」
「わかりました」
俺は銀貨1枚を受け取り、財布に仕舞い、帰ることにする
ナタリーさんが何か言っていたが、頭に入ってこない、ごめん、限界なので帰ります
「マスターただ~
手違いで今まで仕事してた、眠いから寝る」
「飯はどうする?」
「いらん、じゃーな」
部屋に戻り、ベットにダイブ…ぐぅ
この世界の時間の管理はどのような物かなと思って書いてみました。
ある意味説明回です。
それにしても、時間を管理する所が、時間を守ってないって、…




