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中級HPポーションを教えてもらった


「また出たな!シ〇ッカー!!

 や、やめろ!貴様が何をしようとしているのか分かっているのか!?

 合コンで、から揚げにレモンを掛けるなんて、戦争が起きるぞ!!

 今ならまだ間に合う、その物騒な物を仕舞うんだ!

 うわああああぁぁ~~~!!」


ガバッ!


「…あれ?レモン?何だっけ?」


よく覚えてはいないが、世界が平和になり、みんなが笑顔で生活している夢だったような気がする

おはようございます


今日は休みだ!自由だ!シャバの空気が旨い!今なら空も飛べるかもしれない!いや、飛ばんけど…

日本に居るときは、ネット見て、DVD見て、ゲームしてと1日中ダラダラ出来たんだが

こっちの世界だと娯楽が無い、かと言っても、昼間っから酒を飲むのもアレだし、どうすっかな

ウィンドウショッピングしながらブラブラするのも良いし、新しいものに挑戦してみるのもいいし、街中で新しい発見を探してみるのも良いかもしれない

まぁ、飯食ってから考えるか


「ますたーはよ~」


「こんな時間に珍しいな、今日は休みか?」


「まーね、朝食食べるから持ってきてくれ」


「席について待ってろ」


俺は席に座り、のんびりと待つことにする

実際は、のんびりする前に朝食が来たんだけどな…


「ほら、朝飯だ」


「んーさんきゅー そうだ、マスターさぁ」


「なんだ」


「どこかに遊べる所とかって有る?」


「遊べるところか…そうだな、商業地区の7番街にでも行ってみたらどうだ?」


「そこって何が有るん?」


「行けばわかる」


「じゃあ楽しみにしておくか」


さて、今日の朝飯は、グラノーラとサラダとミルクだ、またダイエット食品か

マスターは何を思ってこれを出しているんだろうか?

冒険者みたいな体力勝負な職業に、これって物足りないと思うんだが、もしかすると追加料金でおかずを増やしているんだろうか?


「なぁ、マスターよ、追加料金を出すと1品増えるとかって有るのか?」


「何だ、追加して欲しいのか?一応あるぞ」


「今日は別にかまわないが、普段だったら物足りないなと思ってさ、ちなみにどんなのが有るんだ?」


「単品料理なら、そこに有るメニューに書いて有るぞ?」


「なになに、牛ステーキなら銅貨2枚、チキンソテーなら銅貨1枚と鉄貨5枚、ベーコンエッグなら銅貨1枚、サラダは鉄貨5枚か…

 他にも色々と書いてあるな、なるほど納得した」


「後は在庫と値段と相談って所だ」


「まぁ、欲しいときは声掛けるよ」


「それじゃ、俺は仕事に戻る。食ったらそのままで良いぞ」


「了解~」


俺は朝飯を食べることにした、やっぱり手抜き感を感じるが、この世界では手の込んだ料理だ

味はまぁ、それなりに旨かったけどね


「ごっそーさん」


食事を終えた俺は、例の如く地下室へ向かい、今日の分のノルマを済ませ、外出することにした

さっそくマスターから教えてもらった所に行っても良いんだが、まずは聞きたいことも有ったし、久しぶりに師匠の所へ行ってみることにした


師匠の所に到着し、扉を開ける


「ちわ~三河屋です!

 ご依頼の品をお届けに参りました~」


「おや、良い所に来た、手伝いな!」


「あ、はい」


相変わらずの師匠である

でも、出来ればボケに対し、ツッコんで欲しいと思うのは、決して悪いことでは無いと思う

とにかく作業を手伝うことにする

もう、慣れた作業だ、言われなくても次にすることが分かるので、対応する

作業が終了し、師匠が声を掛けてきた


「それで、三河屋さんは、何を持ってきてくれたんかい?

 支払いは飴ちゃんで良いかい?」


「今更言われても、このネタは賞味期限過ぎてるから、返す言葉も無い…

 でも、飴ちゃんは貰う」


「なんだい、だらしないねぇ~

 それで、何しに来たんだい?」


「今日は休みにしたから暇だってのもあるが、この前気になる依頼が有ったから相談しに来た」


「暇なら後で、手伝ってもらおうかね、イーッヒッヒッヒッ

 で、相談したい依頼ってどんなのじゃ?」


「あ、ああ、この前、新しくHPポーション改が出来たじゃんか。

 それの納品依頼が有ったんだが、どうも怪しくてな、だって1本が金貨1枚もするんだぞ?」


「ふむ、なるほどの、それはハルのせいでは無いかな?」


「え?俺のせい?何で?」


「そりゃあ、HPポーション改は、今の所ハルしか作れんじゃろ?

 どこでも良いが、納品をしているのか?」


「…あっ、なるほど。

 需要に対して供給が無いから、高くても欲しいってことか」


「そう言うことになるの」


「じゃあ、依頼を受けても問題ない?」


「おそらく大丈夫じゃろう、第一ギルドで納品者の名前は出さんじゃろうし」


「そっか、なら今度その依頼を受けてみるわ」


「ちなみに、ハルよ、HPポーション改は何本持っとる?」


「えっと、ちょっと待って、1,2,3…37本かな」


「ふむ、ハルよ、何本か譲ってくれんか?」


「いいぞ、何本欲しい?」


「そうじゃの、当面は5本も有れば十分かの」


俺はHPポーション改を5本ほど取り出し、師匠に譲った


「すまんの。

 料金は通常の買取でも構わんか?」


「いらんいらん、それは師匠にやるよ。

 師匠から金を取ろうと思わんが、どうしてもって言うならこの前のレシピ本の代金とでもしてくれ」


「…そうか、じゃあありがたく貰っておく。

 せっかく来たんじゃ、薬草の乾燥でも頼もうかね、暇なんじゃろ?」


「へいへい、精いっぱい頑張らせてもらいます」


俺はひたすら乾燥を行うのだった、しっかしこんなに一杯、有る所には有るもんだな


「師匠って何処から薬草を調達してくるんだ?

 こちとら薬草採取で頑張ってるんだが、最近不足気味なんだよね」


「なんじゃ、ハルは自分で採ってきているのか、薬草ならギルドで買えるぞ?

 ちなみに、だんぽぽ草なら1束で鉄貨2枚だ、状態が悪いものなら安いが、お勧めはしないぞ」


「納品依頼の倍の値段か、それでもポーション代金から考えると、かなりお得だな。

 それに、師匠がそう言うなら意味は有るんだろうし、状態の悪い薬草は使わないようにするわ」


「それがいい。

 必ず有るとは限らないが、一応、他の薬草も取り扱ってるぞ?

 値段は、どの薬草でも納品代の倍の値段じゃな。

 どうしても欲しい場合は、依頼を出してみるのも良いじゃろう」


「良いことを聞いた、今度買ってくるとしよう。

 …よし、乾燥全部終わったぞ」


「お疲れさま、それでどうする?何か作ってみるか?」


「そうだ師匠!俺、調合のレベルが4になったんだが、中級HPポーションって作れるか?」


「もう4まで上がったんか、ずいぶん頑張っているみたいじゃな。

 そうじゃな、4だったら挑戦してみても良いじゃろ」


「宜しくお願いします」


「中級HPポーションの材料はHPポーションの材料にこいつを追加する」


----------------------------------

【毒堕観草】

品質D

効果:なし

中級HPポーションの材料になる草、少量の毒を持つ

----------------------------------


「えっ?毒?」


「そうじゃ、こいつはそのままだと毒が有る、服毒すると何処までも気分が堕ちる感覚に陥る、まぁ死ぬことは無いがな」


気分が堕ちるって、躁鬱の薬か?相手のやる気を無くすなら武器に塗るとかすると、使えそうだな


「じゃがキチンと処理をすれば薬にもなる、やり方はこうじゃ。

 こいつは葉身も葉脈も関係ないから楽で良い、この重さの分量に切り分ける」


天秤を使って、しっかりと量った


「そして、こいつを聖水の中に入れ、火にかける、沸騰したら塩を入れるぞ、塩の量はこのサジ1個分じゃ」


聖水に入れ、火にかける、葉っぱの色が聖水に溶けだした所で沸騰したので、塩を入れた、すると聖水の色が緑から青に変わった


「よし、そしたら火を止め、冷ます」


時間短縮のためにフリージングを使う、沸騰したのからだったので、常温の水まで下がった


「おや、前に使った魔法と違うみたいだね、こっちの魔法の方が効率が良さそうだ」


「そりゃあ、前の強力版って所だし」


「まあいい、早いに越したことはない、そしたらこの聖水を使って、HPポーションを作れば中級HPポーションの出来上がりじゃ」


「え?そんな単純なもんなの?これなら前に作っても出来そうだが」


「実はの、詳しいことは分かってないんじゃが、調合のレベルが4以上無い者が作っても、必ず失敗するんじゃよ。

 失敗で出来た物は、何の効果も無い苦い水になる」


「へぇ~なんとも不思議なことも有るもんだ、まぁ4になったことだし、どうでもいいか。

 あ、もしかすると、上級を作るのも同じく、レベルに関係するのか?」


「そうじゃ、上級ポーションを作りたかったら、調合のレベルを7以上まで上げることだ」


「うへぇ~やっぱりそうなるのか…ま、地道に頑張るわ。

 とりあえず残りを仕上げちゃうとしますか」


ここからは慣れた作業だ、ちゃっちゃと作ることにする

で、完成した中級HPポーションはこちら


----------------------------------

【中級HPポーション】

品質:B

効果:HP回復+50

飲むと体力が回復する

----------------------------------


なかなか効果の高い物が出来た、世の中にはこんなにHPが高い人も居るんだな、いや俺が低いだけか、まだレベル2だしな

ふと思ったことが有る、聖魔力水で作るとやっぱり効果は倍なのか?実験してみるか


「師匠、もう1本作っても良いか?」


「ん?別に構わんぞ?」


了解を得られたので試してみる、カバンから聖魔力水の瓶を取り出し鍋に開ける


「あぁ、なるほどの、やってみる価値はありそうだ」


教えてもらった手順をしっかり守り、中級HPポーションを作り上げた

で、完成した中級HPポーションはこちら


----------------------------------

【中級HPポーション改】

品質:B

効果:HP回復+100

飲むと体力が回復する

----------------------------------


やっぱり効果が倍になった


「どうじゃ?」


「HPポーション改と同じく、効果が倍になった、HPが100回復する」


「やっぱりか、そうなると、おそらく中級HPポーション+だと75回復するじゃろうな。

 ちなみに中級HPポーションの売値は金貨1枚じゃ、おそらく中級HPポーション改は金貨4枚になるじゃろうな」


「すげー!これを沢山作ったら一気に大金持ちになりそうじゃね?」


「世の中そんなに甘くないぞ、さっきも需要と供給の話をしたじゃろ?毒堕観草じゃがめったに手に入らん、だいたい週に1つじゃ。

 上級の薬草なんかもっと酷いぞ?月に1つ見つかれば良い方じゃ、その代わり白金貨1枚で売れるがの、イーッヒッヒッヒッ」


「そっか、残念、そう上手くは行かないか…

 さてと、用事も済んだことだし、そろそろ行くかな、でもその前にポーション瓶を売ってくれ」


「そうかい、ポーション瓶と、それと中級HPポーションは持っていきな、中級HPポーション改は薬剤ギルドに持っていくから渡せないが、それでも良いかい?」


「全然問題ないぞ、ってかポーション瓶だけじゃなくて中級HPポーション貰っても良いのか?」


「そのくらいなら問題ない、持っていきな」


「サンキュー師匠。じゃあ行くわ、またそのうち来るわ」


「あぁ、またおいで」


師匠はにこやかに見送ってくれた

俺は師匠の店から出て、聖水を汲みに教会に行くことにした


実際、ドクダミ草に毒はありません

漢方薬としても優秀です

雑草だけど…

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