久々の冒険者ギルド
すいません、色々と検討した結果、冒険者ランクと取扱いを変更しました。
申し訳ありません。
久々と言っても6日ぶりだが、冒険者ギルドに到着した
ギルド内は丁度ピーク時だったらしく、混雑していた
「(前略)冒険者ギルドよ!私は帰ってきた!!」
何人かに変な目で見られたが、気にしないことにする…
あ、ナタリーさんも見ていた…こちらは変な目と言うよりは、なんか驚いた顔をしている、大声を出したからだろうか?
また迷惑を掛けてしまったのかもしれない、報告ついでに謝っておこう、と言うことで、ナタリーさんの列に並ぶことにする
「つ、次の方どうぞ…」
何かいつもと雰囲気が違う気がする…しかも泣きそうな顔をしているぞ、何か嫌われるようなことをしてしまったのだろうか?
嫌われたために、嫌々対応をしなくては行けないために、泣きそうになっているのかもしれない、地味にショックだ…
まぁ、並んでしまったのはしょうがない、向こうも仕事と割り切ってもらおう、とりあえず報告することにする
「ナタリーさん、こんばんは。
下水道の清掃作業が終わったので、報告に来ました。
後、先ほどは大声を出してすいませんでした」
そう言って、依頼表とカードを提示する
「ハル様、無事だったんですね。
危険な仕事では無いにも拘わらず、ここ数日も報告が無かったので、心配していました」
どうやら泣きそうだったのは、何日も音沙汰なしで、心配を掛けたせいだった
大声については特に言われなかったので問題無いのかもしれない、触れないことにする
「すいませんでした、キリが良い所まで仕事してしまったので、時間が掛かってしまいました。
次からは定期的に報告するようにします」
「いえ、日程が決まっている仕事では無いので、報告する義務は無いのですが、そう言って頂けると、こちらとしても助かります。ありがとうございます」
「そんな、俺が悪いだけで、お礼を言われるようなことは無いですよ。
こちらこそ、すいません」
「では、処理をしてしまいますね。
え~っと、下水道の清掃で、完了距離が…え? ええっ! 1km!? 100mじゃなくて1km?
こほん…すいません、取り乱しました。
それでは、ハル様の依頼完了が1kmでしたので、金貨10枚になります、お確かめ下さい」
「はい、問題ありません」
金貨が10枚、キチンと有ることを確認し、財布に仕舞った
「それで、ハル様ですが、今回の依頼完了でランクアップの条件を満たしました。
手続きをしますので、少々お待ちください」
ナタリーさんが奥に行き、少しすると戻ってきた
「こちらがハル様の新しいカードになります」
渡されたカードは銅っぽいカードだった
「おめでとうございます、今日からハル様は、銅ランクとなります」
「と言うことは、俺も見習いを脱出出来たってこと?」
「そうですね、これからは下級冒険者として頑張ってください」
「はい、頑張ります!
でも、さすがに少し頑張り過ぎたので、明日は休みにします」
「わかりました、明日はゆっくりと休んで下さいね。
それでは、私、ナタリーが承りました。
またのご利用をお待ちしております」
俺は、ふとギルドに登録した頃のことを思い出した
そう言えば、あの頃のナタリーさんはツンツンしていたな、今は普通に話せるようになったし、笑顔で応援もしてくれるようになった
これってナタリーさんに信用されたってことになるんだろうか?そうだったら良いな…
俺はそんなことを考えながら窓口から離れると、冒険者から声を掛けられた
「君、すまんが、ちょっと来てくれないか」
有無を言わさず、壁の方に連れていかれた、そして、そこにはクリストさんが居た
あ、何で連れてこられたか、言われなくても分かってしまった俺がいる
「ナタリーさんの件ですよね?」
「そうだ、坊主、ナタリーを悲しませるようなことをしたのか?」
「えーっと、簡単な依頼だったにも関わらず、報告が遅くなってしまい、何か有ったのではと、心配されました」
「何の依頼だ?」
「下水道の清掃です、ちなみに6日間やりました」
「がっはっはっはっ、そうかそうか、下水道掃除か、そりゃ報告にも来れないわな。
しかも、6日間もやるたぁ~坊主も変わったヤツだな。
そりゃあ、心配もされるわ、俺だったら1日もやりたくないわ」
「分かって頂ければ、それで帰っても良いですか?」
「ああ、悪かったな、坊主も気を付けろよ?危うく自慢の斧が血を求めそうになったぞ?
がっはっはっはっ」
笑いごとじゃないんだが…ファンを怒らせると何が有るか分かったもんじゃないな
まぁ、何にせよ無事に終わったみたいなので帰るとする
宿屋に到着し、腹も減ってはいたが、後回しにすると忘れてしまうだろうし、先に氷を作りに行くことにする
「マスターただま~、飯食う前に氷作っちゃおうと思うけど、大丈夫か?」
ここ数日ずっとマスターの臭いチェックが入り、問題ないことを確認できてから入ることにしていたからだ
「今日も大丈夫だ、宜しく頼む」
「はいよ」
俺は地下室へ行き、せっせと氷を作るのだった
「終わった~腹減った~
ナンシーちゃん、夕食とエールをぷりーず」
「は~い、ただいま」
空いている席に座り、夕食を待つことにする
「お待ちどうさま~夕食とエールになります~
あれ? 何かハルさん、機嫌が良いみたいですけれど、何か有ったんですか?」
とりあえずエールの代金を払い、質問に答えることにする
「ん?ああ、実は今日で例の清掃作業が終わったんだよ。
お金が入ったってのもあるけれど、これで、ナンシーちゃんにも臭いと言われる心配が無くなったのが嬉しい。
後は、明日はお休みにする予定だからってのも有るかな?」
「私、臭いなんて言いましたか?」
「言った言った、すげー言った、地味に傷つくくらいに言った」
「え~言ってませんってば」
「ホント、都合が良い頭してるよね…」
「それが私の取り柄ですから♪」
「…まあいいけどね」
「それでは、ごゆっくりどうぞ~」
そう言ってナンシーちゃんは仕事に戻って行った
さてと、夕食を食べるとするか、今日のメニューは、パンとチキンのソテー、サラダと野菜ジュースだ
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【チキンのソテー】
品質:B
効果:HP回復+2
ケッコー鳥のむね肉に塩コショウを振り、オルーブ油で皮がパリパリになるまで焼いた物
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どれどれ、パクリ…旨っ!
胡椒のピリリとした刺激と塩のしょっぱさが、噛むと肉汁が溢れてジューシーな胸肉とパリパリの皮と合わさっていて旨い!
これはエールにピッタリだ、食べる、飲む、また食べる、飲む、最高~!!
あっという間にエールが空になってしまった、今日は少し飲み足りない気分だ、明日は休みだし、お替りしても良いかもしれない
「ナンシーちゃん、エールのお替りぷりーず!」
「はいはい~」
エールを待つ内に、サラダを…ん?いつものフレンチっぽい白ではなくて、茶色?いや、塩魚汁か?
と言うことは、この前言っていたドレッシングが完成したのかもしれない
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【サラダ】
品質:B
効果:HP回復+1
トゥメイトゥとレトゥース、ドコーンをドレッシングで和えたもの
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鑑定結果は特に変わった内容は無かった、では味はどうか?
パクリ…こ、これは!!正に和風ドレッシングの味だ!旨し!
和風ドレッシングなら、大根のサラダが食いたい!今度マスターに言ってみよう、ドレッシングも作ってくれたんだ、聞いてくれるだろう
サラダを堪能していると、お替りのエールが運ばれてきた
「お待ちどうさま~
ハルさん今日は珍しくエールお替りなんですね」
追加したエールの代金を払う
「たまにはね、でも、さすがに2杯以上は飲まないけれどね」
「まぁ、お酒は飲み過ぎるのも良くないですからね~
ほどほどが一番です、まぁ、他のお客様には沢山飲んで貢いでくれれば良いですけどね。
それではごゆっくりどうぞ~」
黒い、黒いよナンシーちゃん…
まぁ、俺も似たようなこと言ったことあるけどさ、たまに思うが、ナンシーちゃんと俺は、案外同類な人間なのかもしれない…
さて、お替りのために残していたソテーとエールを交互に食べ、飲む、さすがに1杯目ほどの旨さは減ったが、それでもやっぱり旨かった
最後に野菜ジュースで〆て食事が終わった
「ごっそーさん」
部屋に戻り、ここ数日の仕事から解放された俺は、酔っぱらっているのも有るし、思いっきり寝ることにする
おやすみなさい…ぐぅ
小金もちになりました
1週間で100万円か…うらやましい