表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/554

清掃依頼 1

下水道なので食事中の方は注意!


やってきたのは処理場だ、まずはここで説明を受けるそうだ

事務所らしき場所に行き、声を掛けることにする


「たのも~」


「はい、何でしょうか?」


対応してくれた人は優しそうな中年の男性だ


「冒険者ギルドの清掃依頼で来たのですが」


「あぁ、冒険者さんでしたか、最近清掃していただける人が減ってしまっていたので、凄く助かります、ありがとうございます」


ずいぶん丁寧で感じが良い人だな、正に転生前で社会人だった俺みたいな人だな、うん


「いえ、仕事ですから、なので作業の詳細を教えてください」


「わかりました、それでは仕事の説明を致します。

 仕事の内容は簡単です、そちらの扉を開くと階段が有りますので、そこを降りると下水道に入ることができます。

 階段を下りた場所を始点として10m毎に清掃が完了すれば、その距離に応じた料金をお支払い致します。

 清掃の手段は特に問いません、道具が必要であれば、ここにある物を使用して構いません。

 仕事を終わりにする場合は、私に声を掛けて頂ければ、査定させて頂きます。

 何かご質問は有りますでしょうか?」


「終点って何処になるのでしょうか?」


「終点はここから南へ10kmほどありまして、そこには鉄格子が有るため、分かると思います」


「わかりました、何か質問が有れば、その時に聞くことにします」


「特に時間の制限とかは無いので、時間配分はそちらにお任せ致します。

 それでは宜しくお願いします」


ふかぶかと頭を下げてくれた、どこかの執事とは違うな、何処のとは言わんが


よし、まずは作成行動を指示する

ハル隊員は退路の確保を優先させろ!

ハル隊員は確保された退路を使用し、資材の搬入を行う!

次に、ハル隊員は搬入された資材を所定の位置に配置し待機!

最後にハル隊員は搬入された資材を使って清掃を行う、以上だ

お前たちの命は俺が預かる!

ヒトマルマルマルより、地下下水道の清掃作戦を開始する!


まずは退路の確保のため、扉を開けることにする

うっ!…この時点で生ごみや、う〇こ等の色々な匂いが混ざったような匂いがする…

こん中に入って掃除せねばならないのか…人気が無いのも頷ける

さすがに、このまま入るのはちょっと嫌なので、一度扉を閉めて道具を確認してみる


お、ツナギみたいな服があるじゃないか、自分の服に匂いが付くのも嫌なので着替えることにする

こっちはタオルサイズの布か、マスク代わりに口に巻けば多少はましかもしれん

何枚か有ったので、頭にも巻いておく

皮手袋と皮長靴があった、さすがにゴム製品なんて物は無いか、着用する

見た目は物凄く怪しいが、汚れる物だし、見る人も居ない、気にしないことにする


次に清掃道具を見るとブラシ、ほうき、ゴミを集める熊手、バールのようなものだ、え?バールなんか使うのか?

有るんだから使うんだろうな、とりあえず全部持っていくことにする

他には無かったのでこれで終了らしい


再び扉を開ける、布を巻いているため、さっきに比べると多少マシになったので、入ることにする

階段を下りた先は…腐海の世界だった


「なんじゃこりゃあぁぁぁ~~~!!」


壁一面にびっしりと、不気味な色をした得体の知らないドロドロした物質がくっ付いていた

試しにブラシを使ってドロドロしたものを落としてみると中から白い塊が出てきた

この塊はブラシでこすっても取れない…あ、なるほど、ここでバールを使うんだと納得

何度か塊を叩くとボロッと白い塊が取れた、ここまでやってようやく下水道の壁が見えたのだった


幸いだったのは2mの高さまでしかドロドロのが無かったことくらいか、天井までこれだったらと思うとゾッとする

…もしかすると、場合によっては、ここまで水位が上がるってことなのか!?俺は違う意味でもゾッとした

多少の水位の変化にも敏感に対応することを、心に誓うのだった

ドロドロをブラシでこすり、白い塊が見えたらバールで叩くを繰り返すこと1時間くらい行い、1mほど進むことが出来た


「1時間でこれだけしか進まなかったか、この調子で10mと言うと10時間も掛かるじゃんか、割に合わ…いや、銀貨1枚なら妥当なのか?

 でも、もっと効率よく清掃すれば短縮できそうな気もしないでもないが、う~ん、バールは後回しにしてブラシだけ先に10mやっちゃうか?

 ちまちまやるより、なんかその方が良い感じがしてきた」


なので、俺はブラシをこするのに専念することにした、持ち替える必要がないし、ドロドロを落とすだけはそれほど大変じゃないため、10mのドロドロを2時間で落とすことが出来た

次にバールに持ち替え、白い塊を取って行くことにする、ブラシでは取れないが、バールで叩くと意外と簡単に取れる、でも、取れる範囲が小さいから結構大変だ、それでも3時間で終わらせることが出来た


「疲れた~!!休憩も無しにやっちまったぜ!

 でも、なんとか最低のノルマはクリアできた、ここで終わりにしても依頼は達成だ。

 …ここって、この街を維持するには必要な所なんだよな…明日も頑張ってみようかな。

 うし、そうと決まったら今日の分は報告して帰ろう!」


事務所に向かい、男性に報告をする


「なんとか10mの清掃をすることができました。

 ただ、明日もやろうと思うんですが、大丈夫でしょうか?」


「明日もやって頂けるんですか?

 それは凄く有りがたい話なのですが、この仕事は辛いですよね、大丈夫ですか?」


「そうですね、もう臭くて、大変でした。

 でも、街の生活に必要な物と考えたら、もう少し頑張ってみようかと思って」


「…ありがとうございます」


「一つだけ、お願いしたいことが有るんですが」


「なんでしょうか?」


「体の匂いを取る方法を教えてください」


体を洗うしか無いそうで、タライとお湯をくれたので体を洗い、さっぱりした所で帰ることにする

宿屋に着いて中に入ると、いつもの賑やかな声が聞えてきた


「あれ?今日はジェニファーの日だから客はいないと思ったんだが…」


ちょうど良いタイミングでナンシーちゃんが出てきた


「ナンシーちゃん、ただいま」


「あ、ハルさん、おかえ…臭っ!!ハルさん何か臭います!」


「今日、下水道の掃除してたからその匂いかも、これでもしっかりと洗ったんだけどなぁ…

 それよりも、ナンシーちゃんは今日は休みなんじゃないの?」


「わたひも最初はそう言われていたんでひゅが、理由がマふターのアレでふよね?

 もともと知っていたのも有りまふが、わたひは気にしないから、だいしょうぶって言ったので、今日も働いてまふ。

 それよりも、ハルはん、すいませんが、食堂は入場禁止にさせて頂きまふ。

 食事はお部屋に持って行ってあげまふから、今日は部屋で引きこもっていてくださいね。

 理由は分かりまふよね?」


あ、般若がいる…鼻を抑えながらだから微妙に怖くないが

俺は断ることも出来ずに頷くしかなかった


「最後に一つだけ、何で今日、混んでるの?」


「例のおはけの魅力が、マふターのアレの恐怖より上回ったからしゃあないですか?

 はいはい、それひゃ部屋に行っててくだはいね」


追い出されてしまった、仕方がないので部屋に行くことにする

少しすると、コンコンと扉をたたく音がしたので、扉を開けるとナンシーちゃんが居た、もちろん鼻を抑えた状態だ


「ハルはん、食事をおもひしまひた、しっかり換気しておひてくらはいね」


「すいませんでした」


食事を渡したナンシーちゃんは、即座に逃げて行った


「くんくん…そんなに臭いかなぁ…」


仕方が無いので、窓を開け、空気を取り入れる

あんな環境で働いたおかげで、あまりお腹は空いていないんだよなぁ…あ、昼飯も食ってないや

お昼は前に貰ったと同じおにぎりと、夕食はご飯に肉じゃが、冷奴と味噌汁だ、相変わらずジェニファーの飯は悔しいが、美味そうだ


----------------------------------

【肉シャガ】

品質:B

効果:HP回復+2

シャガイモ、丸ネギ、キュロット、ミノタウロスの肉を油でいため、だし汁を注ぎ、塩魚汁、むりん、酒、砂糖で味付けし煮込んだもの

----------------------------------


パクリ…旨い…あぁ、おふくろの味と言ってもいいんじゃないかな、やさしい味だ、決してジェニファーを思い浮かべてはいけない、不味くなる

他のは一度食べたことがあるので省略しておく、旨さについては文句はなかった

最後にお昼の食べそこなった、おにぎりを食べるのはキツかったが、せっかく頂いた物だ、頑張って食べた…げふっ!

ごちそうさまでした


○○先生、石鹸が欲しいです…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ