清掃依頼を受けてみた
グロ注意です。
お食事中の方は特に注意かも。
「魔王め!世界の半分なんかじゃ俺の心を揺るがすことは出来ん!
俺は世界の平和と人々の幸せのために、魔王、お前を倒す!覚悟しろ!
なん…だと!?魔王!貴様の正体とは、ネコミミ少女…だ…と!?
お嬢!あっしはあなた様の僕っす、どんなことでもするんで命令してくだせぇ~
あ、お足を舐めれば良いんっすね、喜んで!!」
ガバッ!
「…ネコミミは?あれ?何だっけ?」
最近、よく夢を見るようになった
何か不吉なことが起こる前触れでなければ良いのだが…
覚えていないのだが、愛する者を守る戦いをしている夢だったような気がする
おはようございます
今日は特に予定は無いが、ギルドに行って依頼でも受けてみようと思う
気になる依頼が無ければ、いつものパターンで行くとしよう
まずは、朝食の前に氷室の確認に行くことにする
「マスターはよ…ん?」
「ハニーおはよう♪
はい、お目覚めのチュ~~」
「でたああぁぁぁあ~~~~!!!」
忘れてた、今日はジェニファーの日だった、昨日まではしっかり覚えていたハズなのに…
油断している所に、このダメージは大きすぎる、あやうく即死するところだった…
「もう、何よ失礼ね、ぷんぷん」
「いや、寝起きにジェニファーは駄目だろ!
逆に、寛大な俺に感謝する方が正しい」
「ジェニファーは、こんなにもハニーを愛しているのに、悲しい」
「や・め・ろ!
俺は貴様に対し、感謝することは有っても、愛することは絶対にない!絶対にだ!
ただし、ケモミミ美少女になったら考えてやらなくもない、まぁ有り得んがな」
「ぶぅ~!
覚えておきなさい、とびっきりのケモミミ美少女になってやるから」
「なれるもんなら、なってみやがれっ!
まあいい、マスターとの約束で氷室の氷を作らなきゃならん、入って良いか?」
「もちろん、いいわよ~
その前に、はいこれ、昨日の代金と、一昨日の分ね、どうもマスターも忘れていたみたい」
「そう言えば氷室作るのに集中したから忘れたな」
俺はお金を受け取り、財布に仕舞った
「後、宿屋の更新どうする?また泊ってくれると、ジェニファー嬉しい!」
「お前の都合は知らん、でも、更新はする。
ジェニファーの日で払えば忘れないと思うし、10日分たのむわ」
俺は銀貨8枚を渡した
「ハニー!!ハニーは、私達の愛の生活のために私に貢いでくれるのね!!感激で失神しちゃいそう!」
「宿を借りている対価だ、貢いでいない。
失神するなら勝手にしろ、ついでにそのまま死んどけ」
「もう、ハニーのいけずぅ~」
「とりあえず地下室入るぞ?」
「いいわよ~」
俺は地下室に入り、氷の確認をする、溶け具合はだいたい6割程度くらいって所か
もともと冷えているのも有って、フリージングを2回掛けるだけで済んだ
これなら夜1、朝1じゃなくても、朝2で十分かもしれない、MPと相談しながら対応することにする
今日は客が来るか分からんが、一応今日の分のエールだけは冷やしておく、しかし、いつの間に3日分用意したんだか
「終わったぞ、朝食食べるから持ってきてくれ」
「は~い、ハニー待っててね、すぐ持っていくから」
俺は食堂へ行き、朝食を待つことにする
「おまちどうさま~」
ジェニファーが朝食を持ってきた、今日のメニューは、ご飯に納豆、シシャモと報連相のおひたし、味噌汁だ
おぉ!納豆って有るんだ、関西圏の人って苦手な人が多いって聞くから、きっと異世界でも苦手な人も多いと思う
つーか知らない人が見たら腐った食べ物にしか思えないよな、ちなみに俺は大好物だ
納豆だけでご飯はもちろんのこと、単なるオヤツとして、そのまま食べることも有るくらい好きである
今回の納豆は粒がしっかりした納豆だった、ひきわり納豆も悪くは無いが、どちらかと言うと粒の納豆の方が好みである
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【ウォータードアー納豆】
品質:B
効果:HP回復+1、MP回復+1
ダイツを茹でた後に納豆菌による発酵をしたもの
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ウォータードアー?水の扉の納豆、いや戸か?そうか!水戸納豆だ!
日本でも水戸納豆は有名な納豆だったな、なんか納得した
まあ、他にも秋田とかにも有名な納豆が有ったし、意外かもしれないが上品なイメージの有る京都にも旨い納豆があったな
他にも色々お勧めしたい納豆も在るが、紹介するには時間が足りない、省略させてもらうことにする、非常に残念だ
ここで食べる納豆は塩で食べるみたいだ、通の人は塩で食えと言うが、別に醤油でも良いと思う、拘りは特に無い
ただ、塩で食べると強い粘りと、豆の甘みが増す感じがするから、これはこれで好きなのは間違いない
個人的には刻み葱を乗せ、醤油で食べるのが好きなんだが、異論は認める、納豆を食べる方法は自由だ
ただし、形が無くなるまで混ぜるのだけは認めん!世界の99.9%の人が認めたとしても、俺は絶対認めん!あれは納豆ではない!納豆への冒涜だ!
納豆は混ぜれば混ぜるほどグルタミン酸が増えて旨いと言われるが、良くは知らん、試す気にもならん、数回混ぜて味が行き渡れば十分だと思う
何か納豆について熱くなってしまったが、食べることにする、塩魚汁を借りるのも良いが、今回は塩で食べることにする
塩をパラパラと掛け、混ぜる、右回りに10回、左回りに10回、俺にはこれで充分だ、粘りも十分に出ているしな
納豆をご飯に乗せてっと、いざ!
パクリ…旨い…それ以外の言葉は必要ない、その言葉だけで充分だ
以前から不思議に思っているのだが、納豆だけで食べる、納豆をご飯に乗せて食べる、納豆を少量を口に入れご飯を掻き込む
同じ納豆のはずなのに、食べ方を変えると味も変わる、特に後ろの2つは、同じ納豆とご飯なのに味が違う、謎である
まぁ、どの食べ方も甲乙が付けられない美味さだから、その時の気分で変えて食べる、今回は乗せるタイプだ、最高である
納豆を食べた後は、味噌汁を食べることにする
何故、納豆の次に味噌汁なのかと言うと、味噌汁のアミノ酸が納豆のネバネバを分解して洗い流してくれるからだ
嘘だと言うなら試してみると良い、お勧めする
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【豆腐となめるこの味噌汁】
品質:A
効果:HP回復+5
ダイツから作られる豆腐と、なめるこ、アボシから取った出汁、東方の調味料の味噌を使って作ったスープである
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なめこと豆腐の味噌汁か、なめこじゃなくて、なめるこか、きのこのなめるこ…いや、何でも無い忘れてくれ
やっぱり味噌汁は旨いな、なめこのぬるぬる感がつるんと口の中を滑るように入るのが楽しいし、旨い
次にシシャモだが
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【カッペリンの焼き魚】
品質:B
効果:HP回復+1
回遊魚の一種冷たい海に生息、それを焼いたもの
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カッペって田舎言葉っぽいな、それにしてもシシャモじゃなかったんか、でも味はシシャモだな、まあ旨いから良いけど
どうせなら酒のつまみで食べたかった、朝から飲むつもりはないけどね
あぁ、マヨネーズに七味をまぶしたものを付けて食べたい…
言ったら用意してくれそうな気もするが、後が怖いので辞めておこう
報連相のおひたしは以前食べたものと同じだ、説明は省略しておく
「ごっそーさん」
席を立ち、外へ出ようとしたらジェニファーが声を掛けてきた
「ハニー、はい、お弁当♪」
「ありがたく貰っておく、でも、行ってらっしゃいのチューはしないぞ?」
「ぶーぶー横暴だ~!!」
「じゃあ行ってくる」
何か言っていたが無視をして出発することにした
冒険者ギルドに到着したのだが、なんだかいつもと雰囲気が違うみたいだ
ざわついているのは何時もの事だが、依頼を受けるのにざわついている訳じゃないみたいだ
お、あそこに居るのはクリストさんだ、よし、彼に聞いてみることにしよう
「クリストさん、こんにちは」
「ん?なんだ、坊主じゃないか、ファンクラブに入る決心がついたのか?」
「そちらの話は、今の所間に合ってますんで」
「そうか、残念だ」
「何か騒がしいみたいですが、何か有ったんですか?」
「ああ、何か王都のオークションに20年ぶりに『命の木の実』が出品されたんだとよ。
俺たちみたいな命を懸ける冒険者にとっては、喉から手が出るくらい欲しい物だからな。
それでみんな騒いでいたって訳だ、まぁ俺たちレベルの冒険者じゃ無理なのは分かってはいるんだけどな」
「そうだったんですね、ありがとうございます」
「なに、良いってことよ。
坊主もそういった物を手に入れられる様な冒険者になれるよう、頑張んな。
後、ファンクラブの件も忘れんなよ」
「はい、頑張ります」
「おう、じゃあな」
クリストさんが手を振って向こうの方へ歩いてい行った
ん?何気なく移動したみたいに見えたが、どうやらナタリーさんが良く見えるポイントに移動しただけっぽい
ある意味、ファンの鏡なのかもしれない…ストーカとも言うけどな(汗)
それにしてもオークションに『命の木の実』が出品ってことは、ゴードンさんが出品したんだろうな
王都に行くって言ってたし、タイミング的にも、それっぽい気がする
是非、良い値段で売れることを祈っておこう
それにしても王都か、いつかは行ってみたいもんだ、まぁ、行くだけなら行けるのかもしれんが、特に用事も無いしなぁ
お金に余裕が出来たら考えてみても良いかもしれない、なら仕事でもしてお金を稼ぐとしよう
俺は掲示板へ行ってみることにする
今日はオークションの話題で盛り上がっているためか、掲示板はガラガラだ、じっくり良い依頼を探すとする
…ん?なんか地雷っぽい依頼があるな
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【HPポーション改の納品】
目的 :新HPポーションの研究のため、HPポーション改の納品を求む
期限 :なし
成功報酬:(金貨1枚)
依頼失敗:依頼放棄、調達失敗
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単に納品だけで済むなら値段が高いし悪くない依頼かもしれないが、
ギルドに納品してそれを購入すれば良いと思うんだが、わざわざ依頼にするには訳がありそうだ
折角師匠が庇ってくれるのに自分から表に出るのもアレだし、一度師匠に相談してみても良いかもしれない
他の依頼は…これなんか良いかもしれない
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【下水道の清掃】
目的 :メインストリート地下にある下水道の清掃
期限 :なし
成功報酬:(10m毎に銀貨1枚)
依頼失敗:依頼放棄
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まぁ、この前の草刈りみたいな罠があるかもしれないし、窓口で確認してみることにする
ナタリーさんの窓口に並ぶ
「次の方どうぞ~」
「ナタリーさん、こんにちは」
「ハル様、こんにちは。
今日はどうしましたか?」
「今日はこの依頼を受けてみようと思うのですが、詳細を教えてください」
「畏まりました、こちらの依頼ですね、少々お待ちください」
ナタリーさんが依頼の詳細が掛かれている本、辞典?を開き、確認をしている
「お待たせしました、この依頼ですが、ハル様はアルデの街の下水がどうなっているか、ご存知でしょうか?」
「分からないです」
「各家庭には下水用の管がありまして、それが集まり、最終的にはメインストリートの地下にある大きな下水道に繋がっています。
そしてその下水道は処理場へ送られ、浄化してから川に流す仕組みになっています」
「へぇ~凄いんですね、確かに道とか綺麗でしたし、汚い水とか見たことなかったのは、そう言う理由だったんですね」
実際凄いと思う、中世ヨーロッパってその辺りの衛生管理って無かったハズ
糞尿は道端に捨ててあったりして、それを踏まないようにハイヒールが発明されたとか
あまりにも酷い衛生だったので、ペストとかハンセン病とか流行った記憶がある
と言うことは、前にも疑問に思ったが、この世界は中世じゃなく近代ヨーロッパで間違いないと思う
「はい、この街の自慢の施設の1つです、ただ、定期的に清掃をしないと、詰まってしまい、水が流れなくなってしまうんです」
「なるほど、それでこの依頼なんですね」
「そうなります、それで、今回の依頼の下水道ですが、直径3mの管が10kmほどあります。
今回の依頼では10m毎に達成金が発生しますので、全部やる必要はありませんが、10mに達しなかった場合は依頼失敗となり、評価の低下と罰則金が発生します。
決して無理な依頼では無いのですが、下水道のため、何より匂いはキツイので、あまり人気のない依頼になります。
いかがいたしましょうか?」
んーどうしたもんだろう?下水道の状態が分からないから何とも言えないが、金額は悪くない
もし、全部清掃が出来たのならば、金貨100枚か…魔法で何とかなれば美味しいかもしれん
もし無理だったとしても、最低10mやれば依頼失敗にはならないし、試してみるのも良いかもしれない
「わかりました、依頼受けることにします」
「わかりました、カードの提示をお願いします」
俺がカードを渡すと、カードを機械に通し、受付作業を行う
「はい、受付完了しました、カードをお返しします。
ナタリーが受付しました。
ハル様、頑張ってくださいね」
カードを受け取り、ナタリーさんの応援を貰って元気が出た俺は、依頼を受けに行くことにした
納豆最高!