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今朝の結果は

ストックが切れました、少し更新頻度を下げます。ごめんなさい


宿に着いたが、夕食にはかなり早すぎる時間である

だが、朝の結果が知りたかったので食堂に向かうことにした

ちょうどシフトに入ったばかりだったナンシーちゃんが居たので声をかけることにする


「ナンシーちゃん、例のエールを1杯貰える?」


「ハルさん、こんな真昼間からお酒ですか?

 そんなことしてると、ダメな大人になっちゃいますよ?」


うっせーこっちは40過ぎてるオッサンだ!とは言えない今日この頃です

まぁ、目的は違う所に有るため、素直に言うことにする


「違う違う、今朝の氷室の実験結果が知りたいだけだって」


「氷室ですか?良く分りませんが本当ですか~?」


ナンシーちゃんはジト目だ…ご褒美である


「マスターに言えば分かるから」


「わかりました、少々お待ちくださいね」


そう言ってナンシーちゃんはキッチンへ入って行った

するとマスターが食堂の方へやってきた


「おう、坊主帰ったか、ほれ」


コト…マスターが試飲用のグラスをテーブルに置いた


「…これ小っちゃくね?」


「確認なんだろ?だったらこれでも十分だろ?」


マスターがニヤついている、ワザとだな、ちくしょー!

だが、酒には罪は無いので試飲することにする

一口で終わってしまったが、冷やしたばかりと思われる冷たさだった


「お、マスターこれ成功じゃね?」


「ああ、これなら問題ない」


「ちなみに氷の状態は?」


「坊主が言っていた通り、思った以上に溶けて無くてな、あの調子なら3日くらいなら持ちそうだ」


「ふむ、それなら氷は朝か夜に凍らせて、エールは納品後に一度冷やせば行けそうだな。

 いや、氷だけでも十分なのか?」


ふと、マスターが気まずそうな顔をしていた


「なんだよ、マスター、何か有ったん?」


「実はな、俺もそう思って、1樽試してみたんだ。

 冷えることは冷えるんだが、どうしても時間が掛かってしまう、朝から置いても、夜、客に出すにはまだ足りない。

 おそらく明日の夜なら問題なさそうだが、時間がかかりすぎるのが問題だな」


「そうか?俺的にはそれで充分だと思うけどね。

 別に毎日飲む分だけ冷やす必要なんか無いじゃん、エールって別に2,3、日で腐ったりしないだろ?

 だったら、3日分を氷室に入れて、3分の1づつ出して、新たに追加したものを3日目に出すようにすれば解決じゃね?

 3日分にしたのは、何か有った時に追加で出せるようにしておけば、いざって時にも使えるしね。

 まぁ、初日の分だけはエールも冷やす必要はあると思うが」


マスターは驚いた顔をしていた


「坊主は凄いことを思いつくんだな、まったく思いつかなかったぞ」


「え?こんなの小学生でも思いつくじゃんかよ」


「しょうがくせい?何だそれは」


「あ、いや、こっちの話だ忘れてくれ」


つい言ってしまったが、意味が通じない言葉もあるし、気を付けないとな

とは言いつつ、結構言ってる気もしなくも無いが…(汗)

それにしても、マスターって、もしかすると結構頭が悪い?

給仕の件もそうだし、少し考えれば分かるような気もするんだけどなぁ…

それとも、この世界ではこれが普通なんだろうか?


「よし、これでエールの件は何とかなりそうだな。

 坊主には出来るなら毎日、最悪でも2日に1回は、氷を作ってもらいたいが、大丈夫か?」


「そうだな、ハッキリ大丈夫だとは言えないが、朝に1回、夜は余裕があれば1回掛けるなら行けるかな。

 ただ、俺も冒険者だから、数日空ける時もあるだろうし、場合によっては街を出る可能性もある。

 そうなっても良いならやるけど?」


「ああ、それで十分だ、宜しく頼む」


「ま、こっちも金を貰ってるし、頑張りますよっと。

 それでマスターよ、試飲じゃなくて普通にエールが飲みたいんだが?

 ついでに夕食も一緒によろ~」


「わかった、後、今日のエールはおごりだ、ちょっと待ってろ」


マスターはキッチンに入って行った

少しすると、今度はナンシーちゃんが夕食を持って出てきた


「お待ちどう様です~、本日の夕食とエールです♪」


「お、来た来た、ありり~」


「いえいえ、それにマスターから聞きましたけれど、今日からエールの販売が時間に関係なくなりました。

 今までと違って、一気に注文することも無くなるので、良かったです」


「あはははっ、確かにあれは大変そうだった。

 見ていて気の毒に思っていたよ」


「そうですよ~、元を言えば原因はハルさんですからね!

 まぁ、おかげで給料も増えたので、その点は良かったですけどね~

 それではごゆっくりどうぞ~」


「おう、そっちも頑張れよ」


ナンシーちゃんがキッチンへ帰って行ったので、夕食を食べることにする

まずは折角冷えたエールなので飲むことにする

ごきゅ…ごきゅ…ごきゅ…ぷはぁ~!!

くううぅぅ~~~!!コレ、コレだよ、このキンキンに冷えているからこその旨さだよ、最高~!!

もっと贅沢を言えばビールが飲みたい、エールも悪くないんだが、ビールの炭酸と苦さが恋しい、どこかでビールが飲めないだろうか…

俺がエールを堪能していると、仕事が終わった二人組の客が入ってきた


「お、兄ちゃん、もうエール飲んでるのか?

 今だったら、まだ温いエールだろ?もう少し待てば旨いエールが飲めるぞ?」


「いえ、何か今日から時間関係なしに飲めるみたいだけど?」


「何!本当か!ナンシーちゃん、俺たちにもエールくれ!

 後、簡単に摘めるものも頼む」


「は~い、ただいまお持ちします~

 あと、ハルさん、勝手に言わないでください、それに時間関係なしじゃないですよ、売切れたら終わりです」


「がはははっ、そりゃそうだ、兄ちゃんも早く飲まないと無くなるぞ?」


「いや、俺たち3人で飲み切れる量じゃないと思うんだが…

 それに俺は1杯で充分だから、オッサンが頑張って俺の分まで飲んでくれ」


「おう、任せとけ!」


オッサンとやりとりしてると、次々と客が入ってきて、先ほどと同じやりとりを繰り返した

みんな喜んでエールを頼み始め、食堂はすっかりにぎやかになってしまった


俺はようやく一息付くことが出来、食べそびれてすっかり冷めてしまった夕食を食べることにする

今日のメニューは、パンにステーキとサラダだ、でも冷めている(涙)

ステーキはやっぱりアツアツじゃないと美味しくないよな、某ファミレスでも加熱用のボッチがついてるくらいだし

そうだ!折角覚えたスチームオーブンの魔法を掛けてみたらどうだろう?試してみることにする


「スチームオーブン!」ボソッ


また魔法がバレると面倒なことになるかもしれない、こっそりと使う、周りはエールに夢中で気が付かない、もちろんマスターも居ない、完璧だ

徐々に肉が熱せられたのか湯気が出てきた。良い感じになったみたいだな、よし、食うぞ!


…確かに熱々に温まったし、ふんわりと柔らかい肉にはなったが、水蒸気で油が落ちて肉もサッパリだし、ついでに香辛料味も落ちて味もサッパリだ

調理時に使うには良いかもしれんが、温めには向かないのかもしれない…いや、それとも俺の魔法が悪いのか?

日本に居るときに、機械のオーブンレンジで温めた時は、こんな感じじゃなかったんだけどなぁ(悩)

味気ないステーキを片付け、サラダを食べて部屋に戻ろうとした所で、新しい客が食堂に入ってきた


「やったぁ~今日は間に合ったみたい」


あれは確か受付嬢のリリアさん


「そうみたいですね、あっ…ハルさん、こんばんは」


続けて入ってきたのは、ナタリーさんだった


「ナタリーさん、こんばんは。

 偶然ですね、今日はこちらでお食事ですか?」


「いえ、噂になっているエールを飲もうって、リリアに誘われたんです」


「あぁ、なるほど。

 俺はもう終わったので、良かったら、こちらの席をどうぞ」


俺は席を譲ろうと立ち上がろうとしたら


「ハル君さ、折角だし一緒に飲もうよ」


「ちょ、ちょっとリリア、ハルさんに失礼ですよ」


なんとリリアさんが誘ってきた

うーん、夕食も食べ終わっちゃったし、お腹いっぱいなんだけどな

ちらっとナタリーさんを見ると、何か期待している様な目で見ている


「い、一杯だけなら、お付き合いしましょうか?」


「やったぁ~ハル君、話わっかる~」


「そんな、ご迷惑では?リリアのことは、気にしなくても良いですよ?」


そんなこと言っているナタリーさんだが、嬉しそうな顔をしている


「大丈夫です、折角美人さん達と飲めるのに、ここで帰ったら勿体ないじゃないですか。

 ただ、すでにお腹いっぱいなので、最初の1杯だけなのが申し訳ありませんが」


「ハル君って女たらしって言われたことない?」


「えっ?な、無いですよ?」


こちとら年齢=彼女無しの童〇だ、そんなことある訳がない(涙)


「ふ~ん、どうだか。

 まあいいや、じゃあ注文するよ、すいませ~ん、エール3杯お願いします~」


「は~い、すぐにお持ちします~」


ナンシーちゃんがエールを取りにキッチンへ入って行き、すぐにエールを持ってきた


「お待たせしました~

 ハルさん、この前の彼女さんだけじゃ足りなくて、もう一人追加ですかぁ~

 若いって良いですね~、頑張ってください」


エールを置き、また爆弾を残して行くのだった

ナンシーちゃん、君は俺を堕とし入れて楽しんでいるのではなかろうか?

俺は潔白だ!紳士だ!…いや、暗黒変態紳士だった…orz


「やっぱり女たらしじゃん」


「もういいよ、それで…」


「冗談はさておき、ハル君と出会えたことを祝って、かんぱーい!!」


「「かんぱーい」」


ゴクゴクゴク…やっぱりお腹が一杯なのもあって、1杯目ほどの旨さは無いな

ふと、二人を見ると、コクコクと美味しそうに飲んでいる、女性ってお酒も可愛く飲むんだな


「凄い~!冷たくて美味しい~」


「本当に美味しいですね、こんなの初めて飲みました」


どうやら大好評みたいだ


「ここって、料理もお良いですけれど、お酒も美味しいとなれば、ますます繁盛しそうですね」


「そうだね~、でも、あの日も混むのかな?

 そう言えば明日がその日じゃない?

 でも、このエールが飲めるとなると、客は沢山来るかもしれないね」


どうやらジェニファーの日は知れ渡っているようだ、確かにあの日はガラガラだったな…明日はどうなることやら


「そう言えば、さっきの給仕さんが、この前の彼女って言ってたけど、どういうことなのかなかなぁ~?」


「いえ、それは、ただ、ここでハルさんとたまたま会って、席が空いてないから、たまたま相席になって、あの、その、です」


「ほほぉ~そっちのハル君はどうなのかなぁ~?」


うけぇ、こっちに飛び火した、仕方ない


「ナタリーさんが言ったとおりだ、席が空いてなかったから、相席になっただけだ」


「あの時、混雑はしていましたけれど、席は空いてましたよ~」


ナンシーちゃんが通りすがりに、また爆弾を堕としていった、ガッテム!


「ほほぉ~お姉さん、詳しく教えて欲しいなぁ~」


「多分、ナンシーちゃんの勘違いだ、席は空いてなかった、以上」


「空いてましたよ~よく覚えてます~

 これでも記憶力って良いんですよ?」


ナンシーちゃんよ、そんなに俺をいじめて楽しいか?楽しいんだろうな…


「さぁ~てと、乾杯の1杯も飲んだし、そろそろ休ませてもらうわ。

 ごっそーさーん!!」


「あ~逃げた!

 ほら、ナタリー、彼を呼び止めなくちゃ!、ほら早く!」


「え?え?」


俺は捕まる前にメ〇ルス〇イムにも負けない勢いで逃げる事にした

ナタリーさん、後は頼んだ!!


「待てぇ~」


何か後ろから聞こえるが、あーあー聞えない

俺は無事に部屋に逃げることに成功したのだった

何か疲れた、MPを使い切るまで聖魔力水を作り、体を拭いてさっさと寝ることにする

おやすみなさい…ぐぅ


これで堂々と冷たいエールが飲めるぞぉ~!!

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