HPポーション改は…
師匠の所に到着
バンッ!扉を勢いよく開ける
「動くな!命が惜しければ、金を出せ!!」
「おや、良い所に来た、手伝いな!」
「あ、はい」
全く動じない師匠の手伝いをする俺であった
何度も手伝ったおかげで流石に分かったが、これっていつもの精力剤だ
師匠がこれ以外を作ってるところって見たことないな、HPポーションとかは作らないんだろうか?
なにはともあれ、一通りの作業が終了したため、休憩に入る
「ハルよ、金は無いが、飴ちゃんなら有るぞ?」
相変わらずの師匠である
「飴はもらう、でも、作ってたのって精力剤だろ?だったら金も十分にあるんじゃねーの?」
「イッヒッヒッヒッヒッ、それは秘密じゃ!」
「まあいいけどね」
「じゃが、丁度良い所に来てくれた、今日会わなかったら宿の方へ連絡を入れるところじゃったわい」
「ふ~ん、実はこの前も来たんだけど、師匠居なかったんだけど?」
「仕方なかろう?こっちは例のHPポーションで大変だったんじゃぞ?」
「何か問題でも有ったん?」
「実はな、ハルが作ったのと、薬剤ギルドで作ったので効果が違かったんじゃ。
ハルから預かった聖魔力水を使用した場合は同じHP回復+20の効果が出たんじゃが、新たに聖魔力水を作るのに聖水に魔力を注いだんじゃが、聖魔力水にはならず、出来たのは魔力を含んだ聖水じゃった。
それを使用して出来たのがHPポーション+で、HP回復+15にしかならんかったのじゃ。
ちなみにハルの魔力操作のレベルはいくつじゃ?」
「俺?確かレベル3だったかな?」
「ふむ、ハルのレベルが高いなら納得したんじゃが…
実は、魔力を注いだ人のレベルは5だったんじゃ」
「へ~レベル高いなぁ、でも、それだと魔力操作のレベルって関係ないって事か」
「そうなるの、ハルよ、何か思い当たることは無いか?」
「そんなこと言われてもなぁ、何か有ったかなぁ…ん?もしかして」
「何か思い当たることでも有ったかい?」
「俺さ、称号に創造神の加護って有るんだけど、関係有るかな?」
「何じゃと!創造神の加護じゃと!!
聖水も創造神の教会から貰える聖水じゃし…もしかすると関係が有るかもしれん…
ハルよ、創造神の加護はどうやって貰ったんじゃ?」
「んなもん知らんよ、やったことと言えば聖水貰うのに寄付して、神像にお祈りしたくらいだし」
「それだったら私もやったことは有るな、じゃが加護は付かなかった、他に何が無いか?」
「んーそう言ってもなぁ…あ、師匠、お布施って普通幾らくらい払うんだ?」
「そうじゃのぉ~人にもよるが、鉄貨1枚から銅貨1枚くらいの間じゃな」
「oh…俺、相場が分からなくて、金貨1枚払っちまった…もしかしたらこれが原因じゃね?」
「金額で加護が付くんじゃったら、貴族はみんな加護持ちじゃ、そんな話は聞いたことないし、おそらく違うじゃろう」
「そうすると分かんねー」
「そうか、この話はここまでじゃな、もし、何か分かったら教えてくれ」
「ん、了解。
そうそう、HPポーション+だっけ?それとHPポーション改の取扱いってどうなるん?」
「今の所、HPポーション改はハルしか作れないが、HPポーション+と共に百年ぶりの新発見になったそうじゃ」
「え?今のHPポーションって百年前からある物なの?」
「そうじゃ、色んな研究は行われてきたが、回復量が減ることは有っても増えることは無かった。
じゃから今回の発見は凄いことなんじゃよ、だから、薬剤ギルドから表彰されることになった。
ハルは知られたくないって言ってたので、ハルには悪いが、私が見つけたことにした」
「前にも言ったけど、有名になると面倒だから、それで良いよ。
逆に師匠に迷惑かけそうだけど…」
「ひっひっひっ、どうせ先の短いオババじゃ、秘密と一緒に持って行ってやるわい。
じゃが、ハルに何も無いのも可哀相じゃし、こいつでもやるとしようかね」
師匠は本を取り出し、俺に渡してきた
「何の本?」
「私が生涯かけて集めたレシピ本さ、すでにハルは立派な薬剤師だ、後は自分で研究すれば良いじゃろう」
「そんな大事なもんなんか貰えないよ、返すよ」
「私の頭の中には全部入ってるさ、それに表彰でたんまり賞金が手に入るから、おあいこさ、いっひっひっひ~
まぁ、弟子卒業と言っても、聞きたいことが有れば来れば教えるし、手伝いもして欲しいから、いつでも来な」
「レシピ本なんて大金積んでも売ってくれる訳ないじゃんかよ…わーったよ、ありがたく貰っておく」
「そうそう、忘れるところじゃった、HPポーション+はHPポーションの2倍の金額、HPポーション改は4倍の金額に決まった」
「あれ?効果が2倍なら、金額も2倍じゃね?」
「馬鹿か、持てる量が決まってるのに、同じ回復するなら少ない量の方が良いに決まってる。
だったら少し高くても、回復量が多い方が良いに決まってるだろ?」
「それもそうか、売るのは冒険者ギルドでも大丈夫か?」
「ああ、販売は今まで通りの場所で問題ない」
「了解~とりあえずギルドポイントが付くみたいだから、冒険者ギルドで売ることにするわ」
「どこで売ろうがハルの自由さ」
「さて、今日の所は帰るとするよ、この本もじっくり読んでみたいしな。
あ、ポーション瓶売ってくれ」
「今日はお祝いだ、タダで持っていけ」
「サンキュー師匠」
「もう師匠じゃないんじゃがのぉ」
何かブツブツ言っているが、俺にとってはいつまでも師匠だ、勝手に呼ぶ
タダと言われたのでポーション瓶を30本ほど貰って、師匠のお店から出た
やっぱり師匠は何か言っていたが、気にしないことにする(笑)
帰りがけに教会に行き、聖水を汲み、お祈りもしておくことも忘れないでしておく
ちなみに今日のお祈りだが
「今どんな気持ち?
ねぇ、どんな気持ち?」
もちろんトントン跳ねながらだ、完璧である
お祈りも済んだことだし、宿屋に帰ることにした
師匠はやっぱり良い人
それと、称号はお祈りが原因だと思う