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今日のナタリーさん 18


私はナタリー

冒険者ギルドの受付嬢である


今日は特に変わったことも無く、淡々と仕事をこなす

夕刻近くになった所で彼がやってきた、よく見るとケガをした後みたいだ、ズボンが破れて血がついていた

とりあえず傷は無いみたいだ、無事な事が分かったので一安心である

彼はすぐにこちらに窓口へ来てくれたので平常心で対応することにする


今回彼が提示したのはホーンラビットが3匹とラッキーラットだった

ラッキーラットは臆病で人前には出ないから見かけることがほぼ無いのも有るが、売れないので持ち込む人も居ない

4年くらい前に魔法の範囲にたまたま入って倒されたって話を聞いたくらいしか無いので、本当に珍しいものを持ってきたと思う

長年受付嬢をやっているが、実際見たのも初めてだった

珍しいとは言え、食べられない、売れないから買い取ることも出来ない

非常に申し訳ないが、仕方がないので説明をしたが、彼は特に気にした様子は無かったみたいだ、よかった

支払いを行い、対応が済んだ彼は帰って行った


仕事が終わり、帰ろうとした所で、リリアが声を掛けてきた


「ナタリー今晩暇?」


「特に用事は無いけれど、どうしたの?」


「実はさ、噂で凄く美味しいエールが飲めるって話を聞いてさ、行ってみない?」


帰ってご飯作って寝るだけだったし、今日は外食で楽するのも良いかもしれない


「うん、大丈夫、行こっか」


「やったー決まりね!

 そだ、エミリーも一緒に行かない?」


「私は用事がありますので、ご遠慮致します」


「そっかーじゃあ仕方ないね。

 それじゃあ、ナタリー行こ」


私たちは噂のエールが飲めるお店に向かうことにした


「ここで飲めるらしいよ」


ついた場所は『薔薇の宿屋』だった、もしかしたら彼も居るのかもしれない、ちょっとだけ期待

髪型をチェック…問題なし、服装をチェック…こっちもダイジョブだ、汗臭くないよね?クンクン…自分じゃ分かりにくいが大丈夫だと思う、よし!

覚悟を決めて食堂に入ると、人はまばらだった、中には酔いつぶれて寝ている人も居るが、彼は居なかった、残念

ふと隣を見ると、リリアが何かニヤニヤしていた、何か面白いことでも有ったのだろうか?

とにかく空いている席に着くことにした


「すいませ~ん」


「は~い、ただいま」


「ここで美味しいエールが飲めるって聞いたんだけど、2杯頼める?」


「申し訳ありません、本日の分は売り切れてしまいました。

 通常のエールでしたらお出しすることは出来ますが…」


「あっちゃー遅かったか…ナタリーどうしよっか?」


「今から帰ってからご飯作るのも面倒なので、折角だから食べていきたいと思います」


「それじゃあ私もそうしよっと、日替わりディナーと、私はハッチミツ酒、ナタリーは?」


「私も同じものでお願いします」


「は~い、日替わりディナーが2つと、ハッチミツ酒が2つ、以上で宜しいでしょうか?」


「お願いします」


私たちは美味しいディナーとお酒を楽しみながら、会話を楽しんだ、たまにはこういった日も悪くない

次に来るときは美味しいと噂のエールが飲めると良いな


私は受付嬢、ギルドの顔だ、明日も頑張ろう


期待した分のガッカリ感はつらいです

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