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ホーンラビットに苦戦


カァーカァーカァー

カラスの声で目が覚めた、こっちの世界ではカラスでは無いかもしれないが、声はカラスだ縁起が悪い

とりあえず不吉な目覚めだった、おはようございます


さて、今日はどうしようか

少しづつ稼いではいるが、そろそろゴードンさんから貰ったお金の半分が無くなりそうだ

まぁ、まだ2ヵ月半くらいは何もしなくても生活することが出来るが、急に必要になる可能性もあるから、稼がなくてはならない

今の所、一番効率が良いのはHPポーションの販売である、だがポーション販売ではレベルが上がらない

現在のレベルが2のため、ホーンラビット以外の魔物を相手にするのも怖い、パーティを組めば違うのかもしれないが、知り合いが少ない

ぼ、ぼ、ぼ、ぼっちちゃうねん…コホン


しばらくはホーンラビットでレベルを上げつつ、HPポーションを売るのが妥当なのかもしれない

そのうちスキルレベルも上がるだろうし、上がれば楽になるのかもしれない

結局はいつものパターンだった(笑)

飯を食べて出かけるとしよう


「マスター飯よろ~」


「おう、坊主か、ほら報酬だ」


マスターが銅貨を3枚テーブルに置いた


「何これ?」


「昨日の売り上げだ、30杯分だから鉄貨30枚だが、銅貨の方が良いだろ?」


「そう言えばそうだった、すっかり忘れてたよ」


「要らなきゃ別に構わんが」


「要る、要るって、誰も要らないなんて言ってないじゃん」


俺は即座に財布に仕舞った


「それじゃ朝飯持ってくる、待ってろ」


そう言ってマスターはキッチンへ入って行った

それにしても試験的な販売で銅貨3枚ももらえるとは、本運営になったら銀貨1枚くらい行くのかもしれない

それだったら、何もしなくてもこの宿屋に泊まり続けられるのでは?

いや、それだとダメ人間にしからならない気がするから、仕事は趣味程度でも良いから頑張ることにしよう


「ほら、朝飯だ」


今日のメニューは、パンにスクランブルエッグ、サラダにヨーグルトだ

ヨーグルトは初めて出たな、どれどれ


----------------------------------

【リンゴーンヨーグルト】

品質:C

効果:なし

カウカウ牛から取れたミルクを発酵させたものに、リンゴーンのジャムを添えたもの

----------------------------------


ヨーグルトって好きなんだよね、フルーツが入っているのも良いが、どちらかと言うとプレーンが一番好きである

昔、朝飯代わりに500mLのヨーグルトを食べて、仕事に行ったのも懐かしい思い出だ

ここのヨーグルトはジャムを入れるのが主流なのかな?これはこれで美味しそうだ

まずはこのまま食べてみる、リンゴーンの甘みがヨーグルトの酸味を緩和して食べやすい甘さになっている、優しい味だ

パンにも塗って食べる、ジャムを塗るのと比べてサッパリした味になって旨い

パン生地にヨーグルトを練りこんで作るパンも美味しいんだよな、作ってくれないだろうか?

スクランブルエッグとサラダも併せて食べて満足だ


「ごっそーさん」


さてと、今日もレベル上げでも頑張りますか、いつもの草原へレッツゴー


・・・・


えーっと薬草も、ホーンラビットも見つかりません

まさか、俺が取りつくして絶滅させたって訳じゃないよね?無いと信じたい、環境保存、大事!

多分俺と同じくして、初心者が頑張ってしまった結果であろうと思う

仕方がないから森の方へ行くことにする

森に近づくと、薬草がちらほらと見られるようになったので集める、森と草原の方には、しっかりと注意をすることも忘れない


キュピーン!!そこだ!!

後ろで何かが動いている気配を感じ、とっさに落ちている石を投げた

チュ!見事命中!!ってあれ?ホーンラビットじゃないな、もっと小さいチワワくらいのサイズのネズミだった

体が小さいせいか、普通の石でも倒すことが出来たみたいだ

しかし、初めて見るな、どんな魔物なんだ?


----------------------------------

【ラッキーラット】

年齢:1

状態:死亡


LV:1

HP:0/6

MP:0/5


STR:2

VIT:1

AGI:9

INT:7

DEX:5

LUK:20

----------------------------------


ラッキーラットかラットではなくマウスで一部が違う字になっていたらヤバかったかもしれない(笑)

ラッキーと名前が付いているせいか、LUKがずいぶん高いな、もしかしたらレア魔物なのかもしれない

とりあえず解体するか、フリージングで冷やしてから解体をする、小さいのであっという間に終了した

本来は内臓とかは捨てて行くのだが、もしかしたら値段が付くのかもしれない、とりあえず持っていくことにした

よし、次に行くか


お、ホーンラビット発見!そう言えばホーンラビットって鑑定したことなかったな、どんな感じなんだろうか


----------------------------------

【ホーンラビット】

年齢:2

状態:普通


LV:3

HP:12/12

MP:3/3


STR:8

VIT:3

AGI:15

INT:3

DEX:7

LUK:6

----------------------------------


やっぱりAGIが高いな、今までの戦闘からも思ったが、脳筋突進型っぽいな

ま、サクッっと殺っちゃいますか

隠密で近づき、当たれば儲けもので石で挑発、突進して来たら穴で転ばし、ジ・エンド!

ふははははっ、貴様など、もう俺の敵ではないわ!

解体を済ませ、次を探すことにする


お、またまたホーンラビットを発見、いつものパターンで処理をすることにする

石を投げたが、今回は外れてしまった、仕方ない、転ばせば一緒だ

ところがどっこい、今回対象のホーンラビットのすぐ近くにもう1匹居たみたいだ、何!?

2匹のホーンラビットは左右に分かれて突進してきた


「あ、えと、どっちだ?うぉっ!あぶね!」


どうやら考えている時間は無さそうだ、何とか初撃を躱し、次に備える

今まで1匹しか相手していなかったから知らなかったが、複数だとこんなに難しくなるのか

どうすれば良い?先に1匹転がしてから、次を転がしても、最初の1匹が起き上がってまた突進してくる

同時に倒すか、片方が起き上がれない状態にでもなれば、何とかなりそうだが…


そうだ、土×土で穴を深くすれば、落ちている間に対応できるかも

俺は近づく前のホーンラビットの片割れに対し穴を…って避けられた!?

どうやらパターンを読まれてしまったようだ、もしかしたら初見でしか通用しないのかもしれない

どうする?どうすりゃいいんだよ!


向こうもタイミングをずらして襲ってくるので、避けずらい

今回の攻撃は左足を掠り、その部分が抉られた


「いてえぇ~~~!!やりやがったな!!」


左足から血が流れ、ジンジンと痛むが、ポーションを取り出している余裕は無い

何か方法が無いか?そうだ!この前覚えた魔法!目くらまし!

土埃が発生し、ホーンラビットを巻き込んだ、目に埃が入ったためか、動きを止めて顔をくしくししている


「チャンス!」


俺はホーンラビットに近寄り、首をはねる!


「まずは1匹!」


もう1匹に駆け寄り、剣を振り上げる

なんとか埃を涙で洗い流せたみたいだが、もう遅い


「とどめだ!」


もう1匹のホーンラビットの首もはねることに成功した


「何とかなったな、痛っ!そうだケガしたんだった、死ぬようなケガでなくて良かったよ」

「HPポーションは…そうだった全部売ったんだっけ」

「残るはHPポーション改と劣化HPポーションだけだが、改を使うのは勿体ないな」

「今ってどんな状態なんだ?」


----------------------------------

名前:ハル

年齢:20

状態:普通


LV:2

HP:10/15

MP:22/30


STR:9

VIT:5

AGI:4

INT:17

DEX:22

LUK:3


スキル:

投擲Lv3、言語理解、剣術Lv1、激おこぷんぷんLv4、魔力操作Lv3、生活魔法Lv3、鑑定Lv3、隠密Lv2、解体Lv3、調合Lv3、索敵Lv3(new)、直感Lv1


称号:命100、ケモナーLv2、暗黒変態紳士、ロッテの弟子、ショーボン創造神の加護、中二病

----------------------------------


HPポーション改を使うのは勿体ないな、劣化HPポーション1本だと足りないが、丁度2本あるし、こっちを使うか

初HPポーションか、どんな感じになるんだろうか?とりあえず1本飲んでみる


「うけぇ!マズイ!!」


劣化HPポーションは凄くマズかった、普通のHPポーションとかもマズイんだろうか?

とにかく即効性があるみたいで、抉られた肉が盛り上がって修復してるみたいだ、なんとも見ていて気持ち悪い光景だ

劣化HPポーション1本だと回復量が足りないので、傷口が小さくなっただけで止まってしまった

なので、もう1本を飲むと、傷口はすっかり元通りになり、ケガした箇所も分からなかった


「謎の技術の不思議現象だよね、日本に居た時には考えられない現象だしな。

 何はともあれ、傷が治ったのは良かった、普通あの傷だったら跡に残るし、2週間くらいは治らないだろうからな」


まずは解体を済ませ、先ほどの戦闘の反省会を行う

とりあえず最大の問題点は調子に乗ったことだな、何回反省すれば治るんだろう?


次に1匹だと決めつけたのも問題だ、きっとどこかで1対1でしかありえないと思っていたのかもしれない

もっとしっかり索敵すれば、2匹と判断できたかもしれないし、対処も出来たかもしれない

そうそう、忘れていたが索敵のレベルがいつの間にか上がっていた、これでより索敵の正確性が上がったかもしれないのは良かった


最後に複数で襲われた時の対処方法の確立だな、ホールは何度も使うと対処されてしまうってのが今回の戦闘で分かったのは、一番の収穫かもしれない

目くらましの魔法も使えることが分かったが、これも目をつぶる等で対処が可能のため、今回は上手く行ったが、過信はできないと思う

他にも何か方法を考えておくべきだと思われる、こんなもんかな


さてと、命あってこその冒険だ、臆病者と呼ばれても構わん、今日はもう撤退することにする

HPポーションと宿屋のバイトを入れれば十分すぎる儲けになるしな


冒険者ギルドに到着した、まだピーク時には早い時間なので空いている、早速ナタリーさんの所に行く


「次の方どうぞ~」


「ナタリーさん、こんにちは。

 ホーンラビットの買取と、ラッキーラットってのを見つけたんですが、買い取ることって出来ますか?」


「ハル様、こんにちは。

 ホーンラビットは問題ないみたいなので3匹分、銅貨3枚と鉄貨6枚です。

 ラッキーラットですが、申し訳ありませんが買い取ることは出来ません」


「そうですか、ちなみにラッキーラットってどんな魔物なんですか?」


「ラッキーラットは名前の通り、運が良いらしく、なかなか見つけることが出来ません。

 たとえ見つけたとしても直ぐに逃げるし、逃げ足も早いので、捕まえるのは難しいそうです。

 しかも、魔物ではなく、単に野に居るラットのため、肉は臭くて食べられないため、買い取ることも出来ません。

 皮は珍しいので、商人がもしかしたら、物珍しさで買うかもしれませんが、見た目がアレですので、あまり期待は出来ないかと思われます」


見た目はドブネズミだし、所々剥げている、確かに売り物にはならんわな、納得だ


「わかりました、ホーンラビットの分だけで問題ありません」


俺はお金を受け取り、ギルドを後にした

宿屋に戻った俺は、まだまだ夕食には時間があるため、裏庭で薬草の調合を行うことにする

まずは乾燥作業を行う、今回は合計46束有るので、一気に乾燥させる

乾燥したら粉末状にし、HPポーション調合の準備は完了した、丁度15本分作れるみたいだ

今、聖魔力水が12本分だけ有るので、3本分追加で作る、魔力に余裕が有ったら後で追加しておこう

これで残りMPが14だ、冷たいエールの4回分だ、あと少ししたら5回分まで回復するし十分だろう

HPポーション改が15本完成した、品質も鑑定した限り問題なさそうだ


ん?そういえば、HPポーション改って売れるのか?

効果は高いから売れるとは思うが、まだ師匠から回答貰ってないし、値段も決まってないから、売ることは出来ないかもしれない

まあいいや、急いで金が必要な訳じゃないしね

そろそろ良い時間だ、食堂へ行くとする


「マスター準備良いぞ、どうする?」


「よし、じゃあ始めるか、今回は4樽用意した、頼めるか?」


「一気に冷やした方が良いか?それとも一樽毎冷やした方が良いか?」


「出来るだけ冷えた状態で出したいから、一樽毎頼む。

 残り少なくなったら声を掛けるから、そしたら冷やしてくれ」


「おっけー、んじゃ始めるか」


俺はフリージング魔法でエールを冷やした


「ナンシー、準備出来たので頼むぞ」


「任せてください、行ってきま~す」


食堂はすでにお客で満員だ、噂も広まったらしく、今か今かの待ち状態だ


「お、ナンシーちゃんそろそろ、例のエール頼めるのか?」


「大変お待たせしました、今から冷えたエールを販売致します」


「待ってました!ナンシーちゃん1、いや2杯頂戴!」

「こっちは3杯だ!」

「私たちは2杯づつの、合計6杯ね~」


凄い勢いで注文しだした、それにしても、この注文を間違い無く対応できているナンシーちゃんは凄いな

あっという間に一樽が空になりそうだ


「坊主、次頼む」


「はいよ」


俺は次の樽をフリージングで冷やす


「うっひょ~今日は一杯飲むぜ~!」

「お替り頂戴~」

「旨めぇ~、お替り!」


どんだけ入るんだよって勢いでエールが消費されていく

そう言えば会社の飲み会でも、どこに入るんだよ?ってくらいの量を飲む人が居たな

俺はビールを飲むと2杯くらいでお腹が一杯になるから、あまり飲めなかったから、たくさん飲める人が羨ましかった

どうやらこの世界でも同じみたいだ


「坊主、次だ」


「はいはい」


俺は冷やす作業を行った

瞬く間に消費され、最後の樽も冷やし、それも無くなった


「今日は売り切れでーす。

 ありがとうございました」


「えー!もう無いのかよ」

「もっと飲みた~い」


「また次回、ご利用ください~」


「次はいつだ?」


「未定で~す、なので、飲みたい方は毎日来てくださいね♪」


「この商売上手が!また来るぜ~」


とりあえずお祭り騒ぎは終わったようだ、何人か入替が有ったが、最初から飲んでいた人もいて、そんな人は泥酔している、飲み過ぎだろ

酒目当ての客が捌けたので、食堂は少し余裕が出来たみたいだ、お腹もすいたことだし、俺も夕食を食べることにする


「ナンシーちゃん、飯頂戴~

 後、冷たくなくて良いからエールも」


「は~い、お待ちしますね~」


あれだけ忙しく働いたのに元気一杯だな、若いって凄い


「お待たせしました、本日の夕食とエールです」


「お、待ってました」


俺は鉄貨2枚を支払った


「ごゆっくりどうぞ~」


そういってナンシーちゃんは仕事に戻って行った

まずはエールで乾杯だ!

ごきゅ…ぬるい…

今MPが回復したため、1回分はフリージングが使える

でも、人前で冷やすなと言われてるし、仕方ないか

しかし、美味そうに飲んでいた奴らを見ていただけに、なんか悔しい


気を取り直して夕食を食べるとする、本日のメニューはパンとホワイトシチューとサラダだ


----------------------------------

【ホワイトシチュー】

品質:B

効果:HP回復+2

ケッコー鳥の肉、シャガイモ、キュロットを炒めた物に、水とミルクと小麦粉をコンソーメと香辛料を入れ煮込んだもの

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シチューって冬場の定番で大好きなんだよね、よくご飯に合わないオカズと言われているが、俺は問題ないと思う

中にはカレーみたいにかけて食べる人も居るみたいだが、俺は具を一口食べて、ご飯を掻き込むタイプだ、汁はご飯の後にそのまま食べるのが好きだ

今回はご飯が無いのでそのまま食べることにする

ぱくり…うん、ミルクの味と香辛料の味のまろやかな味が旨い、この塩加減がパンに付けて食べるのが最高だ、本音を言えばご飯が欲しい…

口直しにサラダを食べてリセットして、またシチューを食べる、やっぱり旨い

次にエールを飲む、酸味で口直しして、またシチューを食べる、最高だ


「ごっそーさん」


部屋に戻った俺はMPが4になっていたので聖魔力水を2瓶ほど作った

ステータスは昼間に確認した時依頼の変化は無かったが、昼間はケガを気にしていて後回しにしていたが、索敵のレベルが上がっていた

これでより安全が確保できたのは嬉しいと思う、今日の事は反省し、より索敵を慎重に行おうと思う

明日も頑張ろう、おやすみなさい…ぐぅ


まぁ、どんな敵でも舐めると痛い目に会うってことだね

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