草刈り依頼 続
朝だ~!!
気合入れていくぞー!!
絶対に勝つぞー!!
〇〇高校ファイ!オー!!
何が言いたいかと言うと、ただ気合を入れただけなんだが…
試合前の円陣って良いよね、補欠だったけど(涙)
しかも今はチームは無く、俺一人だし(大涙)
今日の予定は、草刈りの残りと、冷えたエールの試験販売の手伝いだ
さっさと飯食って仕事行くか
「マスターはよ~飯よろ~」
「相変わらず意味不明な事言ってるが、それが何となく理解出来てきた気もする俺も大概か…」
なんかマスターが落ち込んでるが、まぁ元気出せ
「ほら、飯だ。
後、今夜の件は宜しくな」
「任せとけって、一応MP回復する何かは用意しておいてくれ。
今日の仕事で魔法使うから、万が一足りないと困るからな」
「ああ、わかった」
「んじゃ、飯くうか」
今朝のメニューは、ご飯に目玉焼きに野菜のスープだ、惜しい、和食とは微妙に違う
「マスター塩魚汁有る?」
「ほれ」
「サンキュー」
ご飯に目玉焼きの黄身の部分を乗せ、割るととろ~りと黄身が流れてきた、半熟とはマスター分かってるねぇ
そこに塩魚汁を掛けて、ご飯と混ぜる、マスターが嫌な顔をしているが気にしない
出来たご飯を掻き込む!旨~!!
濃厚な黄身の味に塩魚汁の塩辛さがたまらん!
白身は白身でおかずとして食べる、淡白な味がまた旨し!満足である
野菜スープを食べる、旨いが出来る事なら味噌汁にして欲しかった…
「ごっそーさん」
朝食を食べ終えた俺は依頼の続きをするため、スキー准男爵家に向かった
コンコン、ノッカーを叩くと執事が出てきて、こちらを確認すると目を光らせた
「ほぅ、今日も依頼を受けて頂けると」
「あ、はい、がんばります」
「それでは宜しくお願いします」
そう言って屋敷に戻って行った
やっぱり来ないと思ってやがったな、このヤロー
さっさと依頼を終わらせて帰るとしよう
裏庭に到着した、うん、昨日のまんまだ、さっそく作業を開始する
草刈り魔法で土を退けて、草を集めることを6回ほど繰り返すと、お昼頃にはすべての作業が終了した
「よっしゃ~!!終わった!!
見事に土色一色だ、これなら文句も有るまい」
さっそく報告に行くことにした
ノッカーを叩いて執事を呼び出す
「何か有りましたかな?」
「終わりました」
「なんだと!そんな馬鹿な!」
「見てもらえば分かると思いますが」
「そ、それもそうだな」
俺と執事は、一緒に裏庭に向かった
「し、信じられん」
執事は唖然としていた、その口閉じないと虫が入るぞ?
「完了のサインを頂きたいのですが」
「あ、ああ」
依頼表にサインを記入してもらった
「これで依頼完了ですね、それではまた」
唖然とした執事を後に、屋敷を出ることにした
「おい、そこに居るのは我が強敵では無いか?」
あっちゃー、面倒なのに見つかった
「これは、ナイチ様、ご機嫌麗しゅうございます」
「よせ、我と、強敵の仲ではないか、普通でよい」
「ナイチ様ちわーっす」
「変わり過ぎだろ、まあいい。
それで、ちっぱい派へ入る気にはなったか?」
「その話は前に断ったハズだけど?」
「やっぱり貴様を野放しにしておくのは惜しくてな、考え直さないか?」
「俺にとって、おっぱいの上下はありませんので、お断りします」
「そうか、残念だ。
だが、気が変わったのなら、いつでも声を掛けてくれ」
「その時が来るかは知りませんが、一応わかりました。
ギルドへ報告があるので、この辺で」
「ん?我が家で何か依頼でも受けていたのか?」
「あれ?知らなかったんですか?裏庭の除草作業ですよ」
「裏庭の除草は執事に言っておいたハズだが…まさかな。
いや、こっちの話だった、すまんかった、もう行っても良いぞ」
「それでは、失礼します」
何やら執事はやらかしていたみたいだな、俺には関係ないけどね
依頼も終わったし、報告に行くとする
冒険者ギルドはガラガラだった、まあ列に並ぶ必要もないから良かった
「ナタリーさん、こんにちは、依頼の報告に来ました」
俺は挨拶と共に、依頼表を提出した
「ハル様、こんにちは。
依頼完了の報告ですね、この依頼は難しいことで有名だったんですが、流石です」
「やっぱりそうだったんですね、無事に完了できたから良かったですが、出来れば先に知りたかったです」
「も、申し訳ありませんでした。
でも、ハル様でしたので問題ないと思ったのも事実ですが、こちらの不手際でした。
以後、気を付けます」
ナタリーさんが委縮して泣きそうな顔をしている
「あ、いえ、大丈夫っす!次から何か気になることが有れば教えてくれれば大丈夫っすから。
それに、ナタリーさんの信頼を受けたのは、素直に嬉しいっす!
頑張った甲斐が有ったというもんっす!」
あ、テンパってて口調が変になってしもーた
「ありがとうございます。
それでは、依頼が達成致しましたので、銀貨2枚になります」
俺は報酬を受け取り、財布にしまった
「ありがとうございます」
「それではナタリーが対応致しました。
またのご利用お待ちしております」
ふぅ~どうやら何とかなったみたいで、いつものナタリーさんに戻ってくれたみたいだ
さて、まだ夕刻には時刻があるし、どうするかな、師匠の所に行ってみるかな、この前の話も気になるしね
「師匠~来たぞ~ってあれ?誰も居ない」
どうやら留守だったみたいだ、師匠のイーッヒッヒッヒッが聞けないのも何か寂しくもあるし、残念でもある
仕方が無いので別の場所に行くことにする
そうだなぁ…教会に行って聖水を補充しておくのも良いかもしれない、今手持ちも無いしな
教会へやってきた俺は、聖水が沸いている泉の方へ向かった
途中で以前にも会った初老のシスターに会った
「あら、ごきげんよう。
今日はどうなされましたか?」
「ごきげんよう、シスター。
今日は、聖水を頂きに参りました」
「まぁ、そうでしたのですね。
泉の場所は分かっていますね、ご自由にご利用下さい。
それでは私はこれで失礼致します。
創造神ショーボン神様のお導きがありますように」
「はい、ありがとうございます」
俺はシスターと別れ、泉へ向かった
泉へ到着し、空いているポーション瓶に聖水を補充した
しかし、この水ってどこから来ているんだろう?蛇口がある訳でも、地下から湧いてくるでもないっぽい
どうも勝手に増えているみたいだ、実際ポーション瓶に補充した分の水が減ったにも関わらず、すぐに元に戻ったからだ、きっと神のなんたる力が働いているんだろう
折角教会まで来たのだし、お祈りしておこう
俺は聖堂にある神像の前まで行き、お祈りを捧げた
「m9(^Д^)プギャー」
普通で有れば、罰当たりな気もしないでもないが、この神様であるならば、きっと、これが正解に違いない(確信)
お祈りを済ませた俺は、そろそろ夕刻も近いことだし、宿屋に帰ることにした
女の子を泣かせる、ダメ、ゼッタイ!