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マスターと契約


宿についた俺は


「ナンシーちゃんエール頂戴! 後、飯もよろ~」


「はーい、ただいまお待ちします~」


席に着き、料理が届くのを待つ


「お待たせしました~本日の料理とエールです」


「お、サンキュー、じゃあこれエール代」


財布から鉄貨2枚を取り出し、ナンシーちゃんへ渡す


「ハルさん、今日は機嫌が良いですね~何か良いことでも有ったんですか?」


「良いことは無かったんだけど、新しい魔法が使えるようになったのと、貴族様をギャフンと言わせることができそうだからな」


そういった今日の出来事をナンシーちゃんに話した


「ふーん、でも、それって貴族様からすればどちらでも良いんじゃないんですか?

 銀貨2枚程度で綺麗になれば、それこそ儲けものですし、次の依頼を早く出せば、今度は安く出せますよね?」


「うっ…言われてみればそうかも…

 なぁ、俺ってもしかすると馬鹿?」


「そーですねぇ~良いんじゃないんですか?そういう人って、私は好きですよ。

 あ、でも本気じゃないんなら口説かないでくださいね?」


先に釘を刺されてしまった、残念


「本気になった時は頑張ります」


「あはははっ、楽しみにしてますね~」


そう言ってナンシーちゃんは戻って行った


「さて、今日は疲れたし、エールもさぞかし旨いに違いない」


口を付けようとした瞬間、俺の頭脳にあることが閃めいた


「これって、冷やしたら、もっと旨いんじゃね?」


早速試してみることにする、フリージングを使うとジョッキに霜が付いたので冷やされたのが分かった


「どれ、どんな感じになったのやら…

 ゴクッ…旨い!すげー!冷やしただけなのに、こんなに旨くなるとは予想外だ。

 酸味も抑えられて、冷えたエールが喉にするすると入ってくる。

 こんなことなら昨日も試してみるんだったな…まぁ、昨日はそんな気分でも無かったか」


さて、エールに感動した後は、今日のメニューはっと

ピザにから揚げと野菜スープだ、たまにはこういったメニューも悪くない、エールのお供にもピッタリだ

ピザはどんな感じかな


----------------------------------

【ピザ】

品質:B

効果:HP回復+1

小麦粉を練って薄く伸ばしたものに、トゥメイトウソースを塗り、丸ネギ、ソーセージ、チーズをトッピングし、オーブンで焼いた物

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アツアツのピザを食べる、ふは、ふは、熱いが旨い

チーズがびにょ~んと伸びるのはビザならではだな、さすがにマスターでも日本のビザには勝てなかったのは残念だ

まぁ、日本のピザ屋さんは、ビザに対する開発はオタクの域であって、異常なのかもしれないがな(褒め言葉です)

次はから揚げだ、これはお酒のつまみにも最高だ


----------------------------------

【鳥のから揚げ】

品質:B

効果:HP回復+1

ケッコー鳥のもも肉を一口大に切り、塩魚汁、ショウガナイ、砂糖、お酒を混ざたものに漬け、片栗粉をまぶし、油で揚げたもの

----------------------------------


パリパリの皮に醤油味にショウガのアクセントが肉に染みわたっており、旨し!

これは酒が進むわ~旨過ぎる!

それにしてもレモンは付いてこないんだな、安心した、この世界に来てまで戦争には参加したくなかった

まぁ、一人で食ってるから戦争も何も無いんだが…

野菜スープはいつもの通りだった、特に変わったことは無く、十分に旨かったとだけ言っておく


「ごっそーさん」


「坊主、ちょっと良いか?」


食べ終えて部屋に帰ろうとしたら、マスターに呼び止められた、今朝に続いてまたかよ


「あに?」


「いや、俺はお前の兄じゃないが…」


「いやそういった意味じゃないんだが、で何の用?」


「さっきエールに何かしてただろ?あれは何だ?」


「冷やしただけだけど?」


どうやらマスターは俺がフリージングを使用した所を見ていたみたいだ


「坊主は氷魔法の使い手か、凄いな。

 エールは冷やすとどうなんだ?」


「氷魔法は使えないが、似たようなことなら…

飲んでみるのが一番なんだろうけど、残念ながらMP切れだ、今日はもう使えん」


「これを飲んでもダメか?」


マスターは野菜ジュースを出してきた


----------------------------------

【野菜ジュース】

品質:B

効果:MP回復+2

トゥメイトゥ、レトゥース、ゲール、せロリ、リンゴーンを絞ったもの

----------------------------------


そうだった、前に飲んだ時にも思ったが、MP回復+2の効果が有るんだったな、今MP1だからギリギリ行けるか


「マスターの頼みだ、貸し1にしておく」


「坊主の貸しか、怖いが仕方ない、頼む」


俺は野菜ジュースを一気飲みをし、MPを回復させた


「げぷっ、んじゃエール頂戴」


「ほらよ」


マスターからエールを受け取り、フリージングを掛ける


「マスター出来たぞ」


受け取ったマスターは容器が冷えているのにビックリしていた


「本当に冷たくなってるな。

 それじゃどんなもんか試してみるか」


マスターはジョッキを掲げて一気に煽るように飲んだ


「ごきゅ、ごきゅ、ごきゅ…ぷはぁ~

 な、なんだこれは!味も違うし、のど越しも滑るようだ。

 これならエールの売り上げも、上がるに違いない」


マスターは何か言いたそうにこちらを見ている

仲間にしますか?(はい・いいえ)

             ↑ピッ


「お断りします」


「そこを何とかならないか?」


「だいたいMPがフルだったとしても、10杯が限度だぞ?

 あー樽毎だったら1回で行けそうだから、そうでもないのか?」


「それで頼む」


「んー冷やして温まるまでの限定販売にするとして、冷えたエールって幾らにするんだ?」


「余り高くしても売れなくなるだろうし、いいとこ鉄貨4枚ってとこか」


「んで、俺の取り分は?」


「夕食にエール1杯」


「くっ…良い所を突いてくるじゃないか、それも悪くは無いが。

 冷えたエール1杯売るごとに鉄貨1枚はどうだ?」


「よし、契約成立だ!」


「あれ?良いの?」


「もともと鉄貨2枚で売るものを、冷やすだけで鉄貨2枚の儲けだ、1枚でも十分な儲けさ、俺には損にはならん」


「まぁ、MPに余裕が有った時だけだぞ?

 後は、温まるまでの時間も調べておくのも良いかもね。

 温いエールで鉄貨4枚なんか取られた日には、この宿が潰れるかもしれん」


「ああ、それは十分理解してる」


「明日の夜に冷やして貰えるか?

 時間の確認をしながら試し販売をしてみる、まあ、明日はお試しだから、いつもの金額で販売する予定だがな。

 でも、坊主には契約だから、きちんと1杯鉄貨1枚を支払おう」


「マスターがそれで良いなら俺には文句はないけど、良いのか?」


「ああ、明日は宜しくな」


「はいよ、んじゃまた」


部屋に戻ってきた俺は、ステータスを確認したが、今日は何も変わらなかった

それじゃ明日の予定は残りの草刈りをして、夜はマスターの手伝いだな

それではおやすみなさい…ぐぅ


ドイツの常温で飲むビールも旨いが、日本の冷えたビールはやっぱり最高だ!

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