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生活魔法の実験


目が覚めた、今日も良い天気である

こっちの世界に来てから寝るのが早くなったせいか、目が覚めるのも早くなった気がする

まぁ、電気が無いから、暗くてやることも無いからなんだけどね

この街に来てから半月が過ぎた、半月も経ったのか、半月しか経っていないのかは、その人の感覚だが、ずいぶん長いこと居るような気がする

やっぱり色んなことが、有ったからなんだろうな

今日は草原でレベルが上がった生活魔法を試してみることにしよう、ついでにホーンラビットと薬草って感じかな?

よし、飯を食いに行こう


「マスター飯~」


「おう、待ってろ」


最近、夜はナンシーちゃんなので、マスターをからかう機会が減ってしまった、実に残念だ


「なんだ?悩みでも有るのか?」


「マスターをからかう機会が減ってツマラナって違う違う、何でも無い!!」


「ほぅ、どうやら坊主は朝飯が要らないみたいだ。

 仕方がない、勿体ないからその辺の野良犬にでもあげるとするか」


食事を持って戻ろうとするマスターを引き留める


「スターップ!マスター待って、お願い、俺が悪かった!」


「ふん、さっさと食え」


料理を置いてマスターは戻って行った

あやうく朝飯を食べ損ねるところだった

でも、マスターもニヤニヤしていたから怒っていた訳じゃない、ワザとだな、後で〆る

さて、今日の朝飯はパンに、オムレツに野菜のスープか

まずはオムレツから食べるか、もぐもぐ…ん?チーズが入っている!前食ったのと違うぞ?


----------------------------------

【チーズオムレツ】

品質:B

効果:HP回復+2

チーズをケッコー鳥の卵でくるんで焼いた物

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チーズオムレツは好物だったので嬉しい

このチーズの濃厚な味と塩っけが、卵の味が合わさると旨い

チーズの代わりにマヨネーズを混ぜて作るのも好きだ、あのマヨネーズの酸味がたまらないんだよな

今度マスターに頼んでみるのも良いかもしれない、確か迷ネーズが有ったはずだ


「ごっそーさん」


朝食を食べた俺は、生活魔法の実験のために、いつもの草原に向かうのだった


・・・・


さて、実験を開始するとしよう

まずは前回試せなかった風×火×水がどうなるかだが…

熱っ!!何だこれ水分多いし、スチームオーブンレンジみたいなものっぽいな

…ふと思ったんだが、水×風×火だとどうなる?

熱いじゃないな、暑いの方か、それに耐えられる温度ってことはサウナに近いかもしれない

ふむ、掛け合わせる順番によっても変わるらしいな覚えておこう


「よし、先ほどのはスチームオーブンとサウナと命名しよう」


次の実験だ、水×水×風はどうなる?

おぉ!注射の前のアルコールっぽいヒンヤリした感じ…ん?いやマズイ!痛っ!

俺は慌てて手を退ける


「思った以上にヤバイ魔法かもしれん、危うく手が凍傷になるかと思った。

 フリーズだとなんかPCが止まるイメージが強いな、出来れば避けたい、よしフリージングと命名だ」


他にも面白そうな組合せは無いだろうか?

そういえば土って穴を掘る以外に使ったこと無かったな、何か有るかな?

土×土だと穴が大きくなるだけだし、土×水だと泥が出来た、土×風だと土が乾いてボロボロに崩れた、土×火だと温かい土が出来た

うん、使えない


3属性だとどうだろう、うーん…ん、そうだ土×風×風だとどうなる?

土埃を巻き上げた、こ、これは目くらましに使えないか?機動力を奪うでもないが、一瞬でも敵を見失うってことは致命的だと思う

よし、目くらましと命名、後で機会が有れば試すとしよう


後は、土×水×火でどうだ?

暖かい泥水が出来た…チッ!風呂にはならんか、しかも片足入れるくらいしか大きくないし微妙か

せめて風呂釜が出来ればホットウォーターで風呂が沸かせるんだが、風呂釜か…粘土質の土なら出来るのかもしれないな

でも、出来たとしても入りたいときに入れないと言うことは不便だな、深く掘ったら出るのなら良いんだが、試してみるか


土×土×土で大きくではなく、深くをイメージしてみる

直径50cm、暗くて正確には分からないが、深さ20~30mくらいの穴が空いた、思った以上に深くてびっくりだ

覗いて見える範囲には粘土質の地層は見えなかったが、底の方に光を反射しているのが見えた

もしかして井戸を掘り当ててしまったのかもしれない(汗)

ん?水が出るってことは、粘土質の層も近くに有ったハズだ、確かTVの井戸掘り番組でそんなこと言っていた記憶が…

でも、粘土層が有ったとしても深すぎるな、結局は無理か

また違う機会に、別の方法でも思いついたら試してみよう

折角だから穴掘り魔法としてボーリングと命名しておく、何かに使えるかもしれないしな


さて、魔法の実験はこのくらいにして、ホーンラビットの討伐と、薬草の収集でもするとしよう

働かざる者食うべからずだ、頑張ろう


薬草は相変わらず見つからないな、森まで行くか?

でも、森まで行くにはちょっと時間が足りないかもしれない

とりあえず、この周辺を探して見つからないようだったら、今日は諦めることにする

と言ってるうちに、ホーンラビット見っけ!


「行け!謎の石!君に決めた!」


投げた謎の石は、真っすぐ飛んでいき、ホーンラビットの頭に当たり、そのまま動かなくなった


「あれ?倒した?それとも死んだふりか?」


その辺にある石を拾い、ホーンラビット目掛けて投げる、投げる、投げる、投げる…

とりあえず20回ほど当てたが、結局ホーンラビットは動くことは無かった(当てすぎです)


「これだけやっても動かないってことは、倒してるよな、倒してるよね?」


用心深く近寄り、剣先で突く、うん動かないな

安心した所で気が付く、角無いやん…そうだった、ホーンラビットは死ぬと角が崩れるんだったな、気付けよ

今までこんなに簡単に狩れたことが無かったから、疑っちゃったよ、次からは角で確認しよう

石を回収し、血抜きも終了したため、俺は新魔法を試してみることにする


「全てを凍らす氷の精霊よ、絶対零度なる吐息を持って氷結せよ!フリージング!!」


いや、まぁ呪文は必要無いんだけど、何となく気分的に唱えてみたかっただけだ、深い意味は無い

決して中二病ではない、無いったら無い!

そうこうしている内に、ホーンラビットがどんどん冷えていき、最後には凍り付いた


「やべっ、氷らせ過ぎた、これじゃ解体が出来ん。

 仕方がない、少し溶けるまで待つとするか」


「へぇ~ハル君、魔法使えるようになったんだ」


「!!」


突然声を掛けられて驚いた俺は、勢いよく振り返えると、そこには前に魔法を教えてくれたアイリさんが居た


風呂の夢はまだまだ先っぽいです

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