お断りします
家庭の事情で休んでました。
とりあえず当時書いていてアップしていなかった話をアップしておきます。
続きは少々お待ちください……
冒険者ギルドまで戻って来たのだが、まだ少し早い時間なのにも係わらず、めずらしく人で賑わっていた。
特にトルネラさんのいる買取カウンターが凄かった。
「よし、まだまだ行ける!」
「だな!」
「稼ぐぞ~!」
「「「おー!!」」」
買取が終わったらしい3人のPTだったが、これからまたダンジョンへと向かうらしい。
あ~なるほど、確かに今日はお金を稼ぐにはもってこいだしな。是非とも頑張って稼いでくれたまえ。
さて、俺達も並ぶとしますかね。
「トルネラさん、こんにちは。」
「・・・・」
トルネラさんが俺を見た瞬間、瞳のハイライトが消え、表情が消え失せた。
「あ、あの、どうしたんですか?」
「お前ら、一応確認するが、今日は何処まで潜って来たんだ?」
「地下11階です。あ、でも11階は確認するだけで直ぐに戻りましたよ。後は前回売りに来れなかった分も合わせて売ろうかと。」
「よし、お前ら帰れ!」
「えぇ!? ちょ、ちょっと、どうしてそんなこと言うんですか?」
「周りを見れば分かるだろ? お願いだから、今日だけは帰ってくれ!」
「あ、はい。」
確かに今日はいつもより買取カウンターの列が凄かった。そこに大量のドロップアイテムを持ち込んだら……うん。俺でも嫌だな。
「わかりました。また後日に来ます。」
「そうしてくれ。」
仕方が無いので、買取カウンターを後にすることにした。
「まぁ、今日のところは仕方が無いね~」
「じゃな。」
「まぁ、お金に余裕が有るし、後日換金しような。帰るぞ~」
「「「「「は~い(なのじゃ)。」」」」」
俺達は冒険者ギルドを後にして宿に帰ることにした。
・・・・
帰る途中で思い出す。今日の戦闘で迷惑をかけてしまった皆へのお詫びをどうしよう……
プレゼントか? それとも何か料理を作った方が良いのか? とりあえず皆が喜ぶ何かをしてあげたいとおもう。
「う~ん。」
「ハルさん、どうしたのですか?」
「あ、いや、皆へのお詫びをどうしようかなと思ってさ。」
「ハルよ、それは自分で考えるべきじゃぞ。」
「うんうん。だよね~」
「わ、私は、ハルさんからでしたら何でも良いですよ。」
「シャルは…むぐっ!」
「シャル、駄目よ?」
シャルが何かを言いかけたのだが、ティアさんに止められてしまった。せっかくのお詫びを知るチャンスだったのに残念だ。
「う~ん。」
「まぁ、じっくりと悩むんじゃな。」
「ハル君、頑張ってね~」
「む、無理しなくても良いですからね?」
「おう。」
その内何かを思いつくことを願うことにした。
宿屋に帰って来た俺達は、着替えてから夕食を取りに食堂へとやってきた。
「それじゃ、夕食を作りに……」
「あ、ナタリーとティア、今日は疲れただろうし夕食は作らなくても良いよ。
ケリー、夕食を人数分頼むな。」
「あ、はい。分かりました。」
「ついでにエールも頼むのじゃ。」
「あ、私も~」
「じゃあ俺も頼もうかな。ナタリーとティアはどうする?」
「では、私も頂きますね。」
「御一緒させていただきます。」
「シャルも!」
「シャルはジュースね。」
「は~い。」
シャルがお酒に興味を持ったのか? 流石に子供のお酒を飲ませる訳には行かないから却下するけどね。
皆が席について少しすると、先にエールが運ばれてきた。
「お待たせしました。エールとジュースです。」
ケリーが飲み物を運んできたので皆へと配る。
「待ってたのじゃ。」
「ハル君、いつものお願い~」
「はいはい。」
俺は全員分の飲み物をフリージングで冷やすのだった。
「さて、ゴブリンデーご苦労さまでした。それでは乾杯~!」
「「「「「乾杯~(なのじゃ)!」」」」」
ごきゅ、ごきゅ、ごきゅ……ぷはぁ~!! 仕事の後の一杯は最高だぜ!
ひと息入れたところで、今日のことを振り返ってみて、ある疑問を持った。
「ナタリー、ちょっと聞きたいんだけど、ビアンカがちらっと言ってた武器を持つオーガってやっぱり居るのかな?」
「えっと、確かに武器を持っているオーガの話は聞いたことがありますね。」
「何でそう思ったんじゃ?」
「いや、今日のオーガもそうだけど、オーガロードも素手だったじゃん。もしかしてオーガって素手が基本なのかなって思ったんだよ。」
「たぶんだけど、力任せに叩きつけるから、武器を手に入れたとしても直ぐに武器が壊れるからじゃないのかな~」
「ふむ、案外的を得ているかもしれんの。」
言われてみれば、力任せに振り回していたな。アレだと普通の武器だと、直ぐに壊れてしまってもおかしくないな。御実際あの時に使った短槍を1本駄目にしてしまったし……納得だ。
逆に言えばオーガの上位種が不壊武器を手に入れたとしたら……うん、考えるのは止めておこう。
「夕食です。」
ケリーが夕食を運んできた。
「お、来た来た。ケリーありがとな。」
「いえ、それではごゆっくりどうぞ。」
さて、今日の夕食はっと、パンにホーンラビットのステーキに野菜のスープだった。まぁ、普通のメニューだな。
早速頂くとしますかね。まずはステーキからだ。
パクリ……おっ! 何時もの塩コショウじゃ無くて何かタレか。こりゃあ甘辛くて旨い!
最近、ナタリーさんとティアさんが指導している御蔭か、ここの料理も依然と比べて随分とレベルアップしているよな。
何気に食事だけの客も増えているのが良い証拠だ。
夕食を進めている時にナタリーさんが、ふとぽつりとつぶやいた。
「それにしてもゴブリンデーってそういう日が有るんですね。」
「あれ? ナタリーってギルドで働いてたけど、そういうのって知らなかったんだ。」
「あ、はい。私はあくまでアルデの街の冒険者ギルドの受付嬢でしたので、迷宮都市のことは噂話程度しか知りませんでした。申し訳ありません。」
「いや、別に責めている訳じゃなくてでね、その……」
「ハル君は、ナタリーが勉強不足だって言ってるんだよ~」
「そうなんですか!?」
「ちょ! 俺はそんなこと思って無いって! アイリ、勝手なこと言わないでくれ!」
確かに何でも知ってるナタリーさんが知らなかったんだと思ったのは内緒だ。もちろん言わないけどね。
「アイリ?」
「あははっ♪ 冗談、冗談だってば、ほら怒らない~」
「もう~!」
「それで、ナタリーはゴブリンデーの何が気になったんだ?」
「いえ、気になったと言うか、冒険者とって都合が良すぎる話だなと思いまして。
ダンジョンにとって、何かこういうことをするのに意味が有るのでしょうか?」
「ふむ。」
確かに言われてみればそうかもしれない。俺達は仲間に恵まれているから問題無かったが、たいていの冒険者はゴブリンナイトで苦労している人も多い。実際死人も見ているしな。
それがゴブリンデーになると、重くて動けないかかしゴブリンに変わってしまい倒し放題になる。ドロップアイテムの装備は高値で売れるし、良いことづくしだ。本当に何で有るんだろうね?




