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HPポーションを教えてもらった


「まずは乾燥した薬草を葉脈と葉身の部分を分ける」


乾燥した葉でも葉脈の部分は固いので問題なく分離できた


「そしたら葉身の部分を乳鉢を使って粉末にする」


乳鉢に葉身を入れてごーりごーりと細かくする


「そしたらこの分量を量る機械を使って、この重さと同じ分量に分ける」


分量を量る機械とは、見た目そのまま天秤だった、ピンセントを使い、天秤に分銅を乗せる


「おや、使い方知っていたのかい?手で重りを持ったら、ひっぱたいてやろうと思ったのに。

 粉末の量が多すぎても、少なすぎても回復量が少なくなるから、気を付けるんだよ」


危なかった…理科実験大好き少年だったおかげで助かった

指紋が付くと重さが変わるとヒステリックに騒いだ当時の女先生、ありがとうございました

あなたのその行動のおかげで記憶に残ってました(笑)


「思ったんだけど、分量が多いと回復量って多くなるんじゃないの?」


「回復量を増やす実験は昔から行われていてね、粉末の量、水の量、その他色々な工夫をしたおかげで、今の分量が出来たのさ。

 まぁ、同じ比率で量を多くすれば回復も多くはなったが、瓶も大きくなり割れやすくなるため、いまの比率になったんじゃよ。

 興味があるんなら自分で後でやってみな」


「ふ~ん、そういうもんか」


実験は後でやるとして、今は薬草の分量を正しく量ることにする

そして、10束の薬草から3つの分量の粉末に分けることができた


「余った分はこの瓶に入れておきな、また後で使うから」


言われた通りに粉末を一粒も無駄にしないように丁寧に集め、瓶に仕舞った


「次に葉脈を鉄鍋に入れ、炭になるまで火に掛ける。

 そして、先ほどと同じく細かく粉末状にするんだ」


見た目フライパンみたいな鍋に葉脈を入れ、炒めると良いにおいが…することは無かった、うん、焦げ臭い

十分に炭になったので乳鉢に入れ、先ほどと同じくごーりごーりと粉末にする


「葉脈の粉末はの分量は、この重さだよ」


指定された分銅で量ると、こっちも3つの分量に分けられた


「余った分は、この瓶に入れておきな」


先ほどと同様に入れておく


「今回は3つ分の分量なので、この水を、この入れ物3メモリ分を、こっち鍋に入れておくれ」


見た目ビーカーだった、ただ、ガラスじゃないので内側にメモリが刻んである

で、入れる水だが、これって何の水だ?


「この水って何?」


「聖水じゃよ」


ほほぉ~聖女様から出るアレか、どれどれ


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【聖水】

品質:C

効果:MP回復促進

教会で祝福を受けた水、飲むとMP回復が促進される

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し、知ってたさ、も、もちろん

そんな訳は無かったか…がっくし(何が?)

それにしてもMP回復促進効果が有るのか、狩のお供として持っていても良いかもしれない


「この聖水ってどこで手に入れられるん?」


「教会でお布施を払うと貰えるぞ」


「ん、後で自分も手に入れておくわ」


ビーカーに聖水を入れ、スプーンを使って微調整を行う、スポイトが欲しいと切実に感じた

なんとか分量を量り、鍋に入れる


「先ほどの葉脈の粉末を鍋に入れ、よく混ぜながら加熱し、沸騰したら火を止める。

 煮すぎると水の分量が変わり、効果が低くなるから気を付けるんじゃよ」


言われたとおりに粉末を鍋に入れ、火にかける、かき混ぜ棒を使ってぐーるぐーると回す、湯気が出てきて、沸騰したので鍋を火から外した


「最後に葉身の粉末を入れるんじゃが、このまま入れると熱で回復成分が壊れてしまうため、冷めるまで待ち、冷めたら混ぜながら少量ずつ入れる。

 一気に入れると均一に混ざらずにダマになって、これまた効果が低くなるから気を付けるんじゃぞ」


冷却魔法が使えないがクーラー魔法は使える、使っても良いのだろうか?


「師匠、この鍋って急激に冷やしたりしたら駄目なのか?」


「いや、かまわんぞ? 冬場はよく冷えるから、ポーション作成には持ってこいの季節じゃし、雪が降った時は最高じゃて」


「んじゃ問題ないなら冷やすぞ、クーラー」


冷たい風を送り、鍋を冷やす


「その魔法も生活魔法なんじゃな、ハルは結構常識外れの魔法使いじゃな。

 薬剤師に一人、欲しい人物じゃ。

 どうじゃ? 私のパートナーにでもならんか?」


「師事と言うなら今正にそうなので問題ありませんが、パートナーはどういった意味で?」


「言わせるんじゃないよ、恥ずかしいじゃろうが」


師匠は、両頬を抑えてイヤンイヤンな態度をとった、うん無いな


「お断りします」


「なに、冗談じゃて」


すっかり普段の態度に戻った師匠だった、よかった冗談だったか


「じゃが、こちらに来た時くらいは手伝ってくれると助かるから、お願いしても良いか?」


「それくらいなら大丈夫です」


話をしている時間ですっかり冷えた鍋が出来たので、葉身の粉末を少量ずつ加えながら混ぜていく

少しづつ加えると液体の色が黒から赤みが掛かって行き、全部入れ終わった時にはHPポーションの色と同じ赤色になった


「出来たら、この瓶に入れて完成じゃ」


出来上がったポーションを鑑定してみた


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【HPポーション】

品質:C

効果:HP回復+10

飲むと体力が回復する

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うん、お店で売っているものと同じものが出来た


「出来ました」


「よし、上出来じゃ。

 ポーションはこちらで買い取ってやろう、1本銅貨6枚でどうじゃ?」


「問題有りません、もし他でも売る場合はどうすれば良いんですか?」


「後は冒険者ギルドで買い取ってもらえるし、ポーション扱っているお店でも同じじゃ。

 買取金額は決まっていて同じ銅貨6枚じゃよ」


「わかりました。

 後、ポーションを入れる瓶は何処で手に入れれば良いんですか?」


「瓶は道具屋、またはここでも売ってるぞ。

 価格は10本で銅貨1枚じゃ」


「あ、それでしたら瓶代を払ってないんじゃ」


「今回は私からのサービスじゃから気にすんな。

 ハルよ、HPポーションが上手く作れるようになったら、またおいで、今度は中級HPポーションの作り方でも教えてやろう。

 言い忘れていたが、ポーション作成方法は師匠から弟子にしか教えてはいけない決まりになっている。

 ハルは私のたった一人の弟子だ、だから教えたと言うことを覚えておきな」


何か俺の周りの人…ゴードンさんや師匠とかは俺の評価が高い気がする

何でこんなに信用してくれるのだろうか?まぁ、実際悪さも悪用もする気も無いけどね

信用に答えるためにも、一生懸命頑張ろうと思う


「はい、しっかりと心に刻んでおきます。

 ありがとうございました。

 また来ますので、ご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願いします」


「ああ、また来な」


とりあえず練習用に瓶を20本ほど買い、師匠の店を後にし、宿屋へ帰ることにした


調合は理科の実験と同じ感じがする

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